【19TAS】N VAN×サーフトリップの提案、TRIP VANに注目!
「楽しみ上手な家族の家」をコンセプトに、展示ブースを家に見立ててキャラクターの異なる5台の展示車両を並べたホンダアクセス・ブース。そのなかで、「旅をしながら趣味を楽しむ人生」を可能にするモデルとして提案されたのが「TRIP VAN(トリップバン)」である。
2018年7月に追加されたN-VANをベースに制作されたTRIP VANは、その車名のとおり「旅」をテーマとしたコンセプトモデル。近年では車中泊でのドライブ旅行も人気となっているが、1970〜80年代のカルチャーにも通じる「サーフィン」を組み合わせた、サーフトリップにふさわしいVANスタイルを再現している。
広大な室内空間を持ち、もともと道具感の高いN-VANをベースに、さらに「使える相棒」らしさを強調。外観は「四角」をテーマにリデザインされ、前後バンパーやフロントグリルを一新。フロントエンブレムも、現行ホンダ車では使われていない「HONDA」の大文字タイプとなり、ノスタルジック調を演出している。
室内ではウッドが効果的に使用され、アームレストからインパネにかけては圧縮木材を用いて作り直された。木の表面には自然塗料である蜜蝋を使用し、自然なツヤを与えたほか、使い込むことで風合いが高まるエージング効果も狙っている。
シートは1970〜80年代のアメリカンバンをイメージしたベンチシートに交換。素材には天然の革を使用し、シートの背面に木の板を付けることで折り畳み式テーブルとしても使えるなど、現代車両らしい実用性も兼ね備える。もちろんN-VAN本来の広い室内空間は保たれており、助手席を収納することでサーフボードを収納したり車中泊にも対応できる。
外装では積載性を高めるルーフラックや、そのルーフへのアクセスに便利なテールゲートラダーを装着。リアゲート全体とラダーは「LINE-X」を用いて塗装され、耐衝撃性や耐摩耗性、防錆性などを高めている。
アメリカではピックアップの荷台や前後バンパーなど、モノを積み降ろししたり小傷がつきやすい箇所に使われることの多いLINE-Xだが、もともとは軍用車にも用いられるほどタフさは折り紙つき。塗装することで素材自体の強度を高める効果もあり、ルーフキャリアへの積み降ろしやテールゲート開閉による消耗も防げるという。
2019東京オートサロン会場でも、多くの来場者から注目を集めたこのTRIP VAN。現在はコンセプトモデルとしての出展だが、このTRIP VANを開発する過程で得られた知見やオートサロン会場における来場者のコメントなどを融合し、今後の純正アクセサリー開発にもフィードバックしていきたいとのこと。
オーナーのライフスタイルに寄り添い、「使える軽自動車」として人気のN-VAN。今後はカスタムベースとしての人気もさらに高まりそうだ。
(photo&text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)