【GT300】富士名物の霧によりS-GT予選は一発勝負に
ゴールデンウィーク真っ最中の5月3-4日、今年もSUPER GTの第2戦が富士スピードウェイ(以下FSW)で開催されました。関東圏からもアクセスしやすいFSWでは、SUPER GTは年間2度のレースが行われます。なかでも連休中に開催される第2戦はシーズンでも1-2と言われるほどの観客動員数を誇るレースとなっており、今年も2日間で8万5000人を超える来場者数を記録しました。
ここFSWでは3月に公式テストが行われており、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3はチーム&ドライバー共に手応えを感じる結果で終えることができました。あれから約2か月が経過し、テスト時と比べると気温・路面温度ともに上昇していますが、初夏というには涼しい、御殿場らしい気候のもとレースウィークがスタートしました。
岡山国際サーキットで行われた開幕戦では、アクシデントに見舞われて破損してしまった34号車Modulo KENWOOD NSX GT3でしたが、メカニックほかチーム総出で修復を完了。第2戦の前に鈴鹿サーキットで行われたテストも順調に消化しており、今回も活躍が期待されます。
搬入日の水曜日こそ初夏を思わせる晴天でしたが、予選が行われる5月3日木曜日は嵐のような強風と雨に朝から見舞われました。走行時間が近づくにつれ雨は止み回復するかと思われましたが、サーキット全域をたちまち濃霧が包み込み、数メートル先も見えないほどの視界不良となります。そのため朝に予定されていたスーパーGT公式練習やサポートレースなどは中止となり、午後の予選も30分の公式練習の後に行われる事となりました。
正午すぎには晴れ間がのぞき、30分間の公式練習がスタート。34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3はまず大津弘樹選手がマシンに乗り込み、走行を開始します。今回のレースウィーク初となる走行を順調にこなすと、道上 龍選手へと交代し最後の調整を行いました。
この公式練習でGT300の上位を占めたのは、34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3を含めたFIA-GT3勢でした。GT3マシンとの相性が良好に思えたFSWでの練習走行にて、34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3は8番手のタイムを記録。持ち込んだタイヤやマシンセッティングに手応えを感じつつ、午後の予選を迎える事となりました。
スーパーGTの予選は、通常はQ1そしてQ2へと続く『ノックダウン方式』で行われますが、今回は悪天候によるスケジュール変更に伴い、一般的な計時予選形式となりました。GT300、GT500それぞれ20分間の予選を行い、その走行結果にて決勝グリッドが決定されます。朝の天候が回復し日も差し始めたFSWでしたが、風は強いまま変わらず。再び雨を予感させる黒い雲も見られるなか、GT300の予選が開始されました。
34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3は、予選アタックを道上龍選手が担当。GT300全車が順調に走行を進めるなか、同じNSX GT3を使用する777号車がまず1分38秒台を叩き出しトップタイムを更新。そして走行時間の約半分が過ぎたころ、周回5周目に道上選手が1分37秒396のタイムを出し、この時点で7番手となりました。
その後さらにタイムアップを目指しましたが、シフトダウン時のアクセルレスポンスのトラブルの症状により以降アタックが難しくなり、12番手にて予選を終える事となりました。GT300の約半分である上位14チームが1秒以内にひしめく予選となり、今季のGT300が例年以上に激しい争いであることを感じさせます。
なお、予選中にコース外走行をした他車両がいたため、34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3の順位が繰り上げとなり、正式予選結果は11位となりました。決勝レースは500kmの長丁場となりますが、上位進出に期待がかかります。
(text:Leah MIZUMURA 水村リア)