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【GT300】参戦2年目を迎えたModulo KENWOOD NSX GT3、雨の初戦は9位でフィニッシュ

2019年のSUPER GT開幕戦、舞台は岡山国際サーキット。国内最高峰カテゴリーであるSUPER GTは今年も多くの参加台数を集め、開幕戦にはGT500クラスが15台、GT300クラスは29台ものマシンがエントリーした。

昨年SUPER GTにデビューしたNSX GT3は、今年は3台がエントリー。34号車Modulo KENWOOD NSX GT3はドライバー・ラインナップも継続して参戦となるが、18号車UP GARAGE、55号車ARTAはどちらも新たにマシンを変更してきた。

2019年のSUPER GTに参戦するNSX GT3。左から55号車ARTA、34号車Modulo KENWOOD、18号車UP GARAGE

マシンの走行データなどは、2年目となる34号車Modulo KENWOOD NSX GT3に一日の長があると思われるが、18号車はマシンこそ違えど昨年の開幕戦では優勝を飾っており、55号車は最終戦までシリーズランキングトップを走るなど高い総合力を誇る。

この3台はいずれも2019年仕様のアップグレードパーツ「Evoキット」が装着されており、マシンの戦闘力はいずれも同等といっていい。55号車は世界的に見ても例のない、NSX GT3とブリヂストン・タイヤの組み合わせであることも、うまくハマれば大きな武器になりそうだ。

参戦2年目を迎え、今年は初優勝はもちろんシリーズチャンピオン争いも視野に入れる34号車Modulo KENWOOD NSX GT3にとって、強力なライバルの出現といえる。

暖かささえ感じるほど、たっぷりとした日差しに恵まれた4月13日、GT300クラスの予選がスタート。今回の開幕戦の舞台である岡山国際サーキットは、1周が3.703kmと比較的コンパクトなレイアウトでもあり、エントリー台数の多いGT300クラスはA/Bグループに分けてQ1が行われた。

そしてAグループに分類された34号車Modulo KENWOOD NSX GT3が、10分間の予選Q1に挑む。ステアリングを握るのは大津弘樹選手で、セッションがスタートすると1番乗りでコースに入っていった。

大津選手は1分26秒128のタイムを記録し、見事にAグループの上位8台に入りQ1を突破する。しかし、ピットでBグループの予選を見るその表情は険しいものだった。

コンディションは刻々と変化しているとはいえ、直後に行われたBグループでは1分25秒台を記録するマシンが続出。同じNSX GT3を走らせる55号車は1分25秒447までタイムを伸ばし、18号車も1分26秒061をマークした。

タイヤラバーがコースに載ったことも影響したか、BグループはAグループに比較して全体的にタイムが上昇し、18号車はQ2に進むことができなかった。

GT500クラスの予選Q1を挟んで、いよいよGT300クラスのQ2がスタート。ドライバーは道上 龍選手が務める。大津選手と同様にセッション開始とともにコースインし、タイヤを暖めていく。Evoキットが装着されたNSX GT3は、リアのスタビリティが向上したというメリットがあるものの、フロントタイヤの発熱には時間がかかるということかもしれない。

道上選手は1分26秒103のタイムを記録するも、周囲のタイムアップはさらに大きく、13番グリッドから決勝レースに挑むこととなった。ポールポジションを獲得したのは55号車ARTA NSX GT3で、1分24秒889というコースレコードを叩き出した。

さらに続く3台を含め、予選1位〜4位をブリヂストン・タイヤ勢が占める結果となり、ドライ路面における優位性を感じさせた。

予選を終えた道上選手によると、NSX GT3はEvoキットを装着してリアのグリップが向上しているもののフロントの荷重が弱く、想定ほど路面温度が上がっていないためタイヤとのマッチングもあり、フロントグリップが足りない感じとのこと。

とはいえ翌日の決勝は高確率での雨予報となっており、ドライ路面での走行は望み薄。『レインタイヤを使えば、また違った展開になるでしょうから楽しみです』と話してくれた。

そして迎えた決勝レースは、前日とはうってかわって悪天候に見舞われた。スタート前から降り続く雨により路面はフルウェットとなり、ウェット宣言が出されるも、スタート時刻直前には雨は小康状態に。そのため各チームのレインタイヤ選択が注目された。

セーフティカー先導により開始された決勝レースは、3周目の終わりに先導車両が外れてバトルがスタート。しかし雨足は徐々に強まり、ホームストレートではマシンの巻き上げる水しぶきにより後続車両の姿が見えないほど。そして13周目には、GT300マシン4台が絡む多重クラッシュが発生してしまう。

スタートドライバーを務めた道上選手の目前で発生したアクシデントだけに心配されたが、とっさの回避で無事にこれをパス。レースはいったん赤旗中断となった。

その後は約45分間の中断を挟んでレースは再開されたが、その後もGT300/GT500の両クラスでクラッシュやコースアウトが頻発。計4度のセーフティカーが出動する荒れたレースとなった。そして2度目の赤旗中断ののち、30周を経過した時点でレースは終了。34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は9位でチェッカーフラッグを受けた。

次戦の第2戦は、5月3-4日に富士スピードウェイにて開催される。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)