【CAMPING USA】ピンチがチャンスにもなるアメリカの本領発揮!? 販売絶好調のファミリーユースRVを体感してみた
今年2020年の3月から、アメリカはCOVID-19(新型コロナウィルス)の感染拡大により大変なことになっている。8月末の時点で感染者は580万人以上、死者17万人以上と、日本とはケタ違いの被害が出ている。
そんななか、現在はRV=リクレーショナル・ビークルがバカ売れしている。例年の4倍に届きそう……なんてニュースも聞いた。国は緊急事態宣言、多くの州が外出禁止令を出し、家に閉じこもって我慢を続けた人々が5月に経済活動再開が始まって、RVを買いに走った。「ホテルに泊まるのは怖い」、しかし「RVなら家族で使うので安心」というわけで。
そのトレンドに乗っかったわけでもないだろうが、ミネソタ州に住む友だちがこの夏にポップアップキャンパーを買った。新品が1〜2万ドルで買えるお手軽タイプ(私には全然手が届かないが……)で、中古なら2,000ドルからあるという。
その彼が近所の人に「日本の友人が来る」と話すと、「買ったキャンパーに泊まってもらうんだね?」と返して来たっていうから笑った。”外国人は危険”と思ってるんのかね? 日本の80倍も感染者の多い国に暮らしてるって、わかってないんだろうなぁ。
ともあれ、実際にこの春からのRV購入者には、家族がウィルスに感染した時のことも考えて……って人はかなりいたそうだ。実際に家族がウィルスに罹ってしまい、家の庭に停めたRVが隔離に使われたってパターン、結構あったという話。
友人家族に誘われるがままに、ミシシッピ川の水源のアイタスカ湖々畔にあるミネソタ州の州立公園に二泊三日のキャンプに行った。現地に到着すると、夫婦がてきぱきとキャンパーを設営。初めてなので興味津々で作業を見ていると、ケイタイに装備されている水準器を使ったりして、手慣れた様子だった。平らじゃないと寝にくいからね。
“ポップアップ”と名前についているぐらいで、この手のRVはキャンプサイトについてからポップアップさせて使う。上下だけじゃなく、前後にスライド式でベッド部分が”ポップアウト”もするので、室内はかなりの広さだった。真ん中のリビングエリアだけで3畳ぐらいあったろうか。前後のベッドは片方がダブルで、もう一方がシングルだった。両方ダブルってタイプもあるし、リビングがもっと広い=RVの全長が長いものもラインナップされているらしい。
友人のはプロパンガスのコンロ(2口)とシンク、冷蔵庫を装備。4人が座れる、一人用のベッドに変身するテーブルも。つまり、コンパクトなRVなのに4人は楽々寝られるということ。今回、友人夫婦は私に大きい方のベッドを提供してくれて、自分たちはテントを張って寝た。すみませんです。小学生の子供2人は、シングルとテーブル部分で寝てた。
各キャンプサイトには、薪などを燃やせるファイアープレイス、大きなピクニックテーブルがあって、電源と水道をRVに繋げることもできた。電気と水なしのサイトもあるらしい。今回の電気/水道ありのサイトで1泊40ドル(!)ぐらいというから驚異的安さ。大型モーターホームとかだとトイレとシャワー付きだろうけど、そうじゃないRVの人たちのために共同のトイレとシャワー施設があった。ちゃんとした建物で、十分にキレイで、お湯もバッチリ出た。
州立公園内の湖ではカヌーやパドルボード、自転車がそこそこリーズナブルなお値段でレンタルできるし、マウンテン・バイク用、ATV用のトレールもあった。なにしろ公園入り口からキャンプサイトまで5マイルあったぐらいで、とにかく広大。維持費は相当かかってるだろうなぁ……と感心。こういうのがアメリカ中にあるんだから羨ましい。
国立公園にもキャンプ施設はあるようだし、企業の経営するキャンプ場もフリーウェイ沿いから観光地まで、あちこちで見る。公園のほうが、ひとつひとつのサイトが広々していて快適って聞いたけど。
大型クーラーボックスに肉や野菜を詰めて、キャンプ場についたらRVに電気を繋げるから、冷蔵庫に安心保管。アメリカンキャンプは豊かだわ。夕食はミラノ風カツレツだった。衣をつけるところまで自宅でやってきて、フライパンにオリーブオイルをドバーッ。薪を燃やして揚げてくれた。アウトドアで、こんな料理をやっちゃうなんて、さすがだ。
モーターホームで全米をゆったり回る。リタイアしたご夫婦にそういう人、多いみたいで。「カナダを西から東まで見て回る」と言ってらしたご夫婦も知っている。観光地も、自然も、いろんな人たちとの出会いも楽しむ。RVはレンタルもできる。ピックアップでの荷台にガッチリとマウントして引っ張るフィフス・ホイールってタイプ、かっこいいし、快適そうだし、走行も安定してるっていうから、なんだか自分でもやってみたくなった。
(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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