【ホンダアクセス】電気自動車のドラッグレーサー「e-DRAG」が堂々完成! Hondaウエルカムプラザ青山で展示中
ホンダ車の純正アクセサリーを開発・販売しているホンダアクセスは、ホンダ初の量産電気自動車(EV)である「Honda e」ベースとしたコンセプトモデル「e-DRAG」、そして軽自動車「N-ONE RS」がベースの「K-CLIMB」にオリジナルカラーリングを施した姿を公開した。
e-DRAGそしてK-CLIMBは、2021年1月に開催された『東京オートサロン2021 バーチャルオートサロン』へホンダアクセスが出展していたもの。現在発売中のホンダスタイル101号でも2台の様子は記事紹介しているが、さらに車両制作が進み、いよいよ完成となった。
まずはe-DRAGから紹介していこう。Honda eの上位グレードであるAdvanceをベースに、ドラッグレースへの参戦を目指して開発されたモデル。そのために、まず「軽量化」を最大のテーマとして開発が行われた。そのため、e-DRAGでは外装の各パーツをカーボン繊維と樹脂の複合材であるCFRP製に置き換えている。
なかでも大きく変化しているのがフロントまわりだ。形状こそ純正のデザインを保っているが、フロントバンパー、ボンネットフード、左右フェンダーを一体成形のカウルとした。これにより取り付け構造がシンプルになり、ガバッと大きく取り外すことができる。
さらに前後左右4枚のドアもカーボン素材とされ、ドアノブも除去された一枚モノにする徹底ぶり。フロントドアはサイドウィンドウに開けられた穴から開閉操作を行うヒンジ式で、リアはヒンジ機構そのものも取り外されたはめ込み式となっている。
そのほかルーフやリアバンパー、テールゲートもCFRP製のパネルに変えたほか、ウィンドウ類もすべてアクリル製に変更された。なお、ホンダスタイル101号でレポートしている時点では、左右リアドアおよびテールゲートのウィンドウ部分はボディと一体化されたカーボン製だったが、アクリル製ウィンドウに変更されている。
これは実際の走行時にドライバーの後方視界を確保しておきたいという意味なのか、それともe-DRAGの外観はあくまでノーマル風に仕上げたいという製作者の拘りか、あるいは展示した際に内装を見やすくするようにという配慮なのか、気になるところだ。
ホイールはNSX-R純正のフロント用17インチを4輪に装着。サイズは17×7JJで、純正ながら鍛造アルミ製で軽量なことが採用の理由。組み合わせるタイヤは、ドラッグレースの世界で定評のあるM&Hレースマスター製で、フロントには通常の溝付き、チアはドラッグレース用のスリックタイヤを組み合わせている。
ドラッグレースのスタート時にフロントブレーキをロックし、リアタイヤをホイールスピンさせるラインロック機構も装備。「バーンナウト」と呼ばれるこの行為は、タイヤの表面温度を上げて路面との密着性を高め、スタート時に優れたトラクションを得られる効果がある。
脚まわりでは、HKS製車高調整式サスペンションを装着。フロントのピロボール式ロアアーム、リアのピロボール式ロアリンクはいずれもワンオフ製作品。加えて、モーターが生み出す強力なトルクを推進力に変えるため車体の前後重量バランスの最適化も行われている。
内装はインパネこそ純正の姿を残しているが、そのほかは完全なレース仕様。乗降性や視界確保の点から、Aピラー内側を通るように設計された6点式ロールケージが装着される。また内装材や防振・吸音材、リアシートは軽量化のためすべて撤去。
フロントシートは両席ともKIRKEY製のアルミバケットシートに換装され、シンプソン製の4点式シートベルトを装着。いずれも実際に日本国内のドラッグレースにおけるレギュレーションに則った内容で仕上げられている。なお写真では助手席も装着されているが、実際のドラッグレース参戦時は助手席も外されるとのこと。
このe-DRAGは、N-ONEをベースとしたK-CLIMBとともに東京・青山の「Hondaウエルカムプラザ青山」にて展示中。期間は2021年4月20日~5月17日となっているので、ぜひこの機会に実車を見に訪れてみてはいかがだろうか。
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
www.honda.co.jp/welcome-plaza
住所:東京都港区南青山2-1-1 Honda青山ビル1階
電話:03-3423-4118
開館時間:10:00~18:00
休館日:GW、夏季休館、年末年始
最寄り駅:東京メトロ銀座線、東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線
「青山一丁目」駅 下車5番出口すぐ
設備:多目的トイレ、授乳室、オムツ交換台、貸し出し用車いす、EV充電
※開館時間については変更となっている場合があります。