NSXと同じボディカラーに身を包む、360台限定の特別な高級SUV。アキュラ『RDX PMCエディション』登場!!
ホンダがアメリカ国内で展開するラグジュアリー・ブランドの「ACURA(アキュラ)」がラインナップする、アキュラ版タイプRともいうべきスポーツグレードが「PMCエディション」である。
専用工場で職人の手により製作されるPMCエディションは、これまでミドルサイズのスポーツセダン・TLXや、同じくミドルSUVのMDXに設定されてきたが、新たにコンパクト(あくまでも北米基準だけれど)スポーティSUVのRDXにも追加設定された。
近年の北米市場はSUVカテゴリーの人気が高く、ホンダはHR-V/CR-V/パスポート/パイロット、アキュラはRDX/MDXと、両ブランドを合わせて6車種を販売している。RDXはアキュラ・ブランドのエントリーSUVとして位置付けられ、現行型は2019年モデルから発売されている3世代目である。
パワーユニットはK20C型2リッター・ターボで、FK8型シビック・タイプRに搭載されるユニットと基本設計を共有する。さすがに最高出力は272hpへと抑えられているが、トランスミッションは10速AT、駆動方式は最新世代のSH-AWDなどスポーティSUVを名乗るにふさわしい内容だ。
そんなRDXの2021年モデルに設定されたPMCエディションは、アメリカ・オハイオ州にあるPMC(パフォーマンス・マニュファクチャリング・センター)にて生産されるスペシャルモデル。ご存知のように、PMCとは現行モデルのNSXを生産するために建設された最新工場だ。
そんなPMCで、最高の職人たちがハンドビルドで組み立てを行う「PMCエディション」シリーズ。そう聞くと、思わずタイプRシリーズを連想するホンダファンは多いのではないだろうか。実際のところ、PMCエディションは「アキュラ版タイプR」と言ってもいい内容となっている。
これまでTLXやMDXといったモデルにPMCエディションが設定されてきたというのは前述のとおり。生産規模の問題か、いずれもカタログモデルではなく台数限定となっており、今回のRDX PMCエディションも360台のみの生産となる。
外観では、2019年モデルのNSXから設定されたサーマルオレンジ・パールのボディカラーが最大の特徴。ルーフはブラックにペイントされ、パノラミックムーンルