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【精巧ミニカー】日本で設計されからこそ出せるこの雰囲気、「メイクアップ」の1/43 EK9に待望の後期型が登場!

モデルカー業界のキラコン(キラーコンテンツ≒鉄板アイテム)として挙げられる車種はいくつかあるが、その中でも話をホンダ車に限ると、1、2を争う人気を誇るのがEK9こと初代シビック タイプRだ。

初代シビック タイプR[EK9]について、改めてその特徴や凄さを語るのは野暮というものだが、先に述べたキラコンというのは何も日本に限ってというわけではなく、実は今や世界的なものでもある。そこで、多くの方が疑問に抱くのが、「なぜ日本専売モデルであったEK9のことを世界のモデルカー好きが知っているのか?」という点ではなかろうか。

ヒントとしては、映画『ワイルド・スピード』シリーズや、アメリカにおける生産から25年が経過した車両であれば輸入および登録が可能とされるいわゆる25年ルールの影響によるところが大きいと思われる。またそれとは別に、アジア圏における日本車人気もかつてないほどの盛り上がりを見せており、日本のカスタムカー文化やカー・ライフスタイルは彼らのお手本ともなっているのだ。

たとえ、彼らが「シビック タイプR」というものを近現代のFK8やFL5から知ったとしても、勉強して古くまでその歴史を遡り、その原点となるEK9に行き当たるのは至極当然な流れで、昨今ではアメリカの熱心なJDMファンが日本固有の軽トラックや、最高級車のトヨタ センチュリーなどに熱視線を送っているのはご存じの方も多いことだろう。

そんなわけで今や日本に限らず、世界中のモデルカー・メーカーがEK9のミニチュアを各スケールでリリースしている。がしかし、そこはまさに玉石混淆。「実車のEK9と見紛うもの」から「かろうじてEK9に見える」というものまで、よくも悪くも品揃え豊富だ。さらには、明らかに他社の製品を、スケールを変えてコピーしたようなものまで出回っていて、カオスと言っていいかもしれない。

そんな中にあって、ハイエンド(高価格)ミニカーのフォーマットのひとつである、レジン製プロポーションモデルの分野において、製品クオリティと表現技法の巧みさやプロポーションの秀逸さから、頭ひとつ抜きんでているのが、東京は青山にヘッドオフィスを構えるメイクアップだ。

同社の強みは、企画~取材~設計までを青山で行い、製造は中国・広東省にある自社工場で行っているという点。残念ながら、昨今のモデルカー製造に関しては、メイクアップのように自社ですべてをまかなうというのは少数派で、その多くを外注に委ねるのが主流である。

そうなると、例えば「ここのプレスラインが実車の印象と違ってボリュームがありすぎる」といった、数値化し難いような形状の修正指示などは、言語の壁や、外注のまた外注への伝言となるなど、実作業だけでなく、時間的なロスも多くなり、最悪反映されずに製品化されてしまうこともあり得る。

その点、メイクアップでは実車を3Dスキャンしたり、細部の写真を撮ったり、測定したスタッフ自らが3D CADで設計して原型を作るので、修正も容易な上に、最初から完成度の高い原型データが設計可能なのである。また製造面でも、厳しい訓練を受けたハイスキルな職人が、成型、組み立て、塗装など行い、完成品は専任の品質管理者が全数チェックするため、クオリティに関しても折り紙付きだ。

さて、その結果出来上がったのがこちらにお見せする、EK9の後期型である。昨年9月に同社製1/43と1/18のEK9前期型を紹介したが、今回は、その際に未塗装の試作品をお見せしたにとどまっていた後期型の製品版となる。

写真で見ると大きく見えるかもしれないが、EK9の実車の全長が4,180mmであるから、その1/43スケールのモデルカーとなれば全長で97.2mm、全幅は39.4mmしかない。そのなかで、前期型と後期型の灯火類、バンパー形状、グリルを作り分け、さらに内装に至っては後期型ならではのオーディオ・スペースが2DIN化されたダッシュボードや、エアバッグ内蔵ステアリングの装備、ドアの肘置きの形状などもしっかりと再現されている。

価格は1台、3万1900円(税込)と安くはないが、EK9ファンならば、同社の前期型や1/18などと合わせて是非コレクションしていただきたいところだ。

■商品ページ
https://www.makeupcoltd.co.jp/products/detail/1722