Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. NEW CAR
  3. 【ACURA】最高出力355hpの3リッターV6ターボを搭載する驚速SUV、MDXタイプS登場。車両価格は約767万円〜

【ACURA】最高出力355hpの3リッターV6ターボを搭載する驚速SUV、MDXタイプS登場。車両価格は約767万円〜

アメリカホンダは、北米市場で展開する高級車ブランド・ACURA(アキュラ)に、新型SUV「MDX type S」を新設定。2022年モデルとして販売が開始された。

アキュラの2022年モデル・ラインナップは、スーパースポーツのNSX、セダンのTLX、ILX、そしてSUVがMDX、RDX、さらに久しぶりの復活となった新型インテグラの計6車種展開。そのうちMDXは同ブランドの最上位に位置するSUVで、北米ではミドルサイズのラグジュアリーSUVというカテゴリーになる。

アキュラMDXの歴代モデル。いちばん左が2001年に登場した初代MDXで、いちばん右が現行モデルの4代目となる

MDXの初代モデルがデビューしたのは2001年のこと。第1世代のMDXは右ハンドルモデルが日本国内でも販売されたから、その車名に聞き覚えがあるという人も多いだろう。2代目以降は北米市場専用車種となり、現行モデルは2021年秋に発表されたばかりの4代目。現地での人気は高く、これまで20年以上の間に、累計100万台以上が販売された。

アキュラでは、MDXを『アメリカ国内で最も売れた3列シートのラグジュアリーSUV』と発表しているほか、アキュラブランドのアメリカ国内における全販売台数のうち、MDXは約3分の1を占めるベストセラー・モデルとなっている。

迫力ある左右4本出しマフラーが、MDXタイプSの特徴だ

そんな「ドル箱」モデルであるMDXの最新モデルに追加設定されたのが、高性能グレードの「タイプS」だ。アキュラ・ブランドには、以前よりタイプSというスポーティグレードが存在していたが、新世代の「タイプS」は従来よりもスポーツ色を強め、今後はアキュラの全モデルに設定される。すでにTSXやNSXにタイプSが登場しており、MDXは3モデルめとなる。

MDXタイプSの特徴は、なんといってもパワーユニットに新開発の3リッターV型6気筒DOHCターボを搭載することだ。ツインスクロールターボを採用したこのユニットは、すでに発売されているTLXタイプSと同じエンジンで、最高出力は355hp/5500rpm、最大トルクは354lb-ft(48.9kg-m)/1400-5000rpmを発生する。

トランスミッションは10速ATで、駆動方式は、最新世代の電子制御システムSH-AWDが組み合わされる。最新のSH-AWDでは、前後左右へのエンジントルク伝達をさらに細分化・効率化し、コーナリング時の安定性を向上させている。

脚まわりはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアはマルチリンク式で、タイプSにはオートレベリング機能付きアダプティブエアサスペンションが与えられた。

もちろんSUVとしての基本性能は高く、インパネのロータリースイッチで操作できるドライブモードは、7種類から選択が可能。ノーマル/コンフォート/インディビジュアル/スノー/スポーツが用意されるのは従来のMDXと同様だが、タイプSでは「スポーツ+」のほか、最低地上高を約50mm引き上げて、段差や雪をクリアする「リフト」も用意される。

専用デザインの21インチ・ホイールを装着するMDXタイプS。フロントフェンダーにはエンブレムも装着される

MDXタイプSはホイール&タイヤも他グレードと異なるものが与えられており、ホイールは21インチ×9.5Jでシャークグレーまたはベルリナブラックに塗装された専用デザイン。ラグジュアリーSUVらしく、ロードノイズを低減するためのレゾネーターも備えられている。

タイヤは275/40ZR21サイズのコンチネンタル製を装着。スポークのあいだから覗くブレーキキャリパーは、ブレンボ製4ポットタイプで、ブレーキローターもMDXの他グレードより大径の専用タイプが採用される。

そのほか外観では、フロントバンパー、グリル、リアディフューザーといったタイプS専用エアロパーツや、左右4本出しマフラーを装着。ボディカラーは全7色で、そのうち写真のタイガーアイ・パールはタイプS専用カラーとなる。

外周部をボディ同色とした「オープンダイヤモンドメッシュグリル」。内側はグロスブラックに変更され、ハイパフォーマンスモデルらしい佇まいを演出している。バンパー左右にはダクトが設けられ、エンジンルーム両側に設置されたサブラジエターに走行風を導く。

インテリアもタイプS専用の内装色を採用する。レッド、エボニー、そして新色となるライトオーキッドのミラノレザーシートに、プレミアムブラックのウルトラスエードを組み合わせた。ステアリングはボトム部分がフラットとなった「Dシェイプ」で、タイプSエンブレムや金属製スポーツペダルを装備する。

フロントシートは9モードのマッサージ機能がオプションで用意される。モニターに映る「Shiatsu」の文字が見えるだろうか

アキュラが「Precision Cockpit(プレシジョン・コックピット)」と呼ぶ運転席のダッシュボード中央部分には、12.3インチのワイドHD液晶ディスプレイが備わる。そのほか最大25個のスピーカーと、出力1000w以上を誇る「ELS STUDIO 3D」プレミアムオーディオシステムを採用。ラグジュアリーSUVにふさわしい内装としている。

優れた走行性能と高級感を兼ね備えたMDXタイプSの車両価格(MSRP)は、標準モデルが6万6700ドル(約767万円)、装備の充実したタイプS アドバンスパッケージが7万2050ドル(約828万5750円)。

実際には、このMSRPにDestination feeと呼ばれる諸費用がプラスされるため、購入者が支払うのはMDXタイプSが6万7745ドル(約779万0675円)、同アドバンスパッケージが7万3095ドル(約840万5925円)となる。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)