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【GT500】レース前半はトップで周回を重ねた64号車Modulo NSX-GT。後半に苦しみ12位でチェッカー

前日に行われた予選に続き、好天に恵まれた大分県・オートポリス。新型コロナウィルスの感染対策として、約1万300人に留められた観客が見守るなか、2021 SUPER GT第6戦の決勝レースがスタートした。

予選3番手から決勝レースに挑む、64号車Modulo NSX-GTのステアリングを握るのは伊沢拓也選手。ベテランらしく、スタートから落ち着いた走りを見せ3位のポジションをキープしたまま周回を重ねていく。

やがて前を走るマシンがペナルティストップを消化したため2番手に上がると、10周目にはGT300クラスの車両がクラッシュしたことによりFCY(フルコースイエロー)が導入される。

そのままSC(セーフティカー)による先導走行に切り替わり、隊列を整えたのちレースが再開されるが、その直後にポールポジションからスタートしてトップを走っていた16号車のタイヤが外れるというアクシデントが発生。これで64号車Modulo NSX-GTはトップに立つ。

その後もクラッシュ車両があり、19周目から24周目にかけて2度目のSCが入る。SC明けのリスタート時、ピットレーンのオープンとともにGT500クラスの半数以上がピットインを敢行するが、64号車はステイアウトの戦略を選択。伊沢選手はハイペースでマージンを稼ぎだし、29周目にピットインを行った。

マシンを受け取った大津選手は、まだタイヤが温まりきらない状況下では後続のマシンを抑えることも難しく、一時は4番手までポジションを下げてしまう。しかしタイヤが温まってくると追撃を開始し、数周のうちに2番手までポジションを戻す。

大津選手はトップを奪還すべく、さらに前方をいくマシンに迫っていったが、やがてタイヤの摩耗が進むと、徐々に差を広げられる展開になる。レース後半はコース上に留まっていることがやっとという状況となり、最後は12位でチェッカーフラッグを受けた。


中嶋 悟 総監督コメント
「途中までは順調で楽しませてくれましたが、後半は何とも言いようがない展開になってしまいました。応援していただいている方々には申し訳ない気持ちですが、次戦は再来週とすぐに迫っています。引き続き目標としている表彰台を獲得できるように頑張りたいと思います。今大会もたくさんのご声援をありがとうございました」


伊沢拓也選手コメント
「僕が担当した最初のスティントは、展開にも恵まれてトップで戻ってくることができました。そのままいいポジションを保って行ければと思いましたが、大津選手のスティントは非常に苦しくなってしまいました。結果としては残念ですが、いろいろとポジティブな部分もありました」

「トップで走れる時間もしっかりとあって、そういう意味では僕たちが目指している「しっかりとレースを戦う」というところもできていましたし、次につながることも見えましたが、いま他のチームとの間にある差を埋めるのも大変だと感じました。次戦は全車のサクセスウェイトが半減しますが、スピード的には問題なくいけると思うので、引き続きレースを強く戦えるよう頑張ります」


大津弘樹選手コメント
「第1スティントの伊沢選手がトップでピットに戻ってきてくれたので、そのままキープしたかったのですが、ピットのタイミングもあり僕がコースに戻った時には8号車に先行され、一時は4番手まで下がってしまいました。タイヤが温まってからはペース良く走ることができ、野尻選手にも迫っていき、もう少しで抜けるというところまで行けたのは良かったですが、その後タイヤの摩耗を感じてきてからはペースが落ちてしまい、守ることすらできないぐらいになってしまいました」

「序盤も良かったですし、あの位置からスタートしたことを考えると非常に残念な結果でした。自分たちの開発も進んではいるものの、相手も同じように開発を進めていて、その差がまだあることを痛感しました。次戦のもてぎは、昨年表彰台に乗っているサーキットです。今年まだ獲得していない表彰台に上がれるよう、ベストを尽くしていきたいです」

次戦の第7戦は、11月6-7日栃木県・ツインリンクもてぎにて行われる。これまで獲得ポイントに応じて搭載が義務付けられていたサクセスウェイトが半分の重さとなるため、ぜひ64号車Modulo NSX-GTの表彰台が見たいところだ。

(text:Honda Style magazine)