【F1】ホンダ製PUを搭載するレッドブル&アルファタウリ、アメリカGPでは「ACURA」ロゴとともに戦う【アキュラ】
「HONDA」としてパワーユニット供給を行うラストイヤーとなる2021年、念願のシリーズタイトルに向けて邁進するレッドブル・レーシング、そして日本人ドライバーの角田裕毅選手が所属するスクーデリア・アルファタウリの2チーム4台とF1世界選手権を戦っているホンダ。
シリーズはいよいよクライマックスに近づき、10月22〜24日にはテキサス州サーキット・オブ・ジ・アメリカズにおいて、第17戦アメリカグランプリ(USGP)が開催される。そのUSGPでは、レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリ両チーム4台のマシン、およびドライバーのレーシングスーツやヘルメットに「ACURA」のロゴが掲げられると発表された。
ホンダの北米法人が発表した写真によると、両チームのマシンにおいてフロントノーズに描かれるホンダのHマークはかわらないが、リアウイングの前後にACURAロゴが掲げられる。またドライバーのレーシングスーツやヘルメットバイザーにも、ACURAロゴが配されるようだ。
ACURA(アキュラ)とは、ホンダが北米市場を中心にカナダや中国で展開している高級車ブランド。登場は1986年で、当初はホンダ車のバッジエンジニアリングモデルも多かったが、現在はスーパースポーツのNSXを除いてすべてがACURA専用車種となっている。
2021年10月における北米市場のラインナップは、ILX、TLXというセダンのほか、SUVのRDX、MDX、そしてNSXの計5車種。そして2022年にはスポーティモデルのINTEGRA(インテグラ)が”復活”することでも注目を集めている。
またACURAブランドは北米のモータースポーツ・シーンへ積極的に参戦しており、HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)との協業によりインディカーはHONDAブランド、IMSAウェザーテック・チャンピオンシップなど「ハコ車」のレースはACURAブランドという棲み分けがなされている。
IMSAシリーズでは、デイトナ24時間をはじめとする多くのレースで優れた成績を残しているACURA。ホンダのモータースポーツ活動という点では同じだが、北米はHPD、F1のPU開発はHRD SakuraおよびHRD Milton Keynesが担当しているため、両者は完全に別となる。
北米シリーズであるIMSAシリーズではなく、世界選手権となるF1においてACURAロゴが掲げられたことは過去にも数回あり、いちばん最初にACURAロゴが登場したのは1989年のアメリカGPとカナダGP。当時のマクラーレン・ホンダに所属していたアイルトン・セナ選手、アラン・プロスト選手両名のヘルメットにACURAロゴが掲げられた。
直近では2007年のカナダGPにおいて、当時ホンダF1に所属していたジェンソン・バトン選手とルーベンス・バリチェロ選手がつけて以来14年ぶりのACURAロゴ復活となる。
前述のように、ACURAブランドはアメリカ&カナダの北米市場、そして中国市場でのみ展開されている。また市販車両もACURA専売車種がほとんどであり、世界選手権であるF1グランプリにおいてACURAロゴをアピールすることは、車両販売に直結するというよりも、ブランドの認知度を広める効果があるだろう。
2022年にはACURAブランドから注目の新型車「インテグラ」が登場するだけに、ぜひACURAブランドの市場拡大、そしてインテグラの販売地域拡大にも期待したいところだ。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)