【STEP WGN】新型ステップワゴンの裏コンセプトは「原点回帰」!? 薄目ヘッドライトには「あのクルマ」の面影が…
2022年1月7日にホンダが初公開した新型ステップワゴン。スペックや車両価格などは、正式発表・発売が予定されている2022年春を待たないといけないが、従来から設定のある人気グレード「SPADA(スパーダ)」に加え、新型では標準グレードを「AIR(エアー)」と名付け、それぞれに明確な個性を与えている。
そんな新型ステップワゴンは、伝統であるハコ型のデザインが継承され、リア周りでは初代&2代目モデルに採用されていた縦型テールレンズが”復活”したことが話題となっている。
いっぽう、ヘッドライトを中心としたフロントマスクの造形も、よく見るとどこか既視感を覚えるような…
新型ステップワゴンが採用した「薄目ヘッドライト」の元祖といえるモデルが、ちょうど20年前の2002年に発売された「That’s(ザッツ)」そして「モビリオスパイク」の2台だ。
ザッツは通常タイプのヒンジドア、モビリオスパイクはリア左右にスライドドアを採用するという違いはあるが、いずれもハコ型ボディを採用するトールワゴン。ザッツはライフ、モビリオスパイクはモビリオの兄弟車であり、「シンプル」や「使い勝手の良さ」を強調してオーナーのカーライフに寄り添う存在として登場した。
ライフは軽自動車の、そしてモビリオはコンパクトクラスで人気を博したモデルだけに、ザッツやモビリオスパイクの基本性能は高く、発売当初は人気を集めた。しかし年月が進むにつれ、メッキ加飾が多く用いられる「オラオラ系」のデザインがミニバンカテゴリーにおける主流となっていき、シンプルなフロントマスクを持つ2台の存在感は希薄になっていく。
やがてザッツはZEST(ゼスト)に、モビリオ&モビリオスパイクはフリード&フリードスパイクへと実質的なモデルチェンジが行われたが、デザインコンセプトは時代に即したものとなって従来のシンプルな顔つきからは脱却した。
ザッツ&モビリオスパイクの登場から20年後、2022年春に正式発表・発売が予定されている6世代目のステップワゴンのフロントマスクは、細長なヘッドライトや水平貴重のグリルデザインなど、前述の2台を連想させるディティールが多い。
メディア向けに開催された事前説明会においても、新型ステップワゴンの統一コンセプトとして『#素敵なくらし』が掲げられ、標準モデルとなるAIRについては『Life Expander BOX』という、ユーザーの生活に寄り添う存在であることが確認された。
クルマの存在感が強調しすぎるのではなく、あくまで生活を豊かにする存在。その意味では初代や2代目モデルへの「原点回帰」といえ、標準モデルとなるAIRには『シンプル&クリーン』というテーマでデザインされたフロントマスクが与えられた。
これまでミニバンカテゴリーで人気の中心となってきた「オラオラ系」のデザインも、近年はユーザーも食傷気味という雰囲気が感じられるだけに、新たなデザイン提案を行った新型ステップワゴンがどのように市場に受け入れられるか、注目と期待が高まる。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)