【FL1】ホンダのスポーツハッチを知り尽くす、SPOONが導くFL1型シビック・チューニング。パーツが続々と開発中
ホンダ車のチューニングシーンをリードする存在として、国内外から多くの支持を集めるSPOON。歴代シビックにおいても数々の製品を開発・発売してきたが、それは現行モデルのFL1型においても変わらない。アンテナショップ&ファクトリーであるTYPE ONEにFL1型シビックが入庫すると、まずは従来モデルであるFK7型からの変更点について検証が行われた。
(Honda Style 103号/2021年9月発売号に掲載)
FK7型をベースに全域でパフォーマンスを向上させた新型FL1
FK7型からのフルモデルチェンジによって誕生した、新型シビック。型式ではFL1型となる11代目モデルは、基本的にはFK7型の正常進化といっていい。ボディ形状はハッチバックのほか、北米市場にはセダンも導入されているが、日本国内はハッチバックのみとなる。
基本シャシーは先代FK7型からのキャリーオーバーだが、ホイールベースは延長され、伸びやかなルーフラインがさらに強調された。その延長ぶんはほとんどが後席の足元スペースに使用されており、車内の居住性は大幅に向上している。
さらにリアの脚まわりを中心としてコーナリング時の車両安定性が高められており、エンジンチューニングに対するキャパシティは確保されているといえそうだ。
「爽快シビック」というグランドコンセプトを掲げて開発されたFL1型は、SPOONでも車両の基本的な性格について、その言葉どおりと受け止めている。そこで、まずはハンドリング性能やエンジンのフィーリングアップを目的としたパーツ開発が進行中だ。
まずは脚まわりをバラして「リジカラ」の検証が行われ、その後にFK7用のプログレッシブスプリング、ブレーキキット、そしてホイールを使用してフィッティング確認が行われた。
FK7型のオーナーから高い支持を集めているプログレッシブスプリングは、ベース車両からスプリングレートを約10%向上させ、約30mmのローダウンを実現する。FL型でも同様のコンセプトで開発を進めていくとのこと。
6ポッドのモノコックキャリパーと、312mm系のビッグローターも装着が可能であることが確認された。
キャップレス構造を採用したキャリパーは高剛性と軽量さを両立しており、36/34/27mm径の異型6ピストンとすることで、ブレーキパッドの偏摩耗を抑制する。パッドはストリート/サーキットと2つの仕様が用意される。
そのほかホイールチョイスでは、SPOONの定番アイテムである「SW388」もフィッティング済み。FK7で装着していた18×8.5Jサイズは、新型シビックでも装着可能だ。時代を超えて愛される普遍的なデザインは、FL1型でも多くのファンに受け入れられそうだ。
FL1型のエンジンは、FK7型からのアップデート版である1.5リッター直噴ターボ。トランスミッションはCVTのほか6速MTも用意されており、シビックファンにとって嬉しいポイントだ。
SPOONでは、従来モデルのFK7型を『サーキットにおけるラップタイムでノーマル状態のFK8タイプRを上回る』ことを目標とし、アルミラジエターやビッグタービンキット、車高調サス、さらにボディ補強パーツなどを精力的にリリースしてきた。
すでにFL1型でも、HONDATAによるECUチューンが決定しているが、FK7型と同様にエアクリーナーやビッグスロットル、N1マフラーといった吸排気系も開発を進めていくとのこと。チューニングパーツのラインナップ拡充を願うシビックファンはきっと多いだけに、今後のパーツ開発に注目したい。
スタイリッシュなフォルムを演出する、FK7/8用エアロミラーが登場
そして、従来型モデルであるFK7/8にも新製品が登場。スタイリッシュなフォルムが特徴のエアロミラー(18万1500円)は、後方視界を確保しながら精悍なサイドビューを実現してくれる。
ウィンカー内蔵式の純正ミラーに交換して装着するため、フェンダーに備わるサイドマーカーをウィンカーとして機能させるパーツも付属する。FK7型シビックハッチバックのほか、FK8型シビック・タイプR、そしてFC1型シビックセダンにも装着可能。
優れたサポート性と軽量性が人気の、カーボンバケットシート(16万2800円)。従来同様にシェルはカーボンケブラーを使用し、約5.9kgという軽さを実現した。写真はFK7への装着例だが、FL1型でも装着可能を確認ずみとのこと。
(photo:Akio HIRANO 平野 陽、text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)