【NOC】車両右側に大きなダメージを負った384号車N-ONE Modulo X、路上復帰へ向けてモノコックボディの修理開始
N-ONEオーナーズカップ第3戦(鈴鹿)で、レース中のアクシデントにより大きなダメージを負ってしまった384号車N-ONE Modulo X。衝突した運転席ドア周辺は大破してしまったけれど、幸いなことにフロントフェンダーやリアドアには大きなダメージはなさそう。というわけで復活へ向け、鈴鹿サーキット近くの『ASAOボディサービス』さんへ入庫しました。
接触時、自車の384号車は右に回頭しており、いわゆるドテッ腹に相手車両が飛び込んできたかたち。相手車両は縁石を飛び越えて衝突したため、一般的な路上における衝突事故のケースよりやや上、運転席ドアの真ん中ぐらいに当たったようです。
不幸中の幸いというべきか、フロントフェンダーやリアドアには衝突時の影響で多少の歪みは見られるものの、使用は問題ないレベル。もちろんリアドアの開閉やウィンドウの上下にも支障はありません。
Aピラーもおそらく歪みはなさそうですが、Bピラーは内側に押されて変形しており、サイドシルも凹んでいます。もちろんフロントドアは再使用不可ですが、それ以外に新規購入する部品はなさそうです。サイドステップは衝突時の衝撃で脱落してしまいましたが、無事に回収できており、こちらも再使用できそうでした。
大きく凹んでしまったサイドシルやBピラーを引っ張り出すため、まずは運転席ドアを切除して除去。そして作業中に歪んでしまうのを防ぐため、フロントフェンダーも外します。そして引っ張った際に力が及んでヒビが入るのを防ぐべく、フロントガラスも外されました。
サイドシル部に作業用のパッチを溶接し、あとはチカラワザで引っ張り出していきます。ここのさじ加減は完全に職人ワザ。鈴鹿サーキット近郊という場所柄、市販車両だけでなく多くのレース車両の修理も手掛ける『ASAOボディサービス』の経験が生きる場面です。
そして無事にサイドシルおよびBピラーが本来の位置に戻り、新たに装着するフロントドアを仮フィッティング。文章にしてしまうとあっという間ですが、ここまで幾度も微調整を行っていただきました。本当にありがとうございます。
その後、あらためてドアを外してからサイドシル部分を研磨&塗装。交換するドアには純正モールが装着されていましたが、それは撤去。取り付け穴がちょっと気になりますが、とりあえずカッティングシートで隠しておくことにします。
ここまで来たら、復活まではあと少し。はやくまた走れる日々が楽しみです。と同時に、今回のアクシデントを通してロールケージの大切さを痛感しました。N-ONEオーナーズカップ車両には、M-TECの製造するロールケージの装着が義務化されていますが、そのおかげで事故のダメージがこの程度で済んだと言ってもいいです。
今回、運転席側から相手車両が接触したわけですが、じつは運転席前のロールケージも内側に押されています。このロールケージが壁となってくれたことで、運転席ドアの室内側への変形が抑えられたといえそうです。もしダッシュ貫通式であったなら、ひょっとするとドライバーの僕も大きな怪我をしていたかもしれません。
あらためて安全装備への意識向上、そして趣味として楽しむモータースポーツだからこそ、自分もセーフティファーストを心がけたいと強く思いました。次回はいよいよデカールを貼り付けます!
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
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