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【NOC】普段はライバル関係のN-ONEオーナーズカップ仲間がチームを結成! もてぎEnjoy耐久に今年も参戦【GK5】

1年に1度、モビリティリゾートもてぎを舞台に行われるアマチュアレーサーたちの「夏の祭典」、それがEnjoy耐久レース、通称「Joy耐」だ。名称のとおり楽しむことを最大の目的にした参加型モータースポーツで、今年は21回目の開催となる。これまでは夏の風物詩といった趣もあったが、今年は初夏の空気が漂う5月8日に決勝レースが開催された。

そんなJoy耐に、今年もN-ONEオーナーズカップ(NOC)に参戦している選手たちがチームを結成して参戦! NOCではライバルであり、同じレースを楽しむ仲間がひとつのチームとなり、さらにレースアナウンサーのピエール北川氏が加入! 7時間の耐久レースを楽しんだ。

N-ONE OWNER’S CUPのレース仲間が集まりチームを結成

36号車「HCM☆内野製作所☆DLFIT」のピットには、HCMスポーツガレージのスタッフのほか、N-ONEオーナーズカップに参戦してるするNOC仲間が多数集結! チーム監督やメカニック、そのほかサポートなどNOCオールスターズといってもいい面々が集まった

今年から名称が一新された「モビリティリゾートもてぎ」を舞台に行われる「Joy耐」。その決勝レースが、2022年5月8日に開催された。このJoy耐はアマチュアレーサーにとって年に一度のお祭りといえるイベントで、『初心者でも楽しめる耐久レース』をコンセプトに掲げ、今年で21回目の開催となる。

レースは7時間の耐久形式で行われ、ナンバー無しのレース専用車両で争われる。エンジン排気量や駆動方式などによりクラス分けがなされており、クラス1〜10、そしてフィット1.5チャレンジカップ車両の計11クラスに分けられている。

GK5型フィットRSの前期モデルをベースに製作された、フィット1.5チャレンジ車両で参戦。エンジンやミッションはノーマルだが、室内はドンガラでロールケージが組まれるなど本格派

ドライバー交代回数は5回以上という義務が課せられているほか、ピットインの際には最低滞在時間や、1度の燃料補給で給油できるガソリン量が規定されている。

この給油についても独特のルールがあり、ピットでの給油作業はNG。給油作業はパドック内のガソリンスタンドで行うのだが、スタンドへの出入りの際はエンジンを止め、サポートメンバーによる「手押し」で入場しなければならない。

エアロパーツ類は一切装着されておらず、外観はフルノーマル。タイヤはDUNLOP製Sタイヤを装着する

単に速く走るだけでは勝利には近づけないのが耐久レースだが、Joy耐ではさらにチーム総力戦というレギュレーションなのが特徴だ。だからこそ、全員でチェッカーを目指すという楽しさがあり、毎年多くの参加者を集める理由となっている。

ロールケージが組まれたコックピットは、街中を走るフイットとは雰囲気が別モノ。無限製ステアリングやシフトノブ、クイックシフターを装着する

そんなJoy耐に、今年もNOCに参戦しているドライバー仲間同士がチームを組んで参戦した。車両名は「HCM☆内野製作所☆DLFIT」で、坂井拓斗選手/岩間浩一選手/阿久津敏寿選手/内野徳昭選手に加え、レースアナウンサーとして活躍するピエール北川氏が加入! 総勢5名のドライバーでJoy耐に挑んだ。

36号車「HCM☆内野製作所☆DLFIT」のドライバーたち。左から坂井拓斗選手、岩間浩一選手、阿久津敏寿選手、ピエール北川選手、内野徳昭選手

坂井選手と岩間選手はNOCのシリーズチャンピオン経験者で、阿久津選手も上位争いの常連。内野選手はNOC以外にもクラシックフォーミュラなど豊富なレース参戦経験を持つという豪華な布陣だ。参戦車両はGK5型フィットRSで、今年のJoy耐に参戦するため『HCMスポーツガレージ』によって新たに製作された。

