最新版の2020年NTTインディカー・シリーズのスケジュールを紹介。第104回インディ500は8月23日に決勝を迎える
2020年6月6日、ようやく2020年の開幕戦が行われたNTTインディカー・シリーズ。新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、モータースポーツでも多くのカテゴリーで中止や延期が相次ぐなか、同シリーズはNASCARに続いてシーズン開幕に漕ぎ着けた。伝統のインディ500を含め、多くのレースで日程変更が行われたが、あらためて2020年のレーススケジュールを整理しておこう。
2020年3月15日のNTTインディカー・シリーズがフロリダ州セントピーターズバーグで開幕する直前、アメリカで新型コロナウィルスが猛威を振るい始め、ドナルド・トランプ大統領は非常事態を宣言。ほぼすべての州で外出禁止令が出されることとなり、インディカーは2020年シーズンの開幕を無期延期とした。
野球のメジャーリーグ(MLB)も開幕を先送りし、すでに2019-2020シーズンの半ばに差し掛かっていたバスケットボール(NBA)とアイスホッケー(NHL)は、再開を諦めて2019-2020シーズンを打ち切った。ゴルフやストックカーレース、ドラッグレース、スポーツカーのシリーズはシーズンを中断し、再開の時を待つこととなった。
新型コロナウィルスの感染がさらに広がり続けたことから、NTTインディカー・シリーズの第2〜4戦として開催されるはずだった第2戦アラバマ州バーミンガム、第3戦カリフォルニア州ロングビーチ、第4戦テキサス州オースティンでのレースが次々キャンセルになり、ミシガン州デトロイトでのダブルヘッダーも開催できないこととなった。
デトロイトで開催予定だったレースの1週間前である5月末には、世界一のレース=インディ500が予定されていた。これまでインディ500はメモリアルデイ(戦没者記念日)の週末に開催することが伝統となっていたが、それが不可能と考えられる状況となって、インディカーは大幅なスケジュール調整に踏み切った。
検討が重ねられた結果、第104回インディ500は2020年8月23日に決勝を行うことになった。夏も終わりの頃となれば、もう新型コロナウィルスも収まっているだろうとの読みからだ。そして、プラクティスから決勝まで2週間かかるインディ500のスケールを維持するため、8月に組まれていたオハイオ州レキシントンでのレースは1週間手前に、イリノイ州マディソンのレースは逆に1週間後ろへと移動された。
またインディ500直前に、インディアナポリスのロードコースでスケジュールされていたレースは7月4日に移動。そして、同じコースでのレースを10月3日にもう1戦開催することにも発表され、アイオワ州ニュートンとカリフォルニア州モンテレーのレースをダブルヘッダーに変える措置も取られた。シーズン前半の6戦がキャンセルになって減少したレース数をリカバリーするためだ。
さらに5月も下旬になってから、バージニア州リッチモンドとカナダのオンタリオ州トロントでのレースがキャンセルになると決定。インディカーは、すぐさまウィスコンシン州エルクハートレイクのイベントを6月から7月に移してダブルヘッダー化した。さらにキャンセルとなっていた開幕戦セントピーターズバーグでのレースを復活させ、最終戦として10月25日にレースを行うことも発表した。この時、オレゴン州ポートラドのレースの日程が1週間前の9月第1週に移されることにもなった。
2020年シーズンのNTTインディカーシリーズは、このような紆余曲折の末、全14戦で構成されることになった。これらがすべて無事に、予定どおり開催されることを期待したい。
なお現時点で、7月4日に決勝レースが行われる第2戦インディアナポリス(ロードコース)までは、無観客でのレース開催となることが決まっている。
(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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