【Powered by HONDA】これぞ究極のレア車スポーツセダン! いすゞアスカの「Euro R」仕様【ISUZU】
1997年にデビューした6代目アコード。当時は、いすゞ自動車にもOEM供給され「アスカ」という車名で販売されていた。そんなホンダ好きの間でもあまり知られていないレア車をベースに、CL1型アコード・ユーロRのエンジンを載せ替えてしまったのが今回紹介する1台。ISUZU×HONDAというコラボを実現させた、オーナー自慢のスポーツセダンを紹介しよう。
(Honda Style 99号に掲載)
1983年に初代モデルが登場した、いすゞのミドルサルーンが「アスカ」である。1990年には2代目へと進化するが、いすゞ自動車本体が乗用車の開発・生産を縮小する方向ということもあり、他社からのOEM供給という方針を採択。2代目モデルはスバル・レガシイ、3世代目からはホンダ・アコードをベースとするバッジエンジニアリングモデルとなった。
今回紹介するアスカは4代目モデルにあたり、1997年に登場。外観からわかるように6代目アコードをベースとしており、ボディ形状はセダンのみ。グレードは搭載エンジンによって分かれており、F18B型1.8リッターSOHCと、F20B型2リッターSOHCを搭載する2つのモデルが用意された。
どちらもトランスミッションは4速ATと5速MTが組み合わされ、駆動方式はFFのみ。またボディ形状もセダンのみで、ワゴンは設定されなかった。当然ながらというか、6代目アコードに初設定されたスポーティグレード「ユーロR」に相当するモデルも設定されていない。よくある「フツーのセダン」がいすゞ・アスカである。
そんないすゞ・アスカを、19歳の時に購入した藤本大介さん。自身にとって人生初のマイカーは、当初はアコードの中古車を探していたそうだが、その過程でたまたまアスカを発見。「買ったら友達にウケるかも!」というノリも働いて、購入を決意したそうだ。
それから近所にあるホンダ専門店を探したところ、ホンダツインカム横浜店と出会い、同店が主催する走行会へ参加することを通じてサーキット走行やチューニングにもハマっていった。そんなあるとき、CL1型アコード・ユーロRの最終特別仕様車であるユーロR-Xが入荷する。当然ながら、アスカからの乗り換えを勧められたそうだ。
しかし、すでにアスカへの愛着を強めていた藤本さんは、逆に愛車のアスカをユーロR化することを発案した。タイミングの良いことに、たまたまCL1に乗っている別のお客さんで「エンジンをノーマルに戻したい」という人が現れ、ユーロR-Xのエンジンはそちらのオーナーに渡ることとなった。
かわりに藤本さんは、そのオーナーさんからチューンドエンジンを譲り受け、入庫したユーロR-Xからはシートやドアトリムを移植するということで話がまとまった。
コックピットまわりでは、アコード・ユーロR用純正メーターを移植し、Defiの追加メーターも装着。トランスミッションはH22Aとセットで、ユーロR用5速MTに載せ替えられている。
インテリアまわりでは、サーキット走行に備えてまずは運転席にレカロのフルバケットを装着。その後にユーロR-Xから助手席用純正レカロ、リアシート、ドアトリムをまるっと移植したが、期せずして運転席とカラーリングが一致したそうだ。
晴れて藤本さんのアスカは、エンジンベイにH22Aが搭載され、アスカ・ユーロRが実現された。もともとセダンの実用性と、タイプRにも負けず劣らずな性能を持つアコード・ユーロRに憧れていただけに、喜びはひとしお。さらにアスカがベースということで、他人から理解されにくければされにくいほど燃えてしまうという、マニア的優越感も加わった。
現在はクルマ趣味に理解のある人生の伴侶とともに、『今がもっとも幸福です』というなんとも羨ましいカーライフを送っている。
(photo:Akio HIRANO 平野 陽、text:Hideo KOBAYASHI 小林秀雄)
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