Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. NEW CAR
  3. ARCHIVE
  4. 【メイクアップ】リトラクタブル式ヘッドライトを開けた時の表情に拘った、ひと味違うNSX-Rの精密ミニカーが登場

【メイクアップ】リトラクタブル式ヘッドライトを開けた時の表情に拘った、ひと味違うNSX-Rの精密ミニカーが登場

各3万1900円(税込)は決して安くないが、実際に手にすればその価値は十分に感じ取れる

1990年夏に登場したホンダNSX。当時のホンダの持てる技術を総結集した、広告塔のような存在であったことは改めて説明するまでもないだろう。

1990年前後と言えば、バブル期の潤沢な開発資金の恩恵を受けるかのように、ホンダのみならず様々なメーカーからスーパースポーツや高級車が続々とリリースされ、まさに”よりどりみどり”といえた。

当時こそ我々ユーザー層はその状況を当たり前のこととして享受していたが、2000年代に入ると状況は一転、バブル期にデビューしたスーパースポーツの多くが排ガス規制の障壁や需要の冷え込みによって姿を消すことになる。

そんな状況下に置かれて初めて、1990年前後の新型車ラッシュがあとにも先にもない、日本車史の絶頂であったことに気付いたクルマ好きたちが、当時をして”ヴィンテージ期”と呼ぶようになった。

しかし2000年代に入っても、ヴィンテージ期を継続した唯一無二のスーパースポーツがNSXである。他のスーパースポーツたちが足並みを揃えるように2000年前後に姿を消したのに対して、ホンダは排気量の拡大という手段をもって排ガス規制を乗り切った。いにしえのCVCCを引き合いに出すのは筋違いかもしれないが、逆境に強いホンダのDNAはしっかりと受け継がれていたのである。

都合15年に亘って生産されたNSXは、ご存じのとおり大きく分けて初期型(3リッター)、中期型(3.2リッター/リトラクタブル式ヘッドライト)、後期型(3.2リッター/固定式ヘッドライト)の3フェイズが存在する。それぞれにファンが多いが、その中にあっても人気、価値共に頭ひとつ抜けているのが3リッター時代、1992年にわずか480台ほどしか生産されなかったNSX-Rである。

エンジンの最高出力こそ自主規制枠いっぱいの280馬力と不変だったが、レスポンスの向上に拘ったチューンが施され、さらに徹底した軽量化&高剛性化、ハードなサスペンションの装備によって、サーキット・ユースもこなすピュアスポーツへと昇華されていたのだ。

同様のキャラクターを備えたモデルとして、2002年には後期型をベースにしたNSX-Rが発売されるが、やはりスーパーカー時代の刷り込みだろうか、リトラクタブル式ヘッドライトを備えたNSX-Rに理想のNSXを重ねるファンも多いようである。

今回、メイクアップがリリースしたのは、まさにそのNSX-Rである。原型は実車のスキャンデータから製作されたとあって、正確無比なプロポーションを誇る。材質はレジン製で、一切の可動ギミックを備えないプロポーションモデルであるが、今にも走り出しそうなリアリティと量感を目の当りにすれば、3万1900円(税込)という値段にも納得は行くはずだ。

注目して欲しいのはNSXのアイデンティティのひとつであるリトラクタブル式ヘッドライトの”オープン状態”を再現している点だ。これまでにもNSXのリトラクタブル式ヘッドライトを再現しているモデルカーは数多く存在するが、その殆どが開閉ギミックを備えており、”オープン状態”と”クローズ状態”の両方が楽しめる。しかし、このメイクアップのモデルカーは開閉ギミックは持たず、オープン状態の固定式である。

そう聞いて多くの方が「なーんだ」と思われるかもしれないが、実は1/43の世界でヘッドライトに開閉ギミックを組み込んだ場合、必ずしも良いことばかりではないのだ。特にリアリティの面ではかなり不利である。

まず可動させるためには、ヘッドライトリッドとボディの間にかなり大きなクリアランスを与えなければ、双方が干渉してしまう。そして、ヒンジ自体に剛性が要求される一方で、ゴツくしてしまえば、極小の車体それを収めるのが難しくなり、ヘッドライトユニット自体のリアリティも大いに損なわれる結果となりがちだ。さらに言えば、実車と同じような“開状態”にボディとの隙間なく固定するのは困難である。

メイクアップではライトをオープン状態に固定して再現することによって、プロジェクター式ヘッドライトのディテールを細密に表現し、実車さながらの表情を演出することに成功しているのである。オーナーでもない限り、NSXのリトラクタブル式ヘッドライトを上げた姿をまじまじと見つめる機会は少ないが、こちらもまた実車をスキャンして原型を設計しているので、その印象は実車さながらだと言っていい。

世にNSXのモデルカーは多かれど、リトラクタブル式ヘッドライトのオープン状態に拘ったものは非常に稀有で、唯一無二かもしれない。メイクアップのモデルカーはボディも1台1台、ハンドメイドで鏡面状態まで磨き上げるなど、大量生産は不可能。

NSXファンならば、チャンピオンシップホワイト、フォーミュラレッド、カイザーシルバーメタリック、ベルリナブラック、インディイエローパールの全5色を揃えたくなるが、チャンピオンシップホワイトのみ120台限定で、他の色は各50台限定とごく少数なので、気になる向きはお早目の問い合わせをお勧めする。

【商品ページ】
https://www.makeupcoltd.co.jp/products/detail/1670

【メイクアップホームページ】
https://www.makeupcoltd.co.jp/