【ACURA】1.5リッター直噴ターボ搭載、FLシビックの車体を使用したスポーツ志向SUV「アキュラADX」が新登場
2024年11月14日(現地時間)、ホンダが北米市場を中心に展開するラグジュアリーブランド「ACURA(アキュラ)」は、新型SUVの「ADX」を発表した。アキュラのSUVラインナップにおいてはエントリーレベルに位置付けられ、2025年初頭からデリバリーが予定されている。
2024年現在、アキュラでは3種類のSUVをラインナップしている。価格帯の低い順にRDX/MDX/ZDXとなっており、RDXは「プレミアム スポーツ クロスオーバー」、MDXは「プレミアム パフォーマンス SUV」、そしてフルEVのZDXは「プレミアム オールエレクトリック SUV」というのがメーカー側の位置付けだ。
そんなアキュラのSUVラインナップに追加されたADXは、「プレミアム コンパクト SUV」を名乗る。シャシーは、ホンダが北米市場で販売している「HR-V」とほぼ同じ。つまり日本国内市場では「ZR-V」として販売されているクルマの兄弟車だ。
アキュラADXと北米HR-V(日本名ZR-V)のボディサイズを比較すると、全高や全幅、ホイールベースは両車ほぼ同じ。唯一異なるのは全長で、ADXは前後バンパー形状などにより全長が150mmほど延ばされている。
ADXのグレードは標準モデル/A-Spec/A-Spec with Advance Packageの全3グレード展開で、駆動方式はAWDのほかFFも設定される模様。エンジンは1.5リッターVTECターボのみで、ハイブリッド(e:HEV)は設定されない。
北米市場で販売されているHR-Vのパワーユニットは、2リッターNAのみ。つまりアキュラADXは、兄弟車のHR-Vに対して排気量を縮小しつつ、運動性能や高級感を高めたモデルという位置付けになる。
ADXの外観は、アキュラのファミリーフェイスである「ダイヤモンド ペンタゴン グリル」を採用。グリルの周囲を囲うモールが存在しない昨今のトレンドを取り入れている。
そのほかアクティブ グリル シャッターやフロントリップスポイラー、アンダーフロアカバーといったエアロデバイスが空力性能を高めて燃費を向上させるほか、フロントグリルの両側に備わる「エア カーテン インレット」が、フロントバンパーと前輪の周囲に空気を導いて空力性能を高めている。
灯火類では、ヘッドライトやデイタイム・ランニング・ライトにLEDを採用。前後のライト形状は直線基調となっており、RDXやMDXとの関連性を強く感じさせる。
タイヤは標準グレードが225/55R18で、A-SpecおよびA-Spec with Advance Packageは235/45R19サイズ。いずれもコンチネンタル製の高性能オールシーズンタイヤを装着する。
標準グレードはボディ下部のトリムがメタリックグレーとなり、フロントとリアにシルバーのスキッドガーニッシュを備える。ボディカラーは全6色展開となり、そのうち1色は「アドリアティック シー ブルー メタリック」と名付けられた新色とのこと。
インパネまわりは、現代のホンダ&アキュラに共通する水平基調のデザインをベースにしつつ、アキュラ・インテグラで初採用したデュアルコックピットデザインを採用。スポーティ色を強めたSUVらしい、パーソナル空間としての運転席まわりを表現している。
トランスミッションは全車CVTで、シフト操作はセレクターレバーにて行う。その横にはドライビングモード切り替えスイッチが用意されており、標準グレードおよびA-SpecではSnow/Comfort/Normal/Sportの4種類。最上位グレードのA-Spec with Advance Packageではオーナーの好みでセッティングできるIndividualが加わり、5種類となる。
メーターまわりは、10.2インチのデジタルメーターディスプレイ「アキュラ プレシジョン コックピット」を標準装備する。インパネ中央には9インチのカラータッチスクリーンが備わり、ワイヤレスApple CarPlayおよびAndroid Autoが利用可能。そのほかWi-Fiホットスポット機能や、15Wのワイヤレス急速充電器(Qi)など装備は充実している。
内装色はエボニー、レッド/エボニーのほか、アキュラ初採用となるオーキッド/ブルーの3種類。中間グレードのA-Specでは、ウルトラスウェードシートトリム、パノラマムーンルーフ、ベンチレーション付きフロントシートを標準装備。
またパンチングレザーで覆われたフラットボトムステアリングホイール、アンビエントLED照明、ステンレス製スポーツペダル、赤色のゲージ針、赤色のコントラストステッチ、スポーティなクロームシフトノブを備え、キャビンにはプレミアムなパフォーマンスエッジが加えられている。
そして最上位グレードのA-Spec with Advance Packageには、ウルトラスエードインサート付きフルレザートリムの室内装飾、ヒーター付きステアリングホイール、サラウンドビューカメラ、Bang&Olufsenプレミアムサウンドシステム(15スピーカー)など、クラストップレベルの充実した装備を誇る。
乗車定員は5名で、リアシートは6:4の分割可倒式を採用。ラゲッジスペースは最大24.4ft3 で、リアシートを倒すと55.1ft3 にまで拡大する。ウォーク アウェイ クローズ機能付きパワーテールゲートは全車に標準装備となる。
車両価格は未発表だが、3万ドル台中盤からとのこと。日本市場への導入はほぼ期待できないモデルではあるものの、扱いやすいサイズのスポーティラグジュアリーSUVとして、非常に魅力的に思える1台だ。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)