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走りが進化したNSXの2019年モデル、新色オレンジも追加

ホンダのフラッグシップ「NSX」が、初のマイナーチェンジを発表した。すでにティザーサイトではオレンジ色の新ボディカラーをアピールしていたが、走りに関するブラッシュアップの内容も明らかになった。

まずは肝心の発売時期からお伝えしよう。2018年10月25日に正式発表された2019年モデルのNSXだが、日本での発売開始は2019年5月とアナウンスされた。もちろん、全国のNSX PERFORMANCE DEALERでの受注は始まっている。すでに納期の見通しは半年~一年先となっているため、2019年モデルが気になるのであれば、迷うことなく商談を開始したい。

しかも、各部が進化しつつ価格は据え置きとなっている、もっとも、オプションパーツを含まないベース価格で2370万円(消費税込)という絶対的には高価な車両価格は、オーナーを選ぶこと間違いない。

では、進化点について走りの部分から見ていくことにしよう。NSXの基本コンセプトとしては初代から受け継いだ「誰もが乗れるエブリデイスーパーカー」という部分は変わっていない。4つのドライビングモードそれぞれにおいて熟成を重ね、アクティブ・ダンパーやハイブリッドシステムの駆動力配分といった制御を最適化しているという。

ハードウェアとしては、標準装備のタイヤ銘柄を「ContiSportContact 5P」から「Continental SportContact 6」に変えているのがポイント。トレッドパターンこそリプレイス品と同様だが、コンパウンドや内部構造などをNSX専用に作り込んだという。その新タイヤを活かすべく、前後スタビライザーを締めあげた(フロント26%、リア19%)。

リアについてはコントロールアームブッシュやハブの剛性を上げることで、アクセルコントロールによる姿勢づくりをしやすくセッティングされている。パワートレインは基本的に変更ないが、シャシーのブラッシュアップは走りのレベルを一段上げたというわけだ。

外観ではフロントグリルをボディ同色として、ワイド&ローをコンセプトとしたスタイリングを磨き上げた。10個を数えるラジエーター類に送り込むべく風を取り込むインテーク部分のメッシュパーツは従来のマット仕上げから輝きを持つグロス仕上げに変えているのも細かい変更だが、スタイリングの変化を示す。

オプションのカーボンファイバーエクステリアスポーツパッケージを選ぶと装着される、カーボン製フロントスポイラーやサイドシルガーニッシュもグロス仕上げとなり、カーボン模様をキラキラとアピールする。

ボディカラーは全8色。従来のバレンシアレッド・パール、ヌーベルブルー・パール、ソースシルバー・メタリック、カジノホワイト・パール、130Rホワイト、クルバレッド、ベルリナブラックに、注目の新色「サーマルオレンジ・パール」が追加された。

現行NSXにおいては世界各地のサーキットにちなんだカラー名称となっているが、サーマルというのはそうした著名なサーキットに由来したものではない。NSX誕生の地といえるアメリカのミニサーキットにおけるイベントでの思いが、込められた名前なのだという。この新しいオレンジ色は、8万5000円高のオプションカラーとなっている。

またサーマルオレンジ・パールに合わせるべく、ブレーキキャリパーのオプションカラーにもオレンジが追加された。

インテリアではアルミ製スポーツペダル&フットレストが標準装備化。シックなブルー系のインディゴもインテリアの新色として追加されたのはニュースのひとつ。オレンジのボディにインディゴの内装を組み合わせれば、アバンギャルドな雰囲気さえ感じられるのは気のせいだろうか。また、オプションのフルレザーシートでもレッドを選択できるようになった。

インテリアカラーは、エボニー、オーキッド、レッド、サドル、そして新色のインディゴと全5色が用意される。

こうした2019年モデルにおける作り込みにおいては、マイナーチェンジを機に開発拠点が日本に集約されたことも効いている。またLPL(開発責任者)も、アメリカ人のテッド・クラウス氏から、子どもの頃からクルマ好きで、長らくダイナミック領域のエンジニアとして活躍してきた水上 聡 氏にバトンタッチしている。

水上氏によれば、2019年型NSXで進化させたのは「きれいな軌跡で走れること、コントロールしやすいこと」だという。フロントを左右独立モーターで駆動させるスポーツハイブリッドSH-AWDという、世界でもオンリーワンのテクノロジーを用いたNSXは、もともと理想的な走りを表現できるクルマだが、そこにナチュラルさを加えたということだろうか。

2019年モデルNSXの走りがどのように進化したのかは、こちらのホームページにてレーシングドライバー・佐藤琢磨選手のインプレッション動画でも確認することができる。
https://www.honda.co.jp/NSX/new/

近日中に予定している公道試乗の模様は、次号ホンダスタイル(12月20日発売)の誌面でもたっぷりと紹介する予定なので、ぜひお楽しみに!

(photo&text:Shinya YAMAMOTO 山本晋也)