最後まで何が起きるかわからない、それが耐久レースの難しさ

前日の5月7日に予選が行われ、A/Bドライバーの合計タイムによって決勝レースのグリッドが決定した。36号車「HCM☆内野製作所☆DLFIT」は決勝レースに向けて車両のセットアップを重視し、41番グリッドから決勝レースに臨んだ。

迎えた決勝レース、天候は晴れ。昨年までは盛夏に開催されていたJoy耐だが、今年は初夏の時期へと変更され、日差しの暖かさが心地いい。全60台が出走した決勝レースで、36号車のスタートドライバーは内野選手が担当した。

その後も大きなアクシデントなくレースが進行していくなか、36号車は経験豊富なドライバーばかりとあって、順調に走行を重ねていく。

Joy耐の給油はパドック内のガソリンスタンドでのみ可能。チームスタッフによる「手押し」のシーンもJoy耐ならでは

内野選手のあとは坂井選手→ピエール北川選手→阿久津選手→岩間選手とマシンを繋ぎ、一時は総合11番手まで順位をアップ。しかしチェッカーまで残り約50分というところで、予期せぬオーバーヒートが発生! マシンは急遽ピットインを強いられてしまう。

チェッカーまで残り約50分という時点で緊急ピットイン。破損したオルタネータを外し、別の車両から部品を移植する

オーバーヒートの原因は、オルタネーターが破損したことでベルトが外れてしまい、水温が急上昇してしまったことだった。ここで万事休すかと思いきや、チームのメカニックたちは誰ひとり諦めずに修復作業を開始!

まずは破損したオルタネーターを36号車から取り外すと、バックアップとして用意していた別のフィットからオルタネーターを外して移植作業を進めていく。そしてメカニックが作業をしているあいだ、サポートメンバーは運転席で着座して待機する坂井選手にあおいで風を送るなど抜群のチームワークを披露した。

メカニックの懸命な作業によりコースに復帰した36号車。その後は水温も安定しチェッカーフラッグを目指した

約25分の作業時間で、オルタネータの移植ほかすべての作業が完了。ピットからコースへ復帰する際は、チームメンバーはもちろんのこと周りのチームからも多くの拍手が送られ、36号車は再び走り出した。

コースへ復帰した後はマシンに大きな影響は見られず、最後のスティントを担当した坂井選手が丁寧なドライブを続けてフィニッシュ! 終わってみれば、スタート時点と同じ41位でチェッカーフラッグを受けた。

最後にトラブルはあったものの、7時間を走りきった36号車と記念撮影。チームは早くも来年へのリベンジに燃えている

36号車「HCM☆内野製作所☆DLFIT」は142周を走り、総合41位(クラス9位)でフィニッシュ。終盤のマシントラブルさえなければ上位も見えていたものの、これが耐久レースの難しさ。それでも抜群のチームワークでマシンをコースへ復帰させると、チェッカー後は全員が笑顔でお互いを称え合うなど、耐久レースの楽しさを改めて感じられた週末となった。

『レースは走る実験室』とは、ホンダの創業者である本田宗一郎氏の有名な言葉だが、レース参戦を通じて得られる様々なフィードバックは、成長や人と人との繋がりを育んでいく。

レースウィークを通じて、36号車のピットにはNOCに参戦しているドライバーたちをはじめ本当に多くのレース仲間が訪れており、笑顔が絶えない空間となっていたことが印象的。それはレース車両の製作およびレース当日のメカニックを担当した、HCMスポーツガレージの雰囲気そのものと言ってもいいだろう。

HCMスポーツガレージでは、NOCへの参戦を検討しているユーザーに様々なサポートを行っている(NOCレンタル車両もあり)ほか、日常メンテナンスからチューニング、オーバーホールまで、ホンダ車に関するあらゆる作業に幅広く対応してくれる。ホンダ車について悩んでいることがある方は、ぜひ一度相談してみてはいかがだろうか。

(photo:Naoki YUKIOKA 雪岡直樹、text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)

HCMスポーツガレージ(TEL:059-371-6678)
www.hcm-sportsgarage.com