【K20C換装】2リッターVTECターボ換装で300hpオーバーを実現! 純正流用チューンで『S2000タイプR』が爆誕!!
ホンダが誇るFRオープンスポーツ、S2000。日本市場では1999年から2009年まで販売され、その鋭いハンドリング性能は今でも幅広い年代から高い支持を集めている。しかし販売終了から10年以上が経過し、エンジンなど機関系のコンディションにはそれなりの疲れを感じさせる車両も少なくない。そんなS2000オーナーの悩みを一発解消してくれる、エンジンコンバージョン(換装)キットがアメリカから登場した!
日本国内だけでなく、欧州や北米市場でも多くの販売台数を記録したS2000は、後継モデルにあたる存在がいないこともあり、現在でも多くのチューニングパーツがリリースされている。
そんななか、究極のチューニングパーツというべきキットがアメリカで登場した。北米仕様のFK8型シビック・タイプRに搭載される、K20C1型2リッターVTECターボ・ユニットをS2000に搭載するコンバージョンキットである。
販売しているのは、NSXやS2000のチューニングで知られるアリゾナ州フェニックスの「ScienceofSpeed(サイエンスオブスピード)」。K20C1型エンジンについては、以前よりホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)が単体での販売を行っているが、ScienceofSpeedはその販売ディーラーのひとつ。
今回発表されたのは、「S2000R」と名付けられたコンバージョン・プログラムだ。購入を希望するユーザーは、エンジン本体(クレートモーター)のほか、エンジンマウント、インテークまわり、排気系、インタークーラーやトランスミッションマウントなど、ラインナップされた周辺パーツから必要なものをピックアップして組み合わせて購入することができる。
トランスミッションはS2000純正を使用するが、K20C1型とドッキングするためのアダプターやフライホイールはScienceofSpeed製がラインナップ。さらにターボエンジンということで気になる冷却まわりについても、強化ラジエターのほかインタークーラーをVマウントするキットも用意されている。
エンジンを制御するECUについても、HPD製ユニットのほか、MOTEC製フルコンM142を使用するパッケージも用意されており、ユーザーの好みで選択することが可能だ。
この「S2000Rコンバージョンプログラム」は、前期AP1/後期AP2のいずれにも対応。ただしエアコンや純正メーター、一部モデルに設定されたクルーズコントロール機能は使用不可となるほか、右ハンドルモデルへの換装についても、ScienceofSpeedでは装着テストを行っていないため不明としている。
価格はK20C1型エンジンユニット単体が6790ドル(約89万円)。そのほか周辺パーツをフルに組み合わせると、フルキットで約1万8000ドル(約235万円)というところ。実際にはさらに送料や取り付け工賃が必要となるため、決してお手軽なチューニングとはいえないものの、ノーマル状態で300PSを超えるパワーは大きな魅力。
S2000が搭載するF20C/F22Cは、最高出力250PS/242PS、最大トルクが22.2kg-m/22.5kg-m。いっぽうFK8型シビック・タイプRが搭載するK20Cは、日本仕様で320PS/40.8kg-m、北米仕様は表記方法が違うため直接比較は難しいものの、ほぼ同じ内容で306hp/295lb-ftを誇る。
自然吸気のエンジンチューニングでは到達しづらい領域のパワー&トルクも、ターボエンジンであれば簡単に到達できてしまうのは大きな魅力。このS2000Rコンバージョンプログラムを使用すれば、純正チューンならではの耐久性や信頼性を保ったまま、「S2000タイプR」を実現することができるのだ。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)