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プリンス・オブ・ソンクラー大学、無事に動的審査も順次クリア

静岡県袋井市/掛川市の静岡県小笠山総合運動公園(通称エコパ)において『学生フォーミュラ日本大会2019』が、8月27日(火)から31日(土)まで開催される。

学生フォーミュラとは、学生たちが企画から設計・製作したフォーミュラカーによる競技会。その工程のすべてが審査の対象で、最後に実際にその出来上がった車両を走らせ、その性能を審査するもの。

大会3日目となる8月29日(木)。この日から、0→75mの加速性能を競う「アクセラレーション」、8の字コースのコーナリング性能を競う「スキッドパッド」、直線・ターン・スラローム・シケインといった複合コースを走行する「オートクロス」といった動的審査がスタートする。

ちなみに車検や静的審査を順調にクリアしてきたチームは、この動的審査にも順調に進んでいくが、どこかにトラブルを抱えているチームは、まだ走行に至らない。

秋雨前線の影響で、このレースウィークにおける静岡県西部地方の天候は雨がちな週となっている。予報どおり8月27〜28日は雨/曇りといった天気だったが、この29日だけは晴れ。そして8月29日からは、再び雨の予報となっている。多くのチームがなんとかしてこのドライ路面での走行を行いたいと願っていることだろう。

本誌ホンダスタイルが注目している「Prince of Songkla University(プリンス・オブ・ソンクラー大学)」は、今大会も好調に推移している。前日までに車検を済ませ、動的審査に向けて準備を進め、この日は朝から動的審査を次々にこなしていった。

同チームには、初代NSXの元テストドライバーであり、その後はホンダアクセスにてModuloブランドの走りを磨き上げた、玉村 誠氏がテクニカルアドバイザーとして以前からチームに手伝っているが、今回のマシンについては、玉村氏が事前にタイに通うことができなかったこともあり、気になる点がいくつかあるという。

今回の日本大会にやってきた車両を確認した玉村氏は、ペダル類、そしてステアリングがドライバーに対して直角に向いていることや、その取り付けの構造がおかしくアブソーバーが機能していない点などを指摘。

「こうしたらどうなる」ということを、実際にひとつひとつ解説をしながら、車両に対して現在できる最善のことをメンバーに促す。もちろんすでにレースウィークに入っていることからどうにもならない部分もあるが、玉村氏は「失敗することも重要」と語る。

とはいえチームの一体感については、玉村氏も高評価。玉村氏が最初にこのチームに合流したときにはチームがバラバラで、一部のメンバーは一生懸命マシンに取り組んでいても、その横でスマホを見ているメンバーがいたりしたという。しかし現在では、すべてのメンバーがそれぞれのやるべきことを理解し、さらに全員が同時に動いているのは、はたから見ていてもよくわかる。

大会は残り2日。残るはエンデュランス競技のみだが、8月30日はオートクロス審査を通過した下位40台。そして31日の最終日は、早朝にEVの一部、そしてオートクロスを通過した上位18台およびトップ6台の走行となる。

プリンス・オブ・ソンクラー大学は、そのオートクロス審査で残念ながらエースドライバーの投入ができず、第2ドライバーの出したタイムによって56番手の順位を獲得。8月30日(金)の30番目の出走となった。

(photo&text:Yoshiaki AOYAMA 青山義明)