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【GT500】悪天候も味方につけ3年ぶりのポールポジション獲得! 64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは決勝10位

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2024 SUPER GT 第8戦(モビリティリゾートもてぎ)
#64 Modulo  CIVIC TYPE R-GT
予選:1位
決勝:10位
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国内モータースポーツのトップカテゴリーであるSUPER GT。2024年シーズン、GT500クラスに参戦しているホンダ系チームは、参戦車両を長らく参戦してきたNSX-GTからCIVIC TYPE R-GTへと変更した。

ホンダアクセスがパートナーとして支えるModulo Nakajima Racingは、2024年シーズンのドライバーラインナップをエースであるベテランの伊沢拓也選手と、GT300からステップアップして今季からGT500デビューとなる大草りき選手のコンビで臨む。そんな2024年シーズンもいよいよクライマックス、第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」が、栃木県・モビリティリゾートもてぎを舞台に開催された。

2024年のSUPER GTもいよいよ第8戦を迎えた。例年であれば最終戦となるが、今年は第5戦が悪天候のため12月へと順延されているため、第8戦ではあるものの今回を含めて残りは2戦。前戦のオートポリスでは、Modulo Nakajima Racingはコースアウトにより無念のリタイアとなってしまったが、チームは短期間でマシンの修復を終えた。ホンダ勢にとっては地元でもあるモビリティリゾートもてぎでのレースだけに、なんとしても今シーズン初の表彰台を獲得したいところ。

迎えた11月2日、公式練習と予選が行われる土曜日は早朝から雨が降り続き、前戦オートポリスに続く悪天候下でのレースウィークとなった。ときおり雨の勢いが増すような荒天となったが、視界を遮る霧などの発生はなく、午前9時からの公式練習は予定どおり行われた。

しかし降り続く雨や、上がらない路面温度という条件下でスリップダウンする車両が続出。公式練習中に6度の赤旗が提示されるという荒れた展開となったが、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは大草りき選手が1分49秒676を記録。ダンロップタイヤの性能をフルに引き出し、トップタイムをマークした。

午後の公式予選は、GT300のQ1にて赤旗中断があった関係で開始時間がやや遅れ、14時53分からGT500のQ1がスタート。気温17度・路面温度も19度までしか上がらず、コース状況はフルウェット。全車がレインタイヤを履いての走行となった。

64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのステアリングを握ったのは大草りき選手で、公式練習における自身のタイムを更新する1分49秒255をマーク。Q1におけるトップタイムを叩き出す。その後、15時49分に開始されたQ2は伊沢拓也選手がアタックを行ない、大草のタイムをさらに更新して1分48秒656を記録。Q2では3番手となったが合算タイムではトップとなり、2021年の第3戦以来となるポールポジションを獲得した。

迎えた11月3日、決勝レースが行われる日曜日は前日とは打って変わって雲ひとつない青空が広がった。この日は文化の日で、翌日の月曜日が振替休日で3連休となることもあり、モビリティリゾートもてぎは朝から多くの観客が訪れた。

ポールポジションからのスタートとなる、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは伊沢拓也選手がスタートドライバーを担当。定刻どおりに13時からパレード&フォーメーションラップが開始され、グリーンフラッグとともにレースがスタート。

伊沢選手は1・2コーナーへのホールショットを決めると、前方にライバル車両のいないクリーンエアもあり順調に周回を重ねていく。すると7周目、GT300車両がピットレーンの出口付近でストップ。そのためフルコースイエロー(FCY)が導入される。

セーフティカー(SC)とは異なり、後続とのタイム差はあまり縮まらないFCYだが、走行ペースが抑えられることでタイヤ温度が下がってしまう。8周目のリスタートにおいて、2番手の8号車ARTA CIVIC TYPE R-GTにパスされ、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは2位へとポジションダウンとなる。

その翌周にはGT300車両がコースオフしてしまい、再びFCYが導入される。このFCYが解除されるタイミングを狙い、伊沢選手は8号車をパスすることに成功。64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTがトップの座を奪い返す。

しかし11周目、昨年のシリーズチャンピオンであり今季もランキング首位に立つ36号車au TOM’S GR Supraに先行を許し、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは2番手となる。ここから白熱した2位争いが展開され、伊沢選手はベテランらしくタイヤを労りながら落ち着いた走りで周回していくが、18周目に3位、21周目にもうひとつポジションを下げて4番手となる。

そして23周目にピットインを行い、大草りき選手へとドライバー交代してコースに復帰。このピット作業において若干のタイムロスがあったこともあり、500クラスの全車がピットインを終えて順位が落ち着くと、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは12番手を走行する。

大草選手は前をいくライバル車両を懸命に追いかけていくが、なかなか差を詰めることができない我慢の周回が続く。残り10周を切るころに数台が絡むアクシデントが発生し、11番手となる。その後も最後まで諦めずに10位へポジションを上げてチェッカーフラッグを受け、ポイントを獲得してレースを終えた。

中嶋 悟 総監督 コメント

「10位でした。本番のペースがまだ足らないのと、ピット作業でタイムロスがあったことがトップを守れなかった原因だと感じています。最後の鈴鹿で果たせなかった目標を達成できるよう取り組んでいきます。今大会もたくさんのご声援をありがとうございました。」

伊沢拓也選手 コメント

「ウォームアップ走行がドライコンディションでの走り出しになりましたが、クルマのフィーリングは非常によく、タイヤのグリップ感もありました。レースがスタートして最初の5~10周は良かったのですが、そこから先は少し辛かったです」

「最終的には10位という結果になりましたが、今回は新しいタイヤを作って持ち込んできています。うまくいったことも、いかなかったことも、すべて僕たちの経験になると思っています。最終戦は冬場の戦いとなり、難しいレースになると思いますが、シーズンをいい形で締めくくれるように頑張ります」

大草りき選手 コメント

「伊沢選手がスタートから頑張ってくれて、後半スティントに繋いでくれました。交代したタイミングも難しいところで、そこでポジションを下げてしまいましたが、その後もペースがなく厳しい戦いでした」

「今回こういった苦しいレースになった理由はいろいろありますが、最終戦に向けてしっかり原因の究明をしていきたいです。いい最終戦にできるよう頑張っていきます」

(text:Honda Style Web)