【ホンダアクセス】両足だけで運転操作できる運転補助装置「Honda・フランツシステム」、FIT e:HEVに適用して発売
ホンダ車用純正アクセサリーの開発・販売を行うホンダアクセスは、”Fun for Everyone. Honda ~移動の喜びを一人ひとりに~”をコンセプトに、両上肢の不自由な方が両足だけで運転操作できる運転補助装置「Honda・フランツシステム」を、FIT e:HEVに装着可能とした。2021年10月初旬より発売が開始される。
フランツシステムは、1965年にドイツで開発されて以来、ヨーロッパで高い評価を得てきた運転補助装置。ホンダは1981年に、開発者であるフランツ氏から直接技術指導を受け、さらに独自の技術を加えて1982年に日本国内で初めてフランツシステムを販売。現在、国内で唯一のフランツシステム適用を行っている。
「Honda・フランツシステム」は、FIT e:HEV HOMEとFIT e:HEV CROSSTARに設定された専用の車両へ装着が可能で、足用ステアリングペダルユニットや足用コンビネーションスイッチを中心とし、足用シフトペダルとパッシブシートベルト(自動装着式シートベルト)および、フロアカーペットマット(フランツシステム用)をHonda・フランツシステム専用オプションとしてラインアップ。ユーザーのニーズに合わせて組み合わせて装着する。
足用ステアリングペダルユニットは、左足でのステアリング操作と右足でのブレーキロックが可能になるシステムで、ステアリング下部にギアボックスとステアリングペダル、ブレーキペダル上部にブレーキロックレバーが装備される。ギアボックスのコンパクト化を実現したことで、足元にスペースを確保した。
運転者はステアリングペダルに固定された靴に足を入れ、自転車のペダルを漕ぐように回転させることでステアリング操作が可能となる。シフト操作等を行うためのブレーキロックは、ブレーキロックレバーとブレーキペダルを同時に踏むことで操作が可能。
足用コンビネーションスイッチは、右足でウインカーやライト、Honda SENSINGなど運転時に使用する各種スイッチ類の操作が可能になるシステムだ。右足の足元に集中配置したスイッチ類のレイアウトは、9パターンから運転者の好みで選ぶことができる。
また足用シフトペダルは、右足で車両標準のセレクトレバーと連動したシフト操作が可能になるシステムで、右に回す、上下に動かすといった2つの動作を組み合わせることで操作が行える。パッシブシートベルト(自動装着式シートベルト)は、乗車時に運転席ドアを閉めることでシートベルトの自動装着を可能とした。いずれもシンプルな操作で、安定した姿勢で運転できる。
そのほかサポートアイテムとして、装着状態に合わせた専用設計のフロアカーペットマット(フランツシステム用)もディーラーオプションとして用意されている点は、純正フロアマットを製作するホンダアクセスならではといえるだろう。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
www.honda.co.jp/welfare/purpose/for-drive/both-arms.html