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【GT300】スタート時のタイヤ選択が勝負の分かれ目。それでもレース後半に見せたスピードは手応え十分

昨年2018年のSUPER GTでは、参戦初年度ながらスポーツランドSUGOのレースで最終ラップに劇的な追い上げを見せた34号車Modulo KENWOOD NSX GT3。チームにとっては相性のいいサーキットだけに、第5戦富士に続いて今シーズン2度目の表彰台を狙いたい。

台風17号の影響もあって、レースウィークの天候は曇り。「SUGOにはマモノが棲む」と言われるほど、天候次第では荒れるレースとなることが多いだけに、今回の第7戦も波乱の展開が予想された。

9月21日に行われた予選では、GT300のQ1のみA/Bクラス制が採用された。これはコース幅が狭く、また全長も短いスポーツランドSUGOのレイアウトでは、全28台が参戦するGT300クラスではタイムアタックがスムーズに行えないことが予想されるため。開幕戦の岡山と同じように、GT300シリーズランキング順でA/B組と分けて予選Q1が開催された。

34号車Modulo KENWOOD NSX GT3はQ1 B組となり、14時18分よりQ1がスタート。ウェイトハンデが半分の19キロとなったことも幸い、午前中のフリー同行では6番手となる1分18秒651を記録していたが、Q1を担当した大津選手は1分18秒181までタイムアップ。B組のトップでQ2進出を決めた。Q2を担当した道上 龍選手も1分18秒430を記録するが、周囲のタイムアップは著しく、9番手グリッドから決勝レースに挑むこととなった。

迎えた決勝レースは、スタート直前に降り出した雨がコース全域を濡らし、多くのチームがグリッド上でタイヤ選択を悩むこととなった。このうちポールポジションの61号車、そして9番手グリッドの34号車Modulo KENWOOD NSX GT3を含む数台は、雨が止むと予想してスリックタイヤのままスタートすることを選択。他マシンはレインタイヤに履き替え、セーフティカー先導でレースはスタートした。

3周目の終わりでSCはコース外へ出て、4周目からいよいよレースがスタート。しかしスタート直後から雨は強くなっており、雨は止むと予想してスリックタイヤを装着した34号車はマシンをコントロールするのに精一杯。ポジションをどんどんと下げてしまう。

そしてトップのGT500車両が13周目に入ったとき、34号車はピットイン。レインタイヤへと交換を行った。この時点ではまだドライバー交代を行えるほど道上選手の周回数が足りておらず、そのままピットアウト。そのため順位は最後尾近くまで下がってしまう。

レインタイヤに交換した34号車は本来のペースを取り戻し、着実に順位をあげていく。そして45周目に大津弘樹選手へとドライバー交代を行った。マシンを託された大津選手は、トップを走る車両とほぼ変わらないペースで周回を重ね、前を行くマシンを次々とオーバーテイク。13位まで順位を挽回してチェッカーフラッグを受けた。


道上 龍選手コメント
「スタート前にスリックタイヤを選択したことが裏目に出てしまい、結果的に勝負権を失うことになってしまいました。シーズン終盤になってシリーズランキングも気になってくるときに、前戦から2戦連続でノーポイントとなってしまったことは悔しいのですが、最終戦はチーム全員で笑えるように気持ちを入れ替えて頑張りたいと思います」


大津弘樹選手コメント
「天候に翻弄される週末となってしまいましたが、僕がマシンを受け取ってからのペースは悪くなかったですし、マシンのセットアップの方向性も見えていたと思います。僕としてもチームとしても、クルマの仕立てかたは理解できていると思っているので、次戦は最終戦ですし、表彰台それも優勝という結果が出せるように頑張りたいと思います」

次戦、2019年SUPER GT最終戦は11月2日-3日にツインリンクもてぎにて開催される。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)