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【動画】ワインディング・ベストを追求した北米ホンダのスポーティグレード、「タイプS」の歴史を網羅せよ【Type S】

ホンダが北米地域で展開するラグジュアリー・ブランドのACURA(アキュラ)は、2022年モデルとして発売される新型MDXにスポーティグレード「タイプS」が設定されたことに合わせ、『Type S Origin Story』と題した動画を公開した。

ホンダのスポーツモデルを象徴する存在といえば、チャンピオンシップホワイトのボディカラーと伝統の赤バッジを備えた「タイプR」シリーズだが、そのタイプRが「サーキット・ベスト」とするならば、「ワインディング・ベスト」とも評される存在が「タイプS」である。

日本市場ではインテグラ、アコード、S2000、初代NSX、そしてプレリュードの5車種に「タイプS」が設定されたが、北米ではアキュラ・ブランドに用意されるスポーティグレードの車名として認知されている。その発端となったのは、AC-Rと呼ばれるプロトタイプクーペだ。

2001年-2008年のあいだに設定されたアキュラ・ブランド各車のタイプSたち

1997年に日本国内市場へ導入されたNSXタイプSが契機となり、アメリカホンダのエンジニアは、独自にAC-Rと呼ばれるプロトタイプクーペを製作した。

当時、Honda R&D Americasで社長を務め、AC-Rの開発リーダーも担当したていたエリック・バークマン氏はこう語っている。

「AC-Rは基本的に時速166マイル(約265.6km/h)も可能なショーカーだったが、もっとも重要なのは車両の性能ではなく、社内の全員がアキュラ・ブランドでこの類のモデルを開発することに夢中になったということでした。そして、AC-Rの制作で得られた知見を投入して開発されたのが、北米ホンダ初のタイプSとなった”アキュラ3.2CLタイプS”です」

2001-2003 Acura 3.2CL Type S

2001 CL Type S

アキュラのスポーティグレードである「タイプS」が初めて設定されたのは、2001年に発売された3.2CLタイプSから。流麗なスタイリングを持つFFクーペで、車名のとおりエンジンは3.2リッターV6を搭載。標準モデルは225PSだが、タイプSは264PSまで出力が高められた。

トランスミッションは5速ATで、パドルシフトによりマニュアル操作も可能。17インチのホイール&タイヤ、スポーツチューンされた専用サスペンションが標準装備された。モデル末期には、6速MTも追加されている。

2002-2003 Acura 3.2TL Type S

2002 TL Type S

アキュラ・ブランドのセダンであるTLは、初代モデルが1995年に登場。1998年に第二世代へとモデルチェンジを行い、タイプSはクーペボディのCLから1年後にあたる2002年にデビューした。264PSを発揮する3.2リッターV6やマニュアル操作が可能な5速ATなど、基本的な装備はクーペと同様。

2002-2006 Acura RSX Type S

2006 RSX Type S

日本国内ではインテグラの車名で販売されたDC5型は、北米市場ではアキュラ・ブランドからRSXとして販売。タイプSが設定されたのは2002年で、標準モデルの160hpに対して、タイプSに搭載されるK20A2エンジンは200hpを発生。6速MTが組み合わされた。2005年にはビッグマイナーチェンジが行われ、タイプRを思わせる大型リアスポイラーを採用。エンジンはK20Z1型となり、最高出力は210hpに高められた。

2007-2008 Acura TL Type S

2007 TL Type S

前出のTLは2003年にフルモデルチェンジを受け、第3世代へ進化。タイプSが設定されたのは2006年で、286hpを発揮する3.5リッターV6が搭載された。トランスミッションは5速ATのほか6速MTも存在し、専用スポーツサスペンションや4ピストンのブレンボ製ブレーキキャリパーを備えるなど、本格スポーツセダンとしての運動性能を備えていた。

新世代のタイプS

その後しばらくアキュラ・ブランドに「タイプS」は設定されていなかったが、TLの後継モデルであるTLXの2021年モデルに「タイプS」が復活。そして2021年後半には、タイプSのエンブレムを掲げる最初のSUVである、MDXタイプSの登場が予定されている。

2021 TLX Type S

2022 MDX Type S

(text:Honda Style magazine)