【動画】北米ACURAが今年もパイクスピークに参戦。マシンは625hpのNSXほか
アメリカ・コロラド州パイクスピークにおいて、毎年6月末〜7月初旬に開催されるタイムアタック・イベントが『パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム』だ。
ヒルクライムという名称のとおり、ロッキー山脈の東端、コロラドスプリングスの西16kmに位置するパイクスピークを舞台に、そのワインディングロードを1台ずつ駆け上がるタイムを競うモータースポーツ。初開催は1916年で、すでに100年以上に渡って開催されており、アメリカではインディ500に次ぐ歴史を持つ。
コースは全長20kmで、ヒルクライムの名のとおり全編が山道となるが、数年前に舗装されたためフラットな路面となっている。さらに山のふもとから走り始めるのではなく、スタート地点の標高が2800mであり、ゴール地点は4300mに到達するという点も特徴。ゴール地点は富士山の頂上よりも約550mほど高く、各マシンは標高差1500m/コーナー数156というコースを一気に駆け上がる。なおゴール付近では標高の高さに起因する酸素不足により、エンジンパワーは約30%もダウンするという。
そんな『パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム』に、ホンダが北米を中心に展開するアキュラ・ブランドは毎年参戦を行っており、今年も複数のクラスにNSX、MDX、そしてRDXで参戦。なかでも注目は、「タイムアタックNSX」と名付けられたマシンだ。
2019年モデルをベースに製作されたタイムアタックNSXは、大型リアウィングやフロントアンダースポイラー(スプリッター)を装着し、前後のダウンフォース量を拡大。さらに内装を取り外すなどにより、ベース車両から約90kgの軽量化を達成している。
3.5リッターV6ツインターボは基本的にノーマルのままだが、高地であるパイクスピークは空気が薄く、とくに頂上付近ではパワーダウンが著しい。そのためタービンが大容量のものに変更されたほか、制御系もエンジンとスポーツハイブリッドSH-AWDをパイクスピークに合わせて最適化。その結果、システム全体のパワーは625hpまで引き上げられた。タイヤはピレリ製の専用コンパウンドが用意される。
このタイムアタックNSXは、パイクスピークの「タイムアタック1」クラスにエントリー予定。アキュラのパイクスピーク参戦プロジェクトは、ドライバーを含むチームメンバーのほぼすべてが社内スタッフ(ホンダではアソシエートと呼称する)であることも特徴で、タイムアタックNSXのドライバーには、ホンダの北米パワートレイン開発グループのジェームズ・ロビンソン氏が起用されている。
そのほかMDXやRDXのドライバーについても動画が公開されているので、ぜひそちらをご覧いただきたい。そして本誌ホンダスタイル次号(9/20発売)では、このパイクスピーク参戦の模様もレポートする予定なのでお楽しみに!
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)