Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. NEW CAR
  3. Honda Access
  4. 【GT500】サクセスウェイトが半減となった第7戦、Modulo NSX-GTはレース後半に好走を見せるも11位でチェッカー

【GT500】サクセスウェイトが半減となった第7戦、Modulo NSX-GTはレース後半に好走を見せるも11位でチェッカー

============================
2023 SUPER GT 第7戦(オートポリス)
#64 Modulo NSX-GT
予選:15位
決勝:11位
============================

2023年のSUPER GTもついに残りは2戦。前戦の第6戦(スポーツランドSUGO)では、予選から苦しいレースとなりノーポイントで終わってしまったModulo Nakajima Racingだが、今回の第7戦(オートポリス)ではシリーズポイントに合わせて搭載されるサクセスウェイト(SW)が全車半分となることもあり、心機一転で表彰台獲得を目指したいところ。

名物のジェットコースター・ストレートをはじめ、アップダウンに富むレイアウトが特徴のオートポリスで行われる第7戦は、2度のピット作業が義務付けられる450kmレース。ホンダ勢にとって決して相性がいいとは言いづらいサーキットだが、64号車Modulo NSX-GTはサクセスウェイトが19kgと、ライバルと比べて車体が軽量なこともあり、ぜひとも多くのポイントを獲得したいところ。

迎えた予選日、10月14日の天候はくもり。午前中に行われた公式練習では気温16度と肌寒さを感じるほどだった。そんななか64号車Modulo NSX-GTは、450kmという長丁場の決勝レースを見越して車両のセットアップを進めていた。公式練習では1分35秒749で14番手タイムに留まったものの、予選では上位進出を狙う。

ときおり日差しも差し込むような空模様だったが、午後になっても気温は上がらず、午後3時を迎えても気温は18度。各チームとも路面温度の低さに頭を悩ませながら、いよいよGT500の公式予選がスタートする。

予選Q1を担当した太田格之進選手はミスのないアタックを見せ、公式練習のタイムから大幅にアップする1分33秒363をマークした。しかしライバルたちはさらに上を行き、64号車Modulo NSX-GTは15番グリッドから翌日の決勝レースに臨むこととなった。

決勝レースが行われた10月15日、オートポリスの上空は青空が広がった。陽射しには暖かさも感じるものの、山あいのオートポリスらしく風が強く気温はあまり上がっていない。秋の訪れを強く思わせる気候であり、各チームにとっては、この強風や低い路面温度・気温に対してどのようにマシンやタイヤを合わせていくかが決勝レースのカギとなりそうだ。

正午から20分間のウォームアップ走行を行ったのち、午後13時30分からパレード&フォーメーションラップが開始された。レーススタート時点での気温は17度、路面温度は27度と条件は土曜日からほとんど変わっていない。今回の第7戦はレース距離450kmで争われるため、各チームとも2回の給油義務が設けられる。前述のようにアップダウンに富んだコースでもあり、タイヤを労わりつつハイペースを維持するといったテクニックや、チームの戦略面にも注目が集まった。

97周の決勝レース、64号車Modulo NSX-GTのスタートドライバーは伊沢拓也選手。15番グリッドからスタートした伊沢選手は、長丁場のレースでもあり序盤はペースを抑えめに周回を重ねていく。すると9周目にはやくも1度目のピットインを行い、タイヤ交換と給油を行う。ドライバー交代は行わず、引き続き伊沢選手がステアリングを握った。

タイヤ交換を履き替えたことで、64号車Modulo NSX-GTのペースは徐々に回復。前方ではライバル車両たちのアクシデントもあり、14周目そして27周目にもフルコースイエロー(FCY)宣言が出される。やがてレース全体の3分の1が経過するころ、64号車Modulo NSX-GTは12番手に浮上する。

その後、42周目にも3度目のFCYが出されるなど荒れ模様のレースとなるが、伊沢選手はベテランらしい落ち着いた走りを見せ、52周目の終わりに2度目のピットイン。タイヤ交換および給油、そして太田格之進選手へのドライバー交代も行われた。

このピットインもあり順位はひとつ下げて13位となったため、前を追いかけたい太田選手であったが64号車Modulo NSX-GTのペースが上がってこない。どうやらタイヤのウォームアップに苦労していたのか、徐々に上位陣とも変わらないペースで周回を重ねていく。上位を走っていたライバルにリタイア車両などがあったため、64号車Modulo NSX-GTは前戦の第6戦と同じ、11位でチェッカーとなった。

中嶋 悟 総監督 コメント

「レース自体はいいレースだったと思います。本来ターゲットにしていたタイヤが合わずに苦しい予選でしたが、レースはそれを早めに諦めて違う種類の異なるタイヤを使い、その結果として大きな改善を得られました。最終戦のもてぎは予選からターゲットを外さないようにして、シーズンのいい締めくくりとなるレースをしたいと思います。今大会もたくさんのご声援をありがとうございました」

伊沢拓也選手 コメント

「最初のスティントを早めに終えて、自分自身のセカンドスティントには違う種類のタイヤを投入しました。これがうまく機能したことで、昨日の予選でダメだったものの確認もできましたし、データとしてはポジティブな部分も色々ありました。今回の結果は残念ですが、最終戦に向けたデータはたくさん取れたので、もてぎはシーズンをいい形で締めくくれるよう頑張りたいと思います」

太田格之進選手コメント

「とにかくウォームアップに苦しみました。タイヤが温まってからのペースは良かったのですが、最初のウォームアップで失った分のタイムが最後まで響いた感じです。1つ前を走る車両に対しては、ピットアウト直後は30秒以上離されていたところを、最後は10秒近くまでギャップを削ることができました」

「終盤はトップ車両よりも速いタイムで走れていたし、そういういい部分はあるのですが、やはりウォームアップもレースの一部。そこも含め、自分たちは全体のレベルアップが必要だと感じたレースでした。残るは最終戦のみとなりましたが、今シーズン一番いいレースができるように頑張ります」

次戦はいよいよ2023年SUPER GTの最終戦、そしてNSX-GTのラストランでもある。第8戦は11月4-5日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われる。

(text:Honda Style Web)