Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. NEW CAR
  3. Honda Access
  4. 【ホンダアクセス】”実効空力”を雨の群馬サイクルスポールセンターで体感! 低中速域でも抜群のスタビリティ性が光る

【ホンダアクセス】”実効空力”を雨の群馬サイクルスポールセンターで体感! 低中速域でも抜群のスタビリティ性が光る

新型シビック・タイプRの純正アクセサリーとして生まれた「テールゲートスポイラー」は、テストコースでの走り込みテストと風洞実験によって形状を決めていく本物の機能アイテムであり、空力パーツである。

その効果は果たして日常的な速度域でも感じられるのか、実際のワインディングに近いクローズドコースである群馬サイクルスポーツセンターにて、標準のスポイラーと純正アクセサリーのテールゲートスポイラーを付け替えて試乗する機会に恵まれた。

「群サイ」の愛称でも知られる群馬サイクルスポーツセンターで、ホンダアクセスが企画・開発・販売する「テールゲートスポイラー」の味わいを体験した。方法はいたってシンプルで、純正スポイラー装着車で走行した後、純正アクセサリー装着車で同一コースを走るというもの。

純正アクセサリーのテールゲートスポイラーは、標準装着されるリアスポイラーとステー部分は共有しているため、違いはセンターのウイング部分だけとなる。とはいえ両者を見比べてみると、外観におけるイメージチェンジ効果も大きいが、果たしてホンダアクセスが提唱する日常の速度域で、「実効空力」の効果は体感できるのだろうか?

 結論をいえば、はっきりと違いが感じられた。ドライブモードはSPORTを選び、2速でスロットルを強めに踏むとタイヤが空転するほどのコンディションだったが、純正アクセサリーのテールゲートスポイラー装着車は、直進安定性が明らかに増すことが体感できた。具体的に言えば、100km/hを超えたあたりでの安心感が高い。

かといってダウンフォースで押し付けているという感覚もない。前後バランスよく、安心して踏んでいけるのだ。実際、ホンダアクセスのテールゲートスポイラーを装着すると2速でレブリミットまで回せたが、標準状態ではその手前で不安を感じる挙動だった。

一般に空力デバイスというのは、速度が増すほど機能が発揮されるもの。しかし純正アクセサリーの「テールゲートスポイラー」を装着すると、低中速域から空力効果が感じられるのは不思議だ。そのあたりの理由や形状的な狙いについて、Moduloシリーズの開発統括である福田正剛さんにお話を伺った。

「ポイントはウイング下面にある鋸歯形状の『実効空力デバイス』です。この形状が空気の大きな流れを細かい渦に砕くことで、負圧の揺らぎを軽減し、車体が安定して感じるようになると考えています。またピラーの角度を合わせた翼端板は、中高速域での一体感を生み出しています」

ドライカーボン製ウイングの下面に配された鋸歯形状が、”実効空力デバイス”と呼ばれるもの。上面は中央部分がガーニーフラップ形状となっているが、こちらは適度なダウンフォースを得るのが目的だ。

たしかに純正アクセサリーの「テールゲートスポイラー」をつけた状態では、一般に整流効果と呼ばれるものとは質の違う安定感がある。そのフィーリングにホンダアクセスの実効空力デバイスが大きく寄与している。

実際に、このテールゲートスポイラーを開発したエンジニアの山崎純平さん、デザイナーの深尾なつみさんにも話を聞くことができた。

「数年前から鋸歯形状の空力効果については研究をしていました。シビック・タイプR用テールゲートスポイラーへ採用するにあたっては、テストコースでの実走とムービングベルト空洞で確認を繰り返しています」と山崎さん。

「デザイナーもテストコースで乗っています。実効空力デバイスにより正確なハンドリングがさらに向上したと実感しました」と深尾さんは話してくれた。

ドライカーボン製という素材の良さだけでなく、実走と風洞によって煮詰めた形状も、このテールゲートスポイラーが持つ魅力。その開発と生産に投入される手間を考えると、27万5000円という価格は、むしろバーゲンプライスと感じてしまうのは、筆者だけではないはずだ。

(photo:Kiyoshi WADA 和田清志、text:Shinya YAMAMOTO 山本晋也)

ホンダアクセス(TEL:0120-663521)
https://www.honda.co.jp/ACCESS/civictype-r/