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【現地レポート】史上初の無観客開催となった第104回インディ500。終始トップを争った佐藤琢磨が2度目の優勝を飾る

2017年に第101回インディアナポリス500マイル(インディ500)で優勝した佐藤琢磨選手が、伝統のレースでまた勝った。インディ500は一度勝つだけでも偉業だが、彼は複数回優勝を挙げた史上20人目のドライバーとなった。

決勝レースに先立って、インディ500ウィナーに与えられるボルグワーナー・トロフィーを前に優勝経験者8名による記念撮影が行われた。前列左からアレクサンダー・ロッシ、ウィル・パワー、ライアン・ハンターレイ、佐藤琢磨。後列は左からシモン・パジェノー、エリオ・カストロネベス、トニー・カナーン、スコット・ディクソン

現役ドライバーだとエリオ・カストロネベスが3度の優勝を飾っており、史上最多タイの4勝目に向けての挑戦を続けているが、他にはスコット・ディクソン、ライアン・ハンター-レイ、トニー・カナーン、アレクサンダー・ロッシ、ウィル・パワー、シモン・パジェノーが1勝をマーク。佐藤琢磨選手は、インディ500に関して言えば、彼らを上回るキャリアの持ち主となった。

予選から好調を維持し、決勝レースでも最多リードラップを獲得した9号車スコット・ディクソン。佐藤琢磨選手は実質的に2人のドッグファイトとなったレースを制した


 
2017年の佐藤琢磨は、すでに3勝をしているエリオ・カストロネベスとの勝負に勝った。今年の琢磨は、5回のシリーズチャンピオンになっているスコット・ディクソンと戦い、勝利した。パンデミックが収束しないため、104回目の開催で初めて無観客で行われたインディ500を制したのは、日本人ドライバーだった。

予選でポールポジションを獲得したマルコ・アンドレッティ

予選ではアメリカを代表するレーサーファミリーの三代目、マルコ・アンドレッティがポールポジションを勝ち取った。ブースト圧の上げられたエンジンによる戦いで、彼は4連続ラップ・アタックの平均速度=231.068mphを記録し、父のマイケル・アンドレッティも達成できなかったインディ500におけるポールポジション(PP)を初めて獲得した。

祖父のマリオ・アンドレッティは、インディ500におけるPPを1966、1967、そして1987年と3回獲得している。マルコのPP獲得は、アンドレッティ・ファミリーにとって33年ぶりとなった。

予選ではホンダ・パワーが炸裂し、予選2日目にポールポジション争いを行う「ファスト9」に進出した9人のうち8人がホンダ・ユーザーのドライバーだった。さらに予選10、11、12位もホンダ勢であり、トップ12のうちの11人を占める強さを見せた。

予選で上位グリッドに並んだホンダ勢は、レースでも優位を保っていた。優勝した琢磨と2位のディクソンはもちろん、3位の座を争ったグレアム・レイホールとサンティーノ・フェルッチもホンダ・ユーザーであり、ホンダにとって2017年以来のインディ500勝利は1−2−3−4フィニッシュとなった。

前回は予選落ちとなったため、2度目のインディ500決勝レースとなったフェルナンド・アロンソ。カーブデイでは御大マリオ・アンドレッティと話し込む姿も

元F1チャンピオンのフェルナンド・アロンソは、トリプルクラウン(F1モナコGP、ルマン24時間、インディ500)制覇を目指して3回目の挑戦を行った。昨年は予選落ちを喫したが、今年も予選前にアクシデントを起こし、そこから思い通りの戦いができなくなっていた。予選26位からの出走で、決勝結果は21位だった。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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