【名車図鑑】スタイリッシュなボディに名機B16Aを搭載! VTEC機構を初搭載した2代目インテグラ【リッター100ps】
2022年に北米向けモデルとして復活することが話題となっているインテグラだが、その名称が初めて登場したのは、1985年のこと。当初は「クイントインテグラ」の車名で発売され、全車にDOHCエンジンを搭載するなど、シビックの兄貴分的なポジションながらスポーティな印象を強く感じさせるモデルだった。
そのスポーティイメージを決定的としたのが、1989年に登場した二世代目インテグラである。ボディは3ドア・ハッチバックが先行デビューし、約1ヶ月遅れて4ドア・ハードトップも追加された。
初代モデルの特徴であったリトラクタブル・ヘッドライトは廃され、特徴的な横長タイプのヘッドライトが採用された。グリルレスのフロントマスクが与えられた2代目インテグラは、スポーティな性格がさらに強められており、5ナンバー枠に収まる軽量な車体に、兄弟車であるEF型シビックと共有する前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションが組み合わされた。
そんな二代目インテグラで特筆すべきは、上位グレードのXSi、RSiにB16A型エンジンが搭載されたことだ。このB16Aは、エンジン回転数によって開閉タイミングやリフト量の異なる2種類のカムシャフトを切り替える、可変バルブタイミング&リフト機構「VTEC」を備えたスポーツエンジンで、1595ccの排気量から最高出力160PS/7600rpm、最大トルク15.5kg-m/7000rpm(いずれもMT車)を発生した。
自然吸気ながらリッターあたり100PSを超える高出力と、独特のパワーフィーリングが話題となり、現代まで続くVTECの先駆けとなった。もう1種類のエンジンは、同じ1.6リッターのZC型だったが、シビックなどに搭載されたDOHCではなく、SOHCにPGM-FIを組み合わせたベーシックな仕様。なおB16A型エンジンは、4ドア・ハードトップのXSiにも搭載された。
この強力なエンジンを1200kgに満たない軽量な車体に搭載し、その車体にはEF型シビックと共有する4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションが組み合わされていたから、走りっぷりの良さはいわずもがな。兄弟車種であるシビックのようにモータースポーツの世界で活躍した印象は薄いものの、インテグラはストリートで多くの支持を集めた。
当時のホンダ車に共通する、水平記帳のインパネデザインを採用。トランスミッションは全グレードで5MTのほか4ATも用意されたが、B16A搭載車の最高出力はMT車が160PSであるのに対し、AT車は150PSとなっていた。シートはサイドサポートの大きなスポーツタイプが標準装備された。
コックピットまわりのデザインは3ドア・ハッチバックと4ドア・ハードトップで違いはないが、4ドア・ハードトップはホイールベースが50mm延長され、大人がしっかりと乗れる居住性が後席スペースに確保されている。全高も15mm高められており、車内の頭上空間も広い。車両重量は約20kgの増加に留められている。
その後は幾度かのマイナーチェンジを経て、B16A搭載車(MT)の最高出力も170PSまで高められたが、’93年7月に3代目へとモデルチェンジが行われて販売を終了した。VTEC機構を備えた名機B16Aが初搭載された車両として、語り継がれる1台である。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
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1989 INTEGRA 3door Coupe XSi
SPECIFICATION
□全長×全幅×全高:4390×1695×1325mm□ホイールベース:2550mm□車両重量:1170kg□エンジン形式:B16A型直列4気筒DOHC VTEC□総排気量:1595cc□最高出力:160PS/7600r.p.m.□最大トルク:15.5kg-m/7000r.p.m.□サスペンション型式(F&R):ダブルウィッシュボーン式□ブレーキ型式(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラムインディスク□タイヤサイズ(F&R):195/60R14□新車時車両価格:161万5000円[/wc_box]