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アメリカの物価は安い? 高い? 日常生活の出費で考える

ここのところ、円安が続いている。「物価レベルを比較すると、1ドル=100円ぐらいがちょうどいい」なんて話を聞いたことがあるけど、アメリカの物価はもっともっと安い……と、30年間ずーっと感じている。この間には1ドル=80円代の時代も短くだがあって、その時は服とかも最小限持って出かけて、アメリカに着いてから買ってた。

近頃は、日本で買っても値段は大きく変わらないし、サイズとかも揃ってる日本で買う方が賢明な感じ。しかし、アメリカに来ると、色々安いと感じることがある。

今年のはじめ、フロリダで寄ったマクドナルドで見た期間限定のセットには目を丸くした。チーズ・クォーターパウンダー、ビッグマック、フィレオフィッシュ、チキンナゲットのうちどれか2つを選んで5ドル。飲み物とかフライドポテトはつかない。でも、どれとどれの組み合わせでも5ドル(上記の説なら500円)は普通じゃ考えられない。

日本のビックマックは390円だから、ミート・パティがハンバーガーの2.5倍量のクォーターパウンダーは、今も日本で売られてたとしたら450円を超えるはず。チーズも2枚入りだし。……ってことは、ふたつをセットにしたら850円以上のバリュー。かなりお得だ。

アラバマ州バーミンガムではウォルマートに行った。日本の西友まで系列に収めているメガ・スーパー・チェーンに。入ってすぐが生鮮食料品売り場だったので、覗いて見た。いきなり目に飛び込んで来たのが、このカラフルなラック。アボカドが1個66セント。ライムなんて32セント。1ドル=100円説なら66円と31円!

現実的に1ドル=111円で計算しても、それぞれ74円、35円ぐらいということ。アボカドでもライムでも、日本ではコンスタントに100円オーバー……じゃないですか? 安〜い時で99円とか。さらに食品エリアを進んで、カップラーメン発見。マルちゃん=32セント。こんな値段、日本にある?? しかも、ホット&スパイシー・ビーフなんてそそられる。

ただ、高いのは税金かもしれない。個人の所得税とか明確に把握してないので書かないけど、自分の仕事柄で一番身近なレンタカーやホテルで見ると、消費税、州税がかかるのは当たり前で、宿泊税なんてのもあるから、100ドルで予約したホテルも実際の支払いは130ドルオーバー……なんて事態になる。

レンタカーは大抵空港で借りるが、空港利用税とか、州外から来た人を狙い撃ちにする税金がある。ガソリンは、アラバマ州バーミンガムでは1ガロン=2ドル50セント程度だった。US1ガロン=3.785リッターで。これはアメリカでも安い部類ではないかと。第4戦ロングビーチ取材のためにカリフォルニアに移動して来たら、安くても1ガロン=3ドル70セント。なかには4ドルなんて店も! それでも日本よりは安い。

インディカー・シリーズ第3戦アラバマ取材のために泊まったホテル。宿泊代には様々な税金が加わる

レストランでの食事も高い。日本の牛丼並に安いのは、サブウェイ(サンドイッチ)とかタコベル(タコス)ぐらい。アトランタ空港のバーでワイン1杯飲んだら12ドル……にチップが2ドルで合計14ドル(約1,550円)。近年、チップの相場は20パーセントに限りなく近づいて来てるので。

お勘定の時にもらう伝票に、チップの目安として15パーセント、18パーセント、20パーセントのそれぞれの金額がプリントされてたりする。「最低でも15パーセントは払ってね」ってプレッシャーをかけられてる感じがして、アレは嫌だなぁ。ちゃんとしたサービスをしてくれた時には、20パーセント払うんだから。20パーセントなら計算も簡単だから、プリントしてもらう必要もないもんね。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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