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【GT500】悪天候に対応し6番手から決勝レースに挑むも、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは決勝14位でチェッカー

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2024 SUPER GT 第6戦(スポーツランドSUGO)
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
予選:中止
決勝:14位
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国内モータースポーツのトップカテゴリーであるSUPER GT。2024年シーズン、GT500クラスに参戦しているホンダ系チームは、参戦車両を長らく参戦してきたNSX-GTからCIVIC TYPE R-GTへと変更。開幕戦から100号車が3位表彰台を獲得すると、第2戦では17号車、第3戦では16号車と3戦連続で3位に入っている。

ホンダアクセスがパートナーとして支えるModulo Nakajima Racingは、2024年シーズンのドライバーラインナップをエースであるベテランの伊沢拓也選手と、GT300からステップアップして今季からGT500デビューとなる大草りき選手へと変更。そんな2024年シーズンのSUPER GTもいよいよ後半戦に突入、第6戦の舞台は「魔物が棲む」と言われる、宮城県・スポーツランドSUGOだ。

さて年間8戦で争われるSUPER GTだが、前戦第5戦(鈴鹿)が台風10号の接近による諸影響のため12月へと延期になった。つまり第6〜8戦のあとに行われることになり、今回の第6戦は約1ヶ月半ぶりのレースとなった。

64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTにとっては、前戦の第4戦において開幕戦以来のポイントを獲得して上昇傾向にあるだけに、このSUGOでも上位進出を狙いたいところ。

しかしレースウィークの天気予報は思わしくなく、予選が行われた土曜日は前日未明から雨が降り続いたため路面は完全なウェット。さらに気温20℃は下回り、東北に冬の訪れを感じさせるような肌寒いコンディションのなか、公式練習が開始された。

しかし暖まらないタイヤと、濡れた路面によりコースアウトする車両が続出。公式練習が始まって5分ほどで、クラッシュ車両が発生して赤旗が提示された。車両回収ののちグリーンフラッグが提示されたが、その後もコースアウト車両があったり、ふたたび雨脚が強くなったりと、公式練習中に計6度の赤旗中断があったほど。

しかし午後も天候の回復は難しい予報となっていたため、もし公式予選が悪天候のため開催できなかった場合は公式練習での計測タイムにより決勝レースのスターティンググリッドが決められることとなる。そのためModulo Nakajima Racingは、公式予選がキャンセルになることも視野に入れ、大草りき選手が早々からタイムアタックを行っていく。

前述のようにコースアウトする車両も続出するような厳しいコンディションのなか、DUNLOPタイヤのウェット性能を引き出した大草選手は6番手のタイムを記録する。その後、セッション6度目の赤旗中断のまま公式練習は終了した。

その後、公式予選も悪天候のためキャンセルとなり、全チームが公式練習で記録したベストラップ順で決勝レースのスターティンググリッドに並ぶことが決定された。この結果、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは、6番手のスターティンググリッドから300kmの決勝レースに挑むことになった。

迎えた9月22日、決勝レースが行われる日曜日も朝から強い雨が降り続き、路面はフルウェットに。そのためレーススケジュールも変更となり、当初より1時間遅れて13時からウォームアップ走行、そのあとスタート進行となり決勝レースのスタート時刻は14時22分とされた。

午後になると、天候は急速に回復へ向かっていく。スタート進行が開始されたころには雨は止み、ときおり雲の切れ間からは晴れ間が覗くほど。ただし気温は約20度に留まっており、路面はまだウェットのまま。レース中に車両が走行することにより、路面はドライへと切り替わっていくことが予想される、難しいコンディションとなった。

64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーは、伊沢拓也選手。レースはウェット路面のため、セーフティカー(SC)先導でスタートとなった。

レース3周目の終わりにSCがコースの外へと出て、4周目に入るところからグリーンフラッグ。伊沢選手はペースよく走行を重ね、早くもポジションをひとつ上げて5位を走行する。しかし周回を重ね、路面の変化も影響したか徐々に周囲のペースアップについていけなくなってしまう。

同じホンダ勢の17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTに先行を許すと、その後もライバル車両に先行を許してしまう、10周を過ぎると7番手を走行する。そして17周目には8番手へとポジションを下げてしまうが、難しいコンディションのなか伊沢選手はタイヤの性能を限界まで引き出し、ポイント圏内で周回を重ねていく。

やがてレースが20周を過ぎるころにはレースは落ち着きを見せ始める。しかし26周目にはGT300車両のクラッシュが発生、レーススタート以来2度めのSCが導入された。ホームストレートでGT500、GT300それぞれの隊列を整えた後、32周目からレースはリスタートとなる。

リスタート後のレースも伊沢選手は安定した周回を重ね、41周目にピットイン。大草りき選手へとドライバー交代を行った。

すると43周目にはレインボーコーナーでGT300クラスの車両がコースアウトしてしまい、再びSCが導入された。大草選手はピットアウト直後のラップで暖まっていないタイヤに苦心したか、まさかのコースアウトを喫してしまうものの、コースへの復帰に成功。最後尾からの巻き返しとなったが、以降は落ち着いた走りを見せ、ひとつポジションを上げて14位でチェッカーフラッグを受けた。

中嶋 悟 総監督 コメント

「思ったよりもウエットの性能が発揮されず厳しいレースとなりました。ピットイン時のセーフティーカーのタイミングも我々には悪い方向に出てしまいました。残り3戦となりましたが、何としても結果を残せるよう今回の反省点を活かして取り組んでいきたいと思います。悪天候の中、たくさんのご声援をありがとうございました。」

伊沢拓也選手 コメント

「僕のスティントでは序盤にポジションを上げることができ、いいフィーリングもあったのですが、だんだんと路面が乾いてきてライバルの方が強いコンディションになったときにポジションを落としてしまいましたし、大草選手のスティントも、おそらくタイヤと温度やいろいろな部分がマッチングせず、苦しいレースになりました。あまりにもイレギュラーな気温とコンディションだったので、それを挽回するだけのスピードがなかったと思います。いろいろと振り返って反省しないといけない部分もありますが、得られたものもしっかりとあったので、引き続き次のオートポリスも頑張っていきます」

大草りき選手 コメント

「アウトラップはまだ路面にそれなりに水があり、難しいコンディションの中、自分のミスで飛び出してしまいました。そういった部分は反省して次に進みたいと思います。ただ、雨での速さは見せることができましたし、ドライコンディションに関してはイレギュラーなドライだったので難しかったですが、戦闘力があることは分かったので、次戦に向けてしっかりと頑張っていきたいと思います」

(text:Honda Style Web)