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【21SEMA】K20Cターボに換装した「Fifteen52プロジェクト96アコードワゴン」がカッコ良すぎる!【CE1/CF2】

コロナウィルス感染拡大対策として、2020年はオンラインでの開催となった世界最大のアフターマーケット・パーツショー『SEMAショー』。ホンダブースにはシビックやパスポートなど、現行モデルをベースとしたカスタムモデルがずらりと展示されたが、そのなかで異彩を放っていたのが1996年式アコードワゴンである。

JACCSアコードのカラーリングを見事にアレンジして、ワゴンボディにインストール

アメリカの鍛造ホイールメーカー「fifteen52」が作り上げたこのクルマは、外観を見れば一目瞭然、かつて日本国内のトップカテゴリーであった全日本ツーリングカー選手権(JTCC)でシリーズチャンピオンに輝いた、JACCSアコードをイメージして制作された1台だ。

ゼッケン96はベース車両の年式であり、JACCSアコードがシリーズチャンピオンを獲得した年でもある

ベースとなっているのは1996年式アコードワゴン。左ハンドルの北米仕様をベースに、日本仕様のヘッドライトや社外エアロミラーを装着。グラフィックはセダンボディのJACCSアコードをアレンジし、ワゴンボディにインストール。「fifteen52」以外にもタイヤメーカーやサスペンションメーカーなど、JACCSアコードと異なる部分もうまくアレンジされている。

フロントバンパー下部のダクトから覗くインタークーラーがアピールしているように、「fifteen52」制作によるアコードワゴンのハイライトはエンジンルームにある。搭載されるのはK20C1型の2リッターVTECターボ。FK8型シビック・タイプRに搭載されるエンジンを換装している。

じつはホンダの北米におけるレース活動を担当しているHPD(Honda Performance Development)では、2021年5月からシビック・タイプR用の4気筒エンジンを単体で販売している。ただし公道走行はNGで、レース用マシンへの搭載を前提としてモータスポーツ関係者のみに販売されていたのだが、今秋からは一般ユーザー向けにも販売を拡大。それをアピールするべく制作されたのが、このアコードワゴンというわけだ。

FK8型シビック・タイプRに搭載されるK20C型エンジンは、北米仕様では出力表記がPSからhpとなっているため、最高出力306hp/6500rpm、最大トルク40.8kg-m/2500~4500rpmを発生。HPDから単体販売されるエンジンもスペックは同一で、別売される「コントロールパッケージ」も購入すると、HPD開発によるECU、エンジン換装用のハーネス、アクセルペダルなども入手できる。

K20型エンジンの特徴は、車体の前方より吸気、後方つまり運転席側より排気するレイアウト。アコードワゴン(SiR)が搭載するH22Aとは正反対の設計となるが、ネタ元となっているJTCC参戦マシンのアコードはH22Aをベースにリバースヘッド化していた。つまりK20型エンジンと同様のレイアウトと言え、ホンダ好きならば思わずニヤリとしてしまう部分だ。

この強力なエンジンパワーを受け止める脚まわりは、FK8型シビック・タイプRから総移植。ブレンボ製キャリパーやディスクローターを装着し、JACCSアコードのホイールと形状がよく似たセンターロック風のfifteen52 Podiumを組み合わせる。カラーはRally Whiteで、サイズは19×8.5J +45だ。

さらに強烈なのはタイヤで、北米地域専売となっているTOYO PROXES RRの235/35ZR19を装着。トレッド面にはタテ溝が2本入っているだけというセミレーシングスペックを履く。

まさに現代に復活したJTCCアコードとも言うべき、Fifteen52が作り上げた「プロジェクト96アコードワゴン」。その走りっぷりをぜひ見てみたい1台だ。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)