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【S耐】#97 Modulo CIVIC TCRは不運に泣く(2)

そして迎えたスーパー耐久シリーズ第4戦・決勝。前戦の鈴鹿では全クラスが混走して決勝レースが行われましたが、今回のオートポリスは再びグループ1/2に分かれて行われます。#97 Modulo CIVIC TCRが参戦するST-TCRクラスはグループ1で、ST-X/ST-1/ST-2/ST-3クラスとの混走となります。

決勝レースが行われる7月16日の空は快晴! まず午前中にST-4/ST-5クラスのグループ2決勝レースが行われ、グループ1決勝レースはお昼すぎのスタート。気温や路面温度の高さだけでなく、コースのあちこちにはグループ2決勝レースの激戦を思わせるブラックマークやマーブル(タイヤカス)も残っており、これらへの対応や処理も重要となりそうです。

 

そんななか予選13位(クラス4番手)から追い上げを狙う#97 Modulo CIVIC TCRは、伊藤真一選手がスタートドライバーを担当。ところがやはりウェイトハンデの影響は大きいのか、一発のスピードに勝る2台のアウディRS3にリードを許してしまいます。

さらにこの日は気温も真夏を思わせるほど上昇し、気温も路面温度も高い時間帯のドライビングは体力的に厳しそうですが、さすが今なお現役で4輪&2輪どちらも走らせる”ドライダー”の伊藤選手はベテランの技を披露。タイヤを労わりつつも2台のアウディ勢に食らいつく我慢のレースを展開し、第2スティントを担当する土屋圭市選手にステアリングを託します。

 

前戦の鈴鹿で約14年ぶりのレース復帰を果たした土屋選手。”ドリキン”の愛称からもFR車両のイメージが強いですが、かつてはJTCCシリーズでFFのシビック・フェリオでも活躍していただけに、2戦目にして往年のテクニックが復活!? 先行する#45 アウディRS3との差を詰め、レースも後半に入った約1時間40分を経過したところでついに#45をパス。これでクラス2位へと浮上します。

この時点でのクラストップは#98 Modulo CIVIC TCRで、もはや見慣れた感のあるクラス1−2位での編隊走行となりましたした。その後も後続の#45そして#19という2台のアウディRS3にタイム差を拡げたところで、最終ドライバーの中野選手へと交代します。

しかし、ここでひとつめのハードラックがチームを襲いました。このピット作業とドライバーチェンジに時間を要してしまい、中野選手がコースインするとまたしても#45の先行を許してしまいます。しかし前日の予選で1‘59.387というコースレコードを記録するなど絶好調の中野選手は、その差をみるみる縮めていきました。

まだ巻き返しのチャンスは十分あると誰しも思ったその矢先、マシンにふたつめのハードラックが! なんとマシントラブルにより緊急ピットインを余儀なくされてしまいました。メカニックの懸命の修復により、なんとかレースには復帰するも、クラストップを走る僚友#98とアウディ勢には4ラップの差をつけられ、そのままクラス4位でチェッカーを受ける事となりました。#98 Modulo CIVIC TCRは前戦の鈴鹿に続いて2連勝となり、シリーズランキングでもトップを独走しています。

表彰台はもちろんクラス優勝もまったく夢ではなかっただけに、最終スティントを担当した中野選手は、レース後もさすがに落胆を隠すことが出来ない様子でした。しかし、これもレース。次戦の第5戦は9月2-3日に富士スピードウェイにて行われます。まだ真夏の日差しが残るなかでの10時間耐久レース、チームの総合力が問われます。#97 Modulo CIVIC TCRの逆襲に期待しましょう!

伊藤真一
レースにアクシデントは付き物なので仕方がないとは言え、でもとても悔しいです。しかしそのような状況でも、完走できたし、ポイントも獲得できた事は良かったと思います。次戦、富士スピードウェイでの10時間耐久にも参戦しますので、今から楽しみにしていますし今度こそ勝ちに行きます!

土屋圭市
鈴鹿に次いで不運なアクシデントでこのような結果に終わりとても悔しいが、レース内容は決して悪くなかったと思います。終わるまで何が起こるかわからないのがレースなので、結果を受け止めるしかないですね。僕は2戦のみの出場なので今回で終わりですが、レースをとても楽しむことができました。来年ももしチャンスとスケジュールが合えば、是非参戦したいです。

中野信治
トップカテゴリーのレースに参戦していたころは、当然ながら結果だけが求められるなか走ってきて、でも今回のスーパー耐久シリーズでは本当にモータースポーツの楽しさを思い出すことができています。もちろんチームとして参戦する以上、結果を求めて全力を尽くすのは当然ですが、何よりも週末を通してレースを楽しみたいと思っていました。しかし今回はこのようなアクシデントで気持ちよく走ることができず悔しいし、やはり勝たないと楽しくないですね(苦笑) 次戦、富士のレースでは笑顔でレースを終えられるよう頑張ります。

(TEXT:Yuko ASHIZAWA 芦澤裕子)