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【19NAIAS】NTTがインディカー・シリーズのタイトルスポンサーとして契約

ノースアメリカン・インターナショナル・オートショー(通称デトロイトショー)は、1年でもっとも早い時期に開催される自動車ショーだ。自動車大国アメリカの巨大な市場で成功を治めるべく、自動車メーカーは魅力的な新型車両や、次世代技術を搭載したコンセプトモデルを発表する。

そんな今年2019年のデトロイトショーにおいて、モータースポーツに関する大きな発表があった。インディカー・シリーズの新たなタイトルスポンサーに、NTTが決定したというアナウンスである。

アメリカのトップフォーミュラ・カテゴリーであるインディカー・シリーズは、2014年以降、アメリカの携帯電話会社であるヴェライゾンがタイトルスポンサーとして契約していたが、2019年からは一転『NTTインディカー・シリーズ』となる。

NTTとの契約は複数年であり、インディカー・シリーズのタイトルスポンサーだけでなく、公式テクノロジーパートナーとしてインディカーのモバイルアプリの機能拡充や、NTTが開発を進めるスマートプラットフォームなどをレースやサーキットに活用していくとのこと。

デトロイトショー2日目に行われたインディカー・シリーズのプレスカンファレンスには、NTTのグローバルビジネスの責任者である、NTTエグゼクティブバイスプレジデントの奥野恒久氏とインディカーCEOのマーク・マイルズ氏に加え、HPDのアート・セントシアー代表や、参戦チームのオーナーを代表してボビー・レイホール氏ほかが登壇した。

トニー・カナーン(左)とスコット・ディクソン(右)と撮影に臨むNTTの奥野恒久氏

ステージ上には、インディ500の優勝者がレリーフとして刻まれるボルグワーナー・トロフィも展示されたほか、現役ドライバーを代表してスコット・ディクソンとトニー・カナーンが参加。2人はともにチップ・ガナッシ所属のドライバーとして、NTTデータがスポンサードするマシンで参戦した経験を持っている。

タイトルスポンサー締結を記念して、奥野氏には特製のヘルメットが贈られた

NTTの奥野恒久氏は、インディカー・シリーズのタイトルスポンサー契約を締結した理由や目的を、ステージ上でこのように語った。

「継続的に日本人ドライバーが参戦しているインディカー・シリーズは、2017年前に佐藤琢磨選手がインディ500で優勝したこともあり、日本でも人気が高まっています。優勝を記念した特別番組のなかで、佐藤琢磨選手はインディカー・シリーズがいかに競争の激しく、正々堂々と競い合うことのできるモータースポーツであるかを語ってくれました。そんなインディカー・シリーズのエキサイティングな魅力を、NTTは多くのファンを伝えたいですね」

2018年のシリーズ最終戦ソノマ。NTTとNTTデータのロゴを纏ったマシンを走らせたエド・ジョーンズ

ところでインディカー・ファンのなかには、以前からNTTはチームスポンサーをしていたはずと思われる人もいるかもしれない。2013年からチップ・ガナッシのマシンをスポンサードしているのは、NTTのグループ企業のなかで情報サービス事業を中心に扱うNTTデータである。

NTTデータは海外に多くの拠点を持ち、北米にも4つの拠点を持つ。NTTの子会社ではあるが、NTTデータのカンパニーロゴは同じNTTグループでも書体が異なっており、シンボルマークである『ダイナミックループ』は使用していない。

2018年シーズンの最終戦ソノマでは、チップ・ガナッシに所属するエド・ジョーンズがNTTデータのロゴが施されたマシンを走らせたが、よく見るとこの時点でNTTデータだけではなく、NTTの社名ロゴとダイナミックループが描かれているのがわかる。

佐藤琢磨選手は、各所のインタビューにおいて『世界トップクラスのドライバーたちが、正々堂々とクリーンなレースを繰り広げている極めてコンペティティブなカテゴリー』とインディカー・シリーズの魅力を評している。

NTTがタイトルスポンサーとなることで、日本をはじめとする世界各国への情報発信がさらに充実したものになることを期待したい。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)