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北京モーターショーで発表された次世代EV『Honda SUV e:concept』は、時代を超えたHR-Vの復活か!?

ホンダは、2020年9月30日〜10月5日に一般公開された北京モーターショーにおいて、中国においてホンダ・ブランドでは初となる電気自動車(EV)のコンセプトモデル「Honda SUV e:concept(ホンダ エスユーブイ イーコンセプト)」を世界初公開した。

Honda SUV:e conceptは、ホンダ・ブランドにおける未来の電気自動車の方向性を示すコンセプトモデル。ボディタイプは2ドアのSUVで、次世代車をイメージさせるブルーを基調としたカラーリングと、グリルレスのフロントマスクが特徴的だ。

天地に薄いヘッドライトと左右に伸びるモールは、近年のホンダ車に通じる「ソリッドウイングフェイス」を思わせるもの。そしてフロントのエンブレムは逆スラント形状になっており、スポーティなイメージを強調。バンパー左右もエアインテーク風の処理がなされている。

サイドビューはいわゆるクーペ風のSUVで、市販プロトではなくコンセプトモデルとはいえルーフは明らかに低く、さらにAピラーやルーフをブラックアウトすることで視覚的にもロー&ワイド感をアピール。それでいて前後フェンダーにはモールも備わるなど、SUVらしさも感じさせるデザインとなっている。

ヘッドライトから伸びるプレスラインは、ボディサイドへ伸びてそのままテールレンズに繋がり、フロントと同様に水平基調のリアスタイルを演出。ふたつの台形が上下に向き合うようなデザインはフロント/リアに共通しており、この「Honda SUV e:concept」のアイコンとなっている。

パワーユニットそのほかについては発表がないものの、安全支援技術の「Honda SENSING」は最新世代のものが搭載され、認識・予測・判断性能を向上させた安全運転支援システム「全方位ADAS」を搭載。さらに先進のコネクティビティによるAIアシストインターフェースやスマホ連携、無線ネットワークによるアップデート機能を備えた次世代の「Honda CONNECT」により、常に新鮮でFUNに溢れるモビリティ価値を提供する量産車を目指して開発を進めているという。

2ドアのクーペ風SUVといえば、かつてホンダが販売していた「HR-V」というモデルを思い出す人も多いだろう。1998年にデビューしたHR-Vはコンパクトながらスタイリッシュなボディと、キビキビとした動力性能を備えていた(MTの設定もあった)が、残念ながら本格派SUVが人気の主流となっていた時代にそぐわず、2006年に販売を終了した。

その後、HR-Vの車名はヴェゼルの海外仕様に与えられたものの、初代HR-Vのコンセプトとは異なる方向性となっていった。しかしこの「Honda SUV e:concept」は、パワーユニットこそ電気自動車へと変わっているものの、スタイリッシュなクーペ風SUVという点はまさにHR-Vの未来版といっていい。

今回のコンセプトモデルでは外されているサイドミラーが、市販版ではHonda eと同様のものが備わるのかなど、今後の展開が非常に気になるコンセプトモデルだ。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)