【動画】ホンダ、「中国電動化戦略発表会」を開催。中国における電動車事業の総合戦略と新型電気自動車(EV)を発表
ホンダは「中国電動化戦略発表会」をオンラインで開催し、中国における環境と安全の新たな取り組みを発表するとともに、電気自動車(EV)の市販予定モデル2車種とコンセプトモデル3車種を世界初公開した。
ホンダは、「人や社会の役に立ちたい」という想いを原点に、多彩なモビリティを通じて「生活の可能性が拡がる喜び」の提供に取り組んでいる。持続可能な社会の実現に向け、環境と安全に徹底してこだわり、2021年4月には、2050年の「カーボンニュートラル」および「交通事故死者ゼロ」の実現という目標を掲げた。
グローバル各地域で目標実現に向けた取り組みを加速させるなか、急速な技術革新が進む中国においても積極的な施策の実行に取り組んでおり、中国を含む先進国でのEV・FCV販売比率を「2030年に40%、2035年に80%、2040年に100%」とする電動化目標を発表している。
この目標をスピーディかつ着実に実現するために、2030年以降は中国市場に新型ガソリン車は投入せず、新たに発売する四輪車はすべてハイブリッドやEVなど電動車となる。
中国初のホンダ・ブランドEVを「e:N」シリーズとして投入
カーボンニュートラルの実現を目指す電動化技術「e:Technology」に、New/Nextといった次世代に向けた新たな価値創造を表すNを冠した「e:N(イーエヌ)」シリーズは、ホンダが中国において本格化させる電動車事業の新たな幕開けを象徴したラインアップであり、今後5年間で10車種を発売し、輸出も視野に展開する予定となる。
e:Nシリーズ第1弾、「e:NS1」と「e:NP1」を2022年春に発売
e:Nシリーズのコンセプトに基づき、ホンダならではのスポーティで爽快な走りや、安全・快適でスマートな移動空間、シンプルでシャープなスタイリングを実現した新型EV「e:NS1」と「e:NP1」を、それぞれ東風ホンダと広汽ホンダより2022年春に発売する。
e:Nシリーズのコンセプトモデル3車種は5年以内の発売を目指す
e:Nシリーズのラインアップ拡充に向けて、今後5年以内の発売を目指して3つのコンセプトモデル「e:N COUPE Concept」「e:N SUV Concept」「e:N GT Concept」の開発を進めていく。
中国電動化の総合戦略、新工場の建設
中国において、今後続々と投入されるe:Nシリーズの販売促進に対応すべく、商品のみならず販売から生産、バッテリー供給体制まで総合的に電動化への取り組みを加速させる。
販売面では、e:NS1とe:NP1の発売にあわせて、中国にある約1200のホンダ販売店にe:Nシリーズコーナーを設ける。さらに主要都市では、e:Nシリーズの販売に特化したe:N専売店の将来的な展開を予定している。また、e:Nシリーズ体験イベントを各地で展開するなど、e:Nシリーズの提供価値をじっくり体験できる場を創出する。
生産面では、2024年の稼働開始を目指し、広汽ホンダと東風ホンダそれぞれ高効率で環境に優しいEV工場を新たに建設し、生産体制の強化を進める。電動化をスピーディに実行していくうえでの鍵となるバッテリーについても、戦略パートナーであるCATLとの協業を加速し、高い競争力をもつバッテリーの供給体制を一層強化していく。
交通事故死者ゼロに向けた中国での取り組み
これまでホンダは、世界に先駆け数々の安全運転支援技術を実用化してきた。そのコアとなる技術として、自動運転技術の研究開発で培われた知見やノウハウを先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance System:ADAS)のさらなる知能化に生かし、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」を、2022年に中国から適用を開始する。
その後は順次、グローバルへ展開していき、2030年までに、中国を含む先進国のすべての四輪車ラインアップへの適用を目指すとしている。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)