【動画】北米ホンダの旗艦SUV、新型パイロットがいよいよ生産開始! オフロード志向を強めた「Trail Sport」に注目
2022年12月16日(現地時間)、アメリカン・ホンダ・モーターはアラバマ州リンカーンの「ホンダ・アラバマ・オート・プラント(AAP)」において、新型「パイロット」の量産を開始した。
パイロットは2003年に初代モデルが登場したミドルサイズSUVで、新型は4世代目。初代モデルから一貫してV型6気筒エンジンと3列シートを採用しており、生産も北米にて行われている。
2023年モデルとして登場する新型パイロットは、ホンダの歴史において最も大きな車体サイズとパワフルなエンジンを搭載するSUVとされ、Sport、EX-L、TrailSport、Touring、Eliteという5つのグレードが設定される。
新型パイロットについて紹介する前に、北米市場におけるホンダのSUVラインナップについておさらいしておこう。まずコンパクトクラスに属するのがHR-Vで、インターミディエイトクラスのCR-V、ミドルクラスのパイロット、そしてパイロットの兄弟車で2列シート仕様のパスポートという計4モデル展開。さらにパイロットとフロントまわりを共有する4ドア・ピックアップのリッジラインが存在する。
このSUVラインナップのうち3車種が、2023年モデルでタイミングを合わせて一新される。まずHR-Vは、従来モデルでは日本仕様の先代ヴェゼルの兄弟車だったが、2023年モデルではZR-Vの兄弟車に生まれ変わる。
そしてCR-Vとパイロットはいずれもフルモデルチェンジ。よりオフロード・スペシャリティという性格の濃いパスポートは、2023年モデルも従来型が継続して販売されることになるようだ。
さて新型パイロット、前述のように北米市場では「ミドルクラス」に分類されるモデルだが、ボディは全長5085×全幅1994×全高1829mmというビッグサイズ。先代モデルのマイナーチェンジ後から与えられた、直立状の大型グリルが特徴的だ。
車両全体は水平基調のベルトラインをはじめシンプルなフォルムでまとめられており、先代モデルに比べ後退したAピラーがロングノーズを強調している。そして大きく傾斜したCピラーや独特な形状を持つリアクォーターウィンドウが、スポーティな印象を強めている。
エンジンは先代モデルまで長らく搭載されてきた3.5リッターV6 SOHCから一新され、同じ3.5リッター V6ながらオールアルミ製のDOHCユニットへと進化。エンジンブロックは完全新設計で、最高出力285ps・最大トルク355Nmを発揮。さらに燃費性能についても、先代モデルから大幅な性能向上が図られた。
トランスミッションは、先代の9速ATから新設計の10速ATへと進化。全車にパドルシフトが標準装備される。ドライビングモードは、Normal/ECON/Sport/Trail/Snow/Sand、そして牽引時用のTowモードまで用意されている点は、北米仕様車ならではといえる。駆動方式はFFとAWDの2種類で、AWD車には最新世代の「i-VTM4」全輪駆動システムが組み合わされる。
そんな新型パイロットだが、なかでも注目のグレードは先代モデルから設定されている「TrailSport(トレイルスポーツ)」だ。
TrailSportは、ホンダの北米市場向けSUVに設定される新グレードで、よりオフロード走行をイメージした外観や装備が与えられる。現行パスポートに初めて設定され、新型パイロットは2車種目の設定となる。
新型パイロット TrailSportには、「Diffused Sky Blue」と呼ばれる専用ボディカラーが採用されるほか、車体下面にはスチール製のスキッドプレートを装着。これはオフロード走行時に、オイルパンやトランスミッション、燃料タンクなどを保護するためで、ホンダのSUVとしては初採用となる。
TrailSportはサスペンションもオフロード用にチューニングされた専用品。スプリングレートや減衰力が高められている。また最低地上高は1インチ(約2.54センチ)引き上げられ、悪路走破性の向上に貢献している。
新型パイロットは20インチのホイールを標準装着するが、TrailSport は18インチのあるいホイールに265/60R18サイズのコンチネンタル製オールテレーンタイヤを採用。オフロードや雪上における走行性能を向上させている。
インテリアでは、3列シートそれぞれに専用のオレンジステッチが配されるほか、運転席・助手席のヘッドレストには 「TrailSport」のロゴが刺繍される。フロアマットも専用デザインとされ、雪や泥の付着しにくいオールシーズンタイプ。そのほか2列目乗員の頭上まで開放的な空間を演出する、スライディング・パノラミック・サンルーフが標準装備となる。
ホンダ史上最大のボディサイズを持ち、また従来以上に本格派SUVらしく生まれ変わった新型パイロット。車両価格はベースグレードのSport(FF)が4万445ドル、最上級グレードのElite(AWD)が5万3325ドルとなる。
2023年モデル ホンダ・パイロット車両価格(MSRP)
Honda Pilot Sport(FWD) | $40,445(約533万8740円) |
Honda Pilot Sport(AWD) | $42,545(約561万5940円) |
Honda Pilot EX-L(FWD/8人乗り) | $43,245(約570万8340円) |
Honda Pilot EX-L(FWD/7人乗り) | $43,545(約574万7940円) |
Honda Pilot EX-L(AWD/8人乗り) | $45,345(約598万5540円) |
Honda Pilot EX-L(AWD/7人乗り) | $45,645(約602万5140円) |
Honda Pilot Touring(FWD) | $47,745(約620万685円) |
Honda Pilot Touring(AWD) | $49,845(約657万9540円) |
Honda Pilot TrailSport(AWD) | $49,645(約655万3140円) |
Honda Pilot Elite(AWD) | $53,325(約703万8900円) |
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)