アキュラNSX GT3を駆る、スゴ腕女性ドライバーの存在
ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われた、サーレンズ6時間耐久レースにおいて、メイヤー・シャンク・レーシングが走らせたキャサリン・レッグ/アルバロ・パレンテ組がドライブする86号車アキュラNSX GT3が、GTデイトナ・クラス(GTD)で今シーズン3回目となる2位フィニッシュを記録した。
このレースは耐久イベントだけで構成されるシリーズ内シリーズ=テキーラ・パトロン・ノース・アメリカン・エンデュランス・カップ(NAEC)の第3戦となっており、レッグとパレンテはデイトナ24時間に続く2回目の優勝となった。
メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の発足は1989年。当初はマイケル・シャンク・レーシングとしてスタートし、今年からマイケル・シャンクとジム・メイヤーの共同経営となったことでチーム名が変わった。彼らはインディ500にも2017年から出場。インディカー・シリーズへのフルタイム参戦も目指し、出場レースをインディ500以外へも広げている。
MSRの本拠地は、アメリカ東部オハイオ州のコロンバス。NSXが生産されているホンダのメアリーズビル工場パフォーマンス・マニュファクチャリング・センターとも近く、そのためチームはコロンバス・エリアの人々から熱いサポートを得ている。
自分たちの作ったクルマ、自分たちの地域で作られたクルマを地元のチームが走らせるのだから、気持ちの入り具合が違う。MSRはファイティングスピリットあふれるチームで、その戦いぶりを保ち続けたことで2012年にデイトナ24時間レースというビッグレースで総合優勝。ファンもそうした歴史を知っているからか、彼らの諦めない戦いぶりに声援を送り続けている。
MSRは2015年からホンダとジョイントし、2シーズンにわたってIMSAシリーズの当時のトップカテゴリーでリジェ/ホンダを走らせ、2017年にアキュラがNSX GT3をGTDクラスへデビューさせる際、その走らせるチームに選ばれた。
このプロジェクトには、スタートから女性ドライバーのキャサリン・レッグが加わっている。インディカー・シリーズへの出場経験も持つベテランドライバーだ。
アンディ・ラリーとコンビを組んでいたデビュー・イヤー、彼女たちはデトロイトのベル・アイル・パークで行われたレースでNSX GT3に初優勝をもたらし、その勢いを保ってワトキンス・グレン・インターナショナルでのサーレンズ6時間でみごとに2勝目を挙げた。
今シーズンのキャサリン・レッグは、アルバロ・パレンテをチームメイトに迎えてデイトナ24時間でクラス2位(チームメイトをプラス2名起用)、セブリング12時間で8位(プラス1名起用)、ミッドオハイオ・スポーツカー・コースで2位と、好パフォーマンスを続けている。
デトロイトではアルバロ・パレンテが出場できなかったため、デイトナを一緒に戦ったマリオ・ファーンバッカーとのコンビで戦ったが、レッグはここで2年連続優勝を達成!
5戦を終えてシリーズポイント・ランキングでも、NAECのポイントでも、ランキング2位タイにつけている。
MSRが走らせるもう1台の93号車NSX GT3をドライブするのは、ローソン・アシェンバックとジャスティン・マークスのコンビ。彼らのベストリザルトはデトロイトでの2位。アキュラNSX GT3の1-2フィニッシュを実現させた。
(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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