【ホンダアクセス】35周年を迎えた純正アクセサリー「Gathers」取材会で栄光のレーシングカーに再会!
ホンダ車向け純正アクセサリーの企画・開発・販売を行うホンダアクセス。エアロや脚まわりパーツ、ホイール、そのほかカーライフを彩る様々なアイテムをラインナップしているが、オーディオ&ビジュアル機器の純正アクセサリーブランドが「Gathers(ギャザズ)」である。
Gathersは2022年に35周年を迎え、その歴史を振り返る「Gathers35周年取材会」が各メディア向けに行われた。取材会では、Gathersの歴史や最新製品について紹介されたほか、かつてモータースポーツシーンで大活躍した車両も展示された。それが1998年からスーパー耐久シリーズに参戦した「Gathersシビック」だ。
スーパー耐久シリーズとは、市販車をベースとするレース車両や、市販レーシングカーによって争われる耐久レースシリーズ。そのルーツは1990年にスタートした「N1耐久シリーズ」にあり、1995年には「スーパーN1耐久」、そして1998年からは「スーパー耐久」とシリーズ名称やレギュレーションが変遷しつつ現代に続いている。
市販車両をベースに仕上げられたレース車両で争われるため、市販車のもつポテンシャルがレース戦績に直結するカテゴリーでもあり、軽量コンパクトな車体に強力なエンジンを搭載するシビックは、歴代モデルが同レースシリーズに参戦し活躍している。
Gathersシビックが参戦を開始したのは、1998年。前年の1997年8月に登場した、初代シビック・タイプR(EK9型)をベースとしているが、N1規定で製作されているため改造範囲は広くなく、ボディの強化および軽量化、そして脚まわりと吸排気系にチューニングがなされたくらい。
1998年シーズンより本格参戦を開始したGathersシビックのハイライトといえるのが、同年に行われた第15回十勝24時間レースでの活躍だ。この十勝24時間はスーパー耐久シリーズの1戦でありながら、より上位カテゴリーにあたるGT車両とも混走となる特別なレースである。
カーナンバー77をつけたGathersシビックは、山本泰吉/辻本聡/嶋村馨の3名がステアリングを握り「クラス4」に参戦。決勝レースではトラブルに苦しむ上位クラスの車両と対照的に、スーパー耐久シリーズの上位クラス車両であるスカイラインGT-R(BCNR33型)を上回る快走を披露する。
総合1〜3位となったのは3台のGT車両だが、Gathersシビックはなんと総合4位でチェッカー! スーパー耐久クラスの総合優勝を達成した。それまでスーパー耐久シリーズではスカイラインGT-Rが50連勝を達成しており、小排気量で大排気量車両に挑むというシビックらしさを体現したレースとなった。
そんなGathersシビックは、2023年現在モビリティリゾート内の「ホンダコレクションホール」に収蔵されており、通年ではないものの当時のままの姿を見ることができる。
今回のGathers取材会では、残念ながらエンジンルームや内装については撮影不可であったが、以前には他のホンダコレクションホール収蔵車両と同様に走行確認テストにも姿を見せており、動態保存されているようだ。
ホンダアクセスでは、現在もスポーツブランドの「Modulo」を掲げてSUPER GTに参戦するModulo Nakajima Racingをサポート、Modulo NSX-GTを走らせている。35周年を迎え、さらなる歴史を歩むもうひとつのブランド「Gathers」においても、再びサーキットを駆ける姿が見られることを期待したい。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
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