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【名車図鑑】欧州テイストを感じさせてくれる上質な走りが魅力! K20Aを搭載した2代目アコード・ユーロR【CL7】

2022年4月上旬の時点で、ホンダの国内ラインナップにおけるセダンはアコード、そしてインサイトの2車種のみ。北米市場を中心として世界各国・各地域で販売されているアコードだが、残念ながら日本市場ではメインストリームとは言い難く、現行モデルはEX e:HEVのモノグレード展開となっている。

そんなアコードだが、かつてはシビックと並んでホンダの国内販売の屋台骨を支えるモデルだった。FFならではの広い室内空間に加え、ホンダらしい軽快なハンドリングを併せ持っていたのが歴代アコードの特徴。なかでもスポーツグレードの「ユーロR」は、徹底的に運動性能を追求したタイプRとは違い、ワインディング・ベストともいうべき上質かつ気持ちの良い走りを目指したモデル。

ユーロRとしては2代目、そして最期のモデルにあたるCL7型は、発売から20年を経た現在でも多くのファンを持つ名車である。

ホンダのミドルサルーンであるアコードに設定されたスポーツグレードが「ユーロR」。最初に登場したのは2000年のことで、6代目アコード[CL1]の後期モデルに設定された。

NSX-Rのコンセプトをインテグラやシビックにフィードバックした「タイプR」シリーズとは異なり、スポーティさを前面に出すのではなく、セダンとしての扱いやすさや実用性を兼ね備えたモデルとして人気となった。

そして2002年には、ベース車両であるアコードが7代目へと進化。先代モデルで好評だったユーロRは、7代目アコード[CL7型]では、フルモデルチェンジ直後から設定された。

「大人のスポーティサルーン」というコンセプトは普遍で、ボディ形状はCL1型と同様にセダンのみ。ユーロRならではの特徴は、専用のエアロバンパーやハニカムメッシュタイプのスポーツグリルなどと少ない。タイプRのように専用エンブレムなども備わらず、主張の強すぎない外観デザインが、ユーロRらしさを感じさせる。

エンジンは同時代のシビック・タイプR[EP3、FD2、FN2]やインテグラ・タイプR[DC5]と同じ、K20A型2リッターDOHC i-VTECを搭載。このK20Aは、アコード・ユーロRの性格に合わせて静粛性を高めるべく、2次バランサーを装着していた。

出力特性もややマイルドな印象を与えるものだったが、最高出力はシビック・タイプR[FD2]の225PSに迫る220PSを発揮。最大トルクもFD2型シビック・タイプRの21.9kg-m/6100rpmに対して、CL7型アコード・ユーロRは21.0kg-m/6000rpmとほぼ変わらないスペックを誇った。

タイプRシリーズがブラック×レッドを基調としたインテリアを採用するのに対し、アコード・ユーロR[CL7]ではブラック×メタル調としてシックなイメージを強調。MOMO製本革巻ステアリングやアルミ製シフトノブが標準装備とされた。トランスミッションは6速MTのみで、ペダル類もアルミ製のスポーツタイプを採用する。

インテリアでは、前席にはRECARO製リクライニングバケットシートが標準装備。ただしアコード・ユーロR[CL7型]では、タイプRシリーズとは異なりシート表皮のカラーはブラックのみ。前後席ともアームレストを備え、ロングドライブ時の快適性を高めているほか、内装全体もシックな印象でまとめられている。

またシビック・タイプR[FD2]の乗車定員が4名なのに対し、アコード・ユーロR[CL7]では6:4の分割可倒式リアシートを採用し、5名定員で実用面にも優れることも、車両の性格を象徴するスペックといえるだろう。

タイヤサイズは215/45R17で、シルバー塗装のアルミホイールを標準装備。ブレーキキャリパーはベースグレードと同じ片押し式だが、ワインディングをメインに走るなら、ブレーキ能力や耐フェード性などいずれも十分な性能を誇る。

2005年11月にマイナーチェンジを受け登場した、後期型アコード・ユーロR。フォグランプ周辺の形状などが異なる

2005年にはマイナーチェンジを受け、後期型に進化。動力性能においては大きな変更はなく、バンパーデザインの変更やセキュリティアラームの標準装備化、そしてHDDインターナビがオプション設定されたことが主な変更点だ。

2022年4月現在、日本国内市場においてラインナップされたアコードの「最後のMT車」であるユーロR。サーキット・ベストを掲げたタイプRシリーズでは、乗り心地や外観の点で購入を躊躇していた層にも大きな支持を集めた。

CL7型アコード・ユーロRは2008年12月まで生産されたが、フルモデルチェンジを経て登場した8代目アコードでは6MTモデルが存在しないことから「ユーロR」が用意されず、従来から存在していた2.4リッター&5速AT(Sマチック)を採用したType Sが、スポーティグレードとしての性格を強めることとなった。

軽快に回るK20A型2リッターDOHC i-VTECに6速MTを組み合わせ、4輪独立式の脚まわりを持つアコード・ユーロR[CL7]は、同じ4ドア・ボディを持つシビック・タイプR[FD2]とは対照的な乗り味で根強い人気を誇る。

とはいえ中古車市場においては100万円前後から見つけることができ、スポーツモデルの価格が軒並み高騰しているなかでは、比較的購入しやすい車種といえる。またその性格上、手荒に扱われた車両が少ないことも、購入を検討している人にとっては大きな魅力といえるだろう。

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2002 ACCORD Euro-R
SPECIFICATION
□全長×全幅×全高:4665×1760×1450mm
□ホイールベース:2670mm
□トレッド(F/R):1515/1515mm
□車両重量:1390kg
□乗車定員:5名
□エンジン形式:K20A型直列4気筒DOHC i-VTEC
□総排気量:1998cc
□最高出力:220PS/8000r.p.m.
□最大トルク:21.0kg-m/6000r.p.m.
□燃料タンク容量:65リットル
□燃料消費率:11.8km/L(10.15モード)
□サスペンション型式(F&R):ダブルウィッシュボーン
□ブレーキ型式(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
□タイヤサイズ(F&R):215/45R17
□新車時車両価格:253万円
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(text:Honda Style web)