【新型インテグラ】200hpのVTECターボに6MTを搭載! ACURAから新世代ラグジュアリー・スポーツハッチが登場
ホンダが北米市場で展開する高級ブランドのACURA(アキュラ)は、2023年モデルとして発売する新型インテグラの先行予約を2022年3月10日より開始した。
1986年に誕生したアキュラ・ブランドにとって、インテグラの車名は特別な意味を持つ。2022年の現代でこそ、トヨタとレクサス、日産とインフィニティというように高級車ブランドを別建てすることは珍しくないが、ホンダが立ち上げたアキュラは、その先駆けである。
アキュラの立ち上げ時に販売されていたのは、高級車のレジェンドと、スポーティコンパクトのインテグラ。その後アキュラは順調にシェアを拡大していき、インテグラもフルモデルチェンジを受け販売が継続される。’01年に登場した4代目(DC5型)では、日本仕様は「インテグラ」だが、アキュラ・ブランドではRSXを名乗って’06年夏まで販売された。
今回、RSXの生産終了から数えて16年ぶりの「復活」となる新型インテグラは、従来と同様にシビックの兄弟車というポジションで、洗練されたデザインと運転の楽しさを備えたプレミアムスポーツコンパクトとのこと。
シャシーの基本設計は、日本市場にも導入されているFL型シビックをベースとしており、全長および全幅は新型インテグラのほうがやや大きい。いっぽうホイールベースやトレッドについては、ほぼ同じだ。
新型インテグラのボディ形状は、シビックと同じ5ドアハッチバック。しかしルーフラインはより伸びやかで、5ドアクーペとも言うべき流麗なフォルムが印象的だ。
フロントフェイスは、アキュラのファミリーデザインである「ダイヤモンドペンタゴングリル」や、LEDライトのデザインを採用。ひと目でアキュラ・ブランドのモデルとわかるスタイリングとなっている。
北米市場でのグレード展開は、標準車のほかスポーティ仕様のA-Specという2種類。パワートレインは1種類のみで、これもシビックと同様に1.5リッターVTECターボを搭載する。
最高出力は200hpまで高められ、トランスミッションはCVTのほかA-Specでは6速MTも選択が可能。CVT車の場合、ドライバーはスロットルレスポンス、オートマチックトランスミッションのマッピング、ステアリングフィールが異なる運転モード(コンフォート/ノーマル/スポーツ)が選択できる。
インテリアには、10.2インチのデジタルゲージディスプレイを採用。さらにスマホも接続可能な7インチのタッチスクリーンモニター、8スピーカープレミアムオーディオシステム、USB-C充電を搭載する。そのほかアダプティブダンパーシステムを中心とした「テクノロジーパッケージ」も用意される。
そのほか外観における両車の違いは多くなく、A-Specは車体の前後にエンブレムが装着されるほか、リップスポイラーが標準装備となる。駆動方式は全車FFで、現時点ではハイブリッド搭載モデルは発表されていない。
ところで現在、アキュラは現行車種すべてにスポーティグレードの「タイプS」を設定すると明らかにしている。この新型インテグラにも、今後に追加されることは間違いないが、その際に注目したいのがパワーユニットだ。
兄弟車であるホンダ・シビックには、’22年内にもトップモデルである「タイプR」が追加される。エンジンはもちろん、さらに熟成されたK20C型2リッター・ターボだ。アキュラが押し進める新生タイプS・シリーズが、ホンダのタイプRと対になる存在であるならば、新型インテグラに設定されるであろうタイプSは、「世界最速FF」の遺伝子を受け継ぐラグジュアリー・スポーティハッチバックとなるはず。
新型インテグラの標準価格(MSRP)は、エントリーグレードの標準仕様が約3万ドル(約348万円)から。A-Specの価格は、まだ明らかになっていない。シビックSiやタイプR、そして新型インテグラと、北米市場におけるホンダ&アキュラのスポーツモデルの充実ぶりは、日本のファンからすると心から羨ましい限りだ。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)