2018 インディカー・シリーズ開幕戦は荒れたレースに
予選トップはルーキーのロバート・ウィッケンズ。カナダ出身の28歳。フォーミュラでのステップアップがスムーズに行かなかったが、ドイツメーカーがマジで取り組むツーリングカーのDTMで活躍した男。2018年シーズンは出場全員が同じエアロキット装着で走るようになったので、初戦の今回はみんなマシンのことが把握し切れていなくて、ベテランもルーキーもない、ビッグチームもニューカマーもない混沌状態が作り出されていた。
ウィッケンズ以外にも2人のルーキーが予選トップ4入り。昨年度チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は3段階の予選の最初のラウンドで敗退し、予選結果は13位だった。
ダウンフォース大幅削減、それにピタリと合うタイヤもまだ開発途上ということで、1.8マイルのコースを110周するレースがどんな戦いになるかは誰にも想像がつかなかった。
予選で速かったルーキーたちは決勝でも変らず速かった。しかし、経験不足やチームの準備不足で好成績を残すことはできなかった。しかし、ポールスタートのウィッケンズだけは最後までトップ争いに残り続けていた……というより、優勝に向かって突っ走っていた。
しかし、ゴール目前で彼の初勝利は消し飛んだ。残り10周を切ってからアクシデントが連発、リスタートが2回も行われ、その一度めは無難に決めたものの、二度目に一瞬の隙を見せ、そこに突っ込んだのがインディカー2勝のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。ターン1でウィッケンズのインを奪ったが、ブレーキングで止まり切れずにスピン気味にウィッケンズにぶつかって行くことに。
ウィッケンズは相手に1台分のスペースを与え、アウトを回ってコーナーをクリアしようとしたが、ぶつかられてスピンに陥り、壁にぶつかってレースを終えることになった。相手にぶつかって自らのスピンを止めたロッシは走り続けて3位でゴール。後味の悪い結末となった。
棚ボタ優勝したのは、アクシデント発生時に3番手を走っていたセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)。セントピーターズバーグ在住のフランス人ドライバーにとっての開幕戦2年連続優勝となった。
2位はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、ロッシの後ろの4位はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、5位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、5位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)とホンダ勢がトップ6を独占した。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は12位。予選ではファイナルまで戦って5位をゲット。レースでは序盤にトップ争いを行っていたが、ブレーキミスしたディクソンに激しく追突されるという脅威的不運に見舞われ、タイヤがパンク。最後尾近いポジションまで後退し、そこから作戦もフル活用して上位復活を狙ったが、這い上がることはできなかった。
次戦はフェニックスのショートオーバル。開幕前テストで最速だったのは佐藤琢磨である。そちらに期待だ。
(text:Hiko AMANO 天野雅彦)「ジャック・アマノのINDYCARレポート」もよろしく!
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ロングホーン・ステーキハウスに行ってみた!
レースウィークエンドはディナータイムが遅くなりがちで、さらに朝早くにサーキットに行かなきゃならないし……ということで食事を楽しみにくい。セントピーターズバーグでの開幕戦の夕食はサブウェイのサンドイッチと中華のテイクアウトで済ませたので、レース後の月曜日はステーキを自分に振舞うことにした。アメリカではお得感高いからね、ステーキは。
ホテルの近くに全米チェーンのロングホーンステーキハウスがあったので、そちらにトライ。ロングホーンてのは、長いツノの生えた牛のこと。テキサス辺りに生息してるらしい。それで、店は内外ともに牧場的というか、西部っぽい雰囲気を醸している。
ウェイトパーソンに「ここの一番人気は?」とストレートに尋ねると、返って来た答えは「リブアイですけど、期間限定のアウトロー・リブアイの方が柔らかだし、フレイバーもいいですよ」というもの。素直にお薦めに従い、骨つき18オンス=約510gをオーダー。サラダとサイド1個か、サイド2個を含み、パン食べ放題で25ドル49セント。ステーキの焼き具合は、トランプ大統領夫妻はウェルダンしか食べないって話だけれど、私はミディアム・レアぐらいが好み。サイドはシーザーサラダとベイクドポテトをセレクト。
やっぱり安いよね、アメリカはステーキが。チップを20パーセント弱つけて30ドル50セント。日本円に換算するとだいたい3300円のディナーとなった。肉に合わせてスパイスを利かせるのがロングホーンの売り。肉は柔らかで美味しく、スパイスもいいカンジだったけど、かけられたバターがちょっと多くて、くどかった。
てことで、今年はアメリカのステーキハウス・チェーンを再評価することに決めた。しばらく行ってないチェーン、結構あるし。何店か回ってから評価をしてみたい。
(photo&text:Hiko AMANO 天野雅彦)