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【GT500】初夏を思わせる陽気に恵まれた3時間のセミ耐久、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは13位でチェッカー

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2024 SUPER GT 第2戦(富士スピードウェイ)
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
予選:13位
決勝:12位
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国内モータースポーツのトップカテゴリーである、SUPER GTの2024年シーズンがいよいよ開幕! ホンダ勢にとって、今年はGT500クラス参戦車両がNSX-GTからCIVIC TYPE R-GTへと変更されるだけに、多くの注目を集めるシーズンとなる。

ホンダアクセスがパートナーとして支えるModulo Nakajima Racingは、ドライバーラインナップも一部変更された。エースであるベテランの伊沢拓也選手は変わらず、GT300からステップアップして今季からGT500デビューとなる大草りき選手を新たに迎えてコンビを組む。

開幕戦(岡山)から約3週間というインターバルを挟み、2024 SUPER GTの第2戦が静岡県・富士スピードウェイで開催された。通常のレースウィークでは週末の土日開催となっているが、大型連休のゴールデンウィーク中に開催されることが定番となっている第2戦は、毎年5月3-4日に開催される。今年は休日の並びから、最大で10連休というケースもあったようで早朝から大勢の観客がつめかけた。

そんな第2戦、Modulo Nakajima Racingは開幕戦で10位に入賞したことにより、2kgのサクセスウェイト搭載が義務付けられる。とはいえ搭載重量が少ないうちに、連続してポイント獲得あるいは表彰台を実現させたいところ。この第2戦は3時間という時間制レースとなっており、各チームとも決勝中に給油を伴う2回のピットインが義務付けられる「セミ耐久レース」となっている。

ゴールデンウィークに入っても全国的に天候に恵まれたなか、レースウィークの富士スピードウェイも快晴。予選に先駆けて午前中に行われた公式練習から、初夏を思わせるような陽気となった。

予選が行われる午後を迎えると、気温・路面温度はさらに上昇。今年から予選Q1&Q2および決勝のスタートで使用するタイヤを同一セットにしなければならないという規定があるため、各ドライバーはタイヤを労わりながら好タイムを刻まねばならないというシビアな技術が求められる。

定刻どおりスタートした公式予選Q1、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTをドライブしたのは今シーズンからチームに加入した大草りき選手。入念にタイヤを温めたのち、落ち着いたアタックで1分27秒788をマークする。続くQ2では伊沢拓也選手がステアリングを握り、1分28秒415を記録。ふたりの合算タイムは13番手となり、翌日の決勝レースに挑むこととなった。

決勝レースが開催された5月4日も、まさに五月晴れという言葉がふさわしい絶好のレース日和。ゴールデンウィークの後半連休真っ只中とあって、富士スピードウェイには早朝から大勢のレースファンが訪れた。

詰めかけた大観衆の熱気がコースにも伝わったか、13時30分にパレード&フォーメーションラップが開始された時点で、気温23度/路面温度41度というコンディション。気温はともかく、路面温度は事前の予想よりも高かったため各チームともレース序盤にどのような戦略を採ってくるかが注目された。

64号車Modulo CIVIC TYPE-R-GTのスタートドライバーを担当したのは、伊沢拓也選手。オープニングラップでは、はやくもポジションをひとつ上げて12番手となるが、その後ライバルにかわされ13位で周回を重ねていく。

レース序盤は各車両とも淡々と走行を重ねていたが、17周目にフルコースイエロー(FCY)が導入。しかし翌周には解除され、伊沢選手も前を走るライバル車両と数秒のギャップを保ちながら周回していく。やがて30周を過ぎると、徐々にピットインを行うマシンが現れる。

64号車CIVIC TYPE R-GTは7番手まで順位を上げたあと、39周目にピットイン。タイヤ交換と給油、そしてドライバーを大草りき選手へと交代してコースに戻る。このピット作業でいったん最後尾まで順位を下げてしまったものの、大草選手は前走車との差を少しずつ縮め、57周目に前のマシンをパス! 14番手に浮上する。

その後も安定したペースで走行を続け、懸命にプッシュして走行を重ねていく。大草選手は73周目にチーム2度目のピットインを行い、ピット作業のみでコースに復帰。ドライバー交代は行わず、連続スティントの走行を敢行する。このピット作業中に順位を落としてしまうも、その後に14番手へと順位を上げた。

やがて3時間のセミ耐久レースも終盤を迎え、徐々に各チームにトラブルの兆候が現れ始める。100周を迎えるころにはライバル車両にトラブルが発生したため、13番手へと順位が上がる。

その後しばらくは順位が変わらない状況が続くも、レースも残り5分を迎えるころ、さらにトラブルが発生したマシンがレースを終えたため12番手に浮上、そのまま3時間レースのチェッカーを受けた。

2024年シーズンは新マシンCIVIC TYPE R-GTを投入して戦うホンダ勢だが、これまで64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは大きなトラブルには見舞われることなく、開幕2戦を連続完走という結果で終えた。

次戦の第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』は、こちらもホンダ勢にとっては地元となる三重県・鈴鹿サーキットで2024年6月1~2日に開催される。今回の第2戦と同じく、3時間のセミ耐久レースでModulo Nakajima Racingのさらなる飛躍に期待したい。

中嶋 悟 総監督 コメント

「初めての3時間レースが終わりました。我々は想像していたよりペースが足らず……。それでも何とかペースを作って走りましたが、前に出るまではいかず苦しいレースになりました。しっかりと最後までレースができているので、次戦の鈴鹿でも引き続き頑張っていきたいと思います。たくさんのご声援をありがとうございました」

伊沢拓也選手 コメント

「僕のスティントでは、開幕戦(岡山)と同じように、ある程度しっかりとコンスタントに走れていたと思います。レースペースとしてはここから上げていく作業が必要になってきますが、土台として、レースをしっかりと走るという部分は岡山、富士と2戦続けてできているので、進化している感触は得られました。収穫のあるレースができたと思います」

大草りき選手 コメント

「想定していたよりきつく、なかなか辛いスティントになりました。速さという面ではそこそこ見せられたかなと思いますし、最後までぶつかったりせずに終えられたのは良かったのですが、300クラスのクルマの処理などでうまくかみ合わなかったりすることが開幕戦より多かったのは反省点です」

「クルマを無傷でチェッカーまで運ぶのは当然のこととして、まだまだできることはあると思うので、鈴鹿戦ではそこを修正して、さらに進化していきたいです」

(text:Honda Style Web)