【19BAS】コンパクト3列シートSUV、BR-Vがフェイスリフト。日本導入はやっぱり望み薄!?
2019 バンコク・オートサロンのホンダブースにおいて、威風堂々のフォルムで目を引いたのがマイナーチェンジを受けたBR-Vだ。日本市場には未導入のモデルだが、車名のとおりホンダのSUVシリーズでもっともコンパクトなモデルとなり、2015年からインド市場へ、2016年からタイ市場で販売が始まっている。
このBR-V、なにが特徴かというとコンパクトサイズながら3列シート7人乗りを実現したモデルということ(5人乗り仕様もある)。なお価格帯的には、HR-V(日本名ヴェゼル)よりは安いものの、ジャズ(日本名フィット)よりは高い。日本市場でいうと200〜230万円くらいのゾーンになるのだろうか?
そのBR-Vに、前後バンパー形状やグリルデザインに変更を受けるマイナーチェンジを受けた2020年モデルが登場。クロームパーツも増え全体的に高級感がアップしている。
コンパクトといっても、7人乗員モデルの車体は全長4456×全幅1735×全高1666mm。日本国内でいう3ナンバーサイズではあるけれど、ヴェゼルよりほんの少し長く高く、車幅はむしろややスリムという感じ。日本でも使い勝手は良さそうな印象を受ける。
エンジンはGE系フィットと同じ、1.5リッターSOHC iVTECのL15Bを搭載。トランスミッションはCVTのみで、シフトまわりの造形にはGE系列の面影を感じさせる。最高出力117馬力/最大トルク146Nmはフル乗員ではやや心もとないかもしれないが、通常使用には力不足を感じることはないだろう。
3列シートの配置は2+3+2の7名乗員で、2&3列目シートはそれぞれ折りたたむことが可能。ちゃんと乗員ぶんのヘッドレストが備わり、2列目シートはもちろん3列目シートも座面や背もたれは十分な大きさ。ただし3列目は足元スペースがあまり広くないため、身長180cmを超える僕のような人間だと膝を抱えるような姿勢で乗ることになる。
3列目シートを使用していると、荷室はご覧のとおり。乗員分の手荷物くらいなら置けるというスペースのみ残るのは、コンパクトサイズの宿命か。同価格帯の1.5リッター車で3列シートモデルというと、カテゴリーは違うけれど日本国内にはフリードがある。ただBR-Vはフリードに比べて全長&全幅ともにひとまわり大きく、外寸の違いはそのまま車内空間の広さに影響している。少なくとも3列目シートの居住性に関してはBR-Vのほうが明らかに上だ。
現在、日本国内におけるコンパクトサイズの3列シート車は、ボディ形状はミニバン一択。いざというときに3列目シートが使えると便利だけど、ファミリーイメージが強いミニバンはちょっと…というオーナー層にとってBR-Vは魅力的に映ると思うのだが…。
なお現在、BR-Vは現地法人であるホンダオートモービル・タイランドで行われ、タイのほかインド、インドネシア、マレーシア、さらに南アフリカなどの地域で販売されている。
(photo&text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)