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【動画】インディカーiRacingチャレンジ、F1ドライバーのランド・ノリスが初優勝! アロー・マクラーレンがワンツー達成

コロナウィルスの感染拡大のため、開幕を見合わせているNTTインディカー・シリーズ。しかしサーキットへ訪れることができないファンに向け、レースシミュレーターの「iRacing」とタッグを組んだバーチャルレース『インディカー iRacing チャレンジ』を開催中。すでに4戦を消化しているが、オンライン上のレースが生中継されるなど人気を集めている。

そのインディカーiRacingチャレンジは、前戦の第4戦がツインリンクもてぎのオーバルコースを舞台に行われ、日本人ドライバーの佐藤琢磨選手も満を辞して参戦。結果は12位となったが、一時は3位を走行するなど世界中のインディカーファンを大いに沸かせてくれた。

COTA名物の1コーナーへ向かう上りのホームストレートを駆け上がるマシンたち。#12はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だ

そして続く第5戦『オートネーション・インディカーチャレンジ』の舞台が、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)である。COTAはテキサス州にあるサーキットで、2012年に完成・開場。しかしインディカー・シリーズが開催されるようになったのは2019年からで、もっぱらF1アメリカGPやMotoGP、世界耐久選手権などのレースが行われていた。

COTAのコース全長は5.513 kmで、大小20のコーナーを持つ。最大高低差は41mを持ち、アップダウンに富んだサーキットだ

インディカーiRacingチャレンジはレースを重ねるごとに参戦マシンが増えており、今回も前戦と同じく33台がエントリー。佐藤琢磨選手をはじめNTTインディカー・シリーズのレギュラー参戦ドライバーがずらりと並ぶなか、スペシャルゲストとして注目を集めたのがランド・ノリスの参戦である。

ランド・ノリスは2019年にマクラーレンからF1デビューを果たした若干20歳のレーシングドライバーで、今回もアロー・マクラーレンからの参戦。インディカー・シリーズには初挑戦だが、2019年のF1アメリカGPにおいて実際にCOTAをドライブした経験は大きい。さらにiRacingの経験も豊富で、バーチャルレースも頻繁に楽しんでいると言われていた。

そんなランド・ノリスは予選からその実力を遺憾なく発揮し、いきなりポールポジションを奪取。迎え撃つインディカー組は、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が予選2位、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)が予選3番手で続いた。

決勝レースでもランド・ノリスはスタートから積極的にハイペースで走行し、後続との差をみるみる広げていく。ノリスのペースについていけないと判断したのか、多くのチームは燃料をセーブして1ストップ作戦。いっぽうノリスは2ストップ作戦と思われた。

2ストップ作戦を採用したノリスは、ライバルより早めのピットストップを行ったため順位を落とすも、すぐに猛追。スコット・ディクソンやサンティーノ・フェルッチといったインディカー・シリーズのレギュラー組を次々とパスしていく。その後は単独スピンなどもあり、一時は13位まで順位を落とすものの2位まで順位を上げ、2度めのピットインを行う。

ピット作業を終えてコースに復帰したノリスは、トップを走るローゼンクヴィストとの差をぐんぐんと縮め、ついには後方からのプレッシャーに負けたのか、ローゼンクヴィストがスピンを喫してしまう。これでトップに立ったノリスは、そのままチェッカーまで走りきって優勝! インディカーiRacingチャレンジに初参戦で初優勝を達成した。

初参戦初優勝を飾ったランド・ノリスは、チェッカー後にドーナツターンを披露

ノリスに続く2位にはパトリシオ・オワードが入り、なんとアロー・マクラーレンはワンツーフィニッシュを達成。3位にはローゼンクヴィストが入った。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)は予選16位からスタートし、決勝レースは30位でチェッカーを受けた。

全6戦で争われる『インディカー iRacing チャレンジ』は、いよいよ5月2日に最終戦が行われる。シリーズのクライマックスとなる最終戦の舞台は、もちろん聖地インディアナポリス・モータースピードウェイのオーバルコースだ。ただしレース距離は、インディ500の半分以下となる175マイルで行われる。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)