【GT500】2025年のSUPER GTがついに開幕! 64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは9位で2ポイントを獲得

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2025 SUPER GT 第1戦(岡山国際サーキット)
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
予選:13位
決勝:9位
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国内最高峰のモータースポーツ、SUPER GTの2025年シーズンがいよいよ開幕! ホンダは昨季よりGT500クラスにシビック TYPE R-GTを投入したが、惜しくも初年度のタイトル獲得はならなかった。マシンの熟成も進んだ今季は、シリーズチャンピオン奪還に期待がかかる。

そんなホンダ勢は昨年に続いて5チーム(5台)がGT500クラスに参戦! ホンダアクセスがタイトルスポンサーとなっているModulo Nakajima Racingは7シーズン目に突入、昨年に引き続いて伊沢拓也選手と大草りき選手のコンビで参戦する。
いよいよ開幕を迎えた2025年のSUPER GTシリーズ。全8戦で争われる日程に変更はないが、2025年は久しぶりに海外ラウンドが復活! 第3戦は6月27-28日、マレーシア・セパンインターナショナルサーキットで開催される。

GT500クラスの車両においては、各メーカーともエアロパーツは開発凍結ということもあり、カラーリングの変更以外、変化は少ない。ファン目線でもっとも大きな違いは予選方式で、2023年までの「ノックアウト方式」に戻された。ただし以前はQ2進出車両が8台だったのに対し、2025年方式はQ2進出が10台に増加された。
予選Q1とQ2は、それぞれ異なるドライバーが担当しなければならない点も従来どおり。タイヤはQ1で1セット、Q2で1セットの計2セットを使用することができる。

迎えた予選日の天候は快晴。春のピークはやや過ぎた感があるものの、多くのモータースポーツファンが岡山国際サーキットに詰めかけた。オフシーズン中のテストで好調が伝えられていたModulo Nakajima Racingであったが、公式予選Q1を担当した大草りき選手のタイムは1分17秒759で13番手。惜しくもQ2進出はならなかったが、Q1ではGT500クラスの全車が0.7秒以内に入るなど、今季のSUPER GTも激戦を感じさせた。

決勝日は前日からうってかわった天候となり、朝から雨が降りコース路面はフルウェット。オープニングセレモニーが開始されても雨は納まるどころか強くなり、さらに冷たい風も吹き付けるコンディション。ファンの願いもむなしく雨は止むことなく、82周の決勝レースはセーフティカー先導でスタートした。

2025年開幕戦の決勝レース、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーを担当するのは大草りき選手。スタートして5周を終えるころ、セーフティカーがピットに戻ってグリーンフラッグとなる。しかしすぐに数台が絡む大きなアクシデントが発生し、再びセーフティカーが入り、その後赤旗が提示された。

64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTはこのアクシデントに巻き込まれることなく、GT500/GT300両クラスごとに隊列を整えたのち、13時55分にセーフティカースタートでレースが再開される。大草選手は10位までポジションを上げ、さらに少しずつペースアップしながら走行を重ねる。
15周を過ぎ、ライバル車両でコースアウトするマシンがあったため8番手まで浮上。すると、この日三度目となるセーフティカーが導入される。19周目にリスタートした際、大草選手は1コーナーでライバル車両に行く手を阻まれ、押し出されるかたちで飛び出してしまい11位までポジションを下げてしまう。

その後、徐々に路面がドライアップしていくなか、大草選手はウェットタイヤのまま懸命に周回を重ねていく。35周頃になると、徐々にタイヤ交換を行なうマシンが出てきたためポジションが上がり、8位に復帰する。
47周目にModulo CIVIC TYPE R-GTはピットインし、伊沢拓也選手へとドライバーチェンジ。再びウェットタイヤを装着してコースに復帰する。やがて雨は完全に止み、路面はハーフウェットの難しいコンディションが続く。

スリックタイヤへ交換してペースを上げていくマシンも現れるなか、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTも2度目のピットインをしてスリックタイヤに交換して追い上げを図る。そしてレースも残り15周となったころ、トラブル車両が発生してこのレース3度目のセーフティカーが導入された。
残り10周の時点でレースは再開され、最後はスプリントレースの様相に。伊沢選手はアクシデント続きとなった波乱のレースを、ベテランらしく落ち着いて走り抜き9位でチェッカー。チームに2ポイントをもたらした。
中嶋 悟 総監督 コメント

「天候のこともあり荒れた展開の開幕戦となりました。我々は1周遅れながら、2ポイント獲得することができました。いろいろなことが起こった長いレースをやり切れたので、次戦に繋げることができたと思います。悪天候のなか、たくさんのご声援をありがとうございました」
伊沢拓也選手 コメント

「今日のレースはコンディション的には自分たちに合っているとは言えない状況でしたが、荒れた展開のおかげで貴重なポイントを獲ることができました。チームのみんなでそつなくやれた結果だと思っています。ただし、今のままではライバル勢に負けているところがたくさんあると感じた週末だったので、今回のレースで見えたものをしっかりと振り返って、次戦の富士では上位を目指せるように頑張ります」
大草りき 選手 コメント

「今回はコンディションがどんどんと変わっていき、その場その場でいろいろと考えて対応していくようなレース展開のなか、なんとかポイント獲得にこぎつけることができました。セーフティカー先導からスタートが切られた直後に発生したアクシデントは、ウォータースクリーンで何も見えないなか、いきなり目の前にクルマが出てきたような状況で、なんとかよけられて良かったです」
「赤旗中断後、リスタートが切られた時には他のクルマと接触しそうになったのを回避しようとしてコースアウトしてしまったのですが、あの場所にいなければ起きなかった出来事なので、次の富士大会では、もっといいレースができるように頑張ります」
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)