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【21SEMA】車中泊の次は「オーバーランド」が流行る!? ホンダ・パスポートが魅せる、SUVの次世代カスタムスタイル

アメリカホンダは、2021年11月に開催された自動車用アフターマーケット・パーツショー「SEMAショー」に、北米市場専売モデルのSUV、「パスポート」をベースとしたカスタムモデルを出展。オーバーランドと呼ばれる新しいアウトドアの楽しみかたを提案した。

パスポートは、ホンダがアメリカおよびカナダの北米市場で販売しているSUV。近年、ますますSUV人気が高まっている北米市場においてホンダは4車種ものSUVをラインナップしており、ボディサイズの小さな順に挙げていくと、HR-V(ヴェゼル)、CR-V、パスポート、そしてパイロットとなる。

2022年モデルのパスポートは、フロントマスクのデザインを大きく変更。新形状のヘッドライトや大型ハニカムグリルが与えられた

このうち、パスポートとパイロットは兄弟車にあたり、基本的な車体設計は同一。エンジンは共に3.5リッターSOHC V型6気筒を搭載し、トランスミッションも同じく9速ATが組み合わされる。両車における最大の違いは室内のシート配置で、パスポートは2列シート5人乗り、パイロットは3列シートで8人または7人乗りとなる。

ホンダ・パスポートのコックピットまわり。9速ATのセレクターはボタン式を採用する

ボディサイズでいうと、パスポートは全長4839×全幅1996、全高は最大で1834mm。いっぽうのパイロットは全長4991×全幅1996×全高1793mmと、全幅は同じだが3列シートを備えるぶん、パイロットのほうが全長は長い。

ホンダ・ブランドの最大SUVとなるパイロット。パスポートと基本設計を共有するシャシーに3列シートを備える

全高はパスポートのほうが高いが、これは3列シートのパイロットがファミリーユースも重視しているのに対し、パイロットはよりアクティブな、いわば「遊び道具」としてのキャラクターを色濃くしており、悪路走破性も高めた脚まわりなどを採用しているためだ。

今回、アメリカホンダがSEMAショーに出展したのは、2022年式パスポート・トレイルスポーツをベースにした『ラギッドロード プロジェクト2.0』というカスタムモデル。

パスポートには、EX-L/トレイルスポーツ/エリートという3グレードが存在するが、そのうちオフロードテイストを強化したトレイルスポーツをベースに、キャンプをしながら旅をする「オーバーランド」風カスタムを施している。

予備タイヤはテールゲートに装着されるのではなく、トーイングフックを兼ねた専用キャリアに搭載される

「オーバーランド」とは、北米エリアにおけるアウトドア愛好家を中心に人気が高まっているスタイルで、キャンプや車中泊をしながら長距離ドライブ旅行を楽しむというもの。もちろん走るのは舗装路だけでなく、北米の大自然がフィールドとなるため、クルマはミニバンやキャンピングカーなどではなく悪路走破性に優れたSUVが人気となっている。

この『ラギッドロード プロジェクト2.0』は、ホンダ純正アクセサリーとして販売されているルーフクロスバーやフェンダーフレア、特別設計のスキッドプレート、リカバリーポイント(けん引フック)を装着。

サスペンションはJsport製リフトキットを装着したことにより、最低地上高がアップ。18インチのHPD製ブラックホイールが装備され、ファイアストン製デスティネーションA/T 2オールテレーンタイヤを組み合わせている。

そして「オーバーランド」カスタムならではの装備として、ルーフレール上にはルーフネスト社製のルーフトップテント「スパローXL」が備えられた。こちらは開閉式のテントで、ボックスを開けてテントを展開すると、クルマのルーフ上で寝泊まりすることが可能になる。

2022年モデルのホンダ・パスポート・トレイルスポーツのインテリア。ヘッドレストにはグレード名が刺繍される

2021年現在、日本国内におけるホンダのSUVラインナップはヴェゼルとCR-Vの2車種のみで、パスポートやパイロットが今後に日本市場に導入される可能性は限りなく低い。

しかし今回、アメリカホンダが『パスポート・トレイルスポーツ・ラギッドロード プロジェクト2.0』で提案した「オーバーランド」風カスタムは、ヴェゼルやCR-Vオーナーにとってもヒントになる部分が多いのではないだろうか。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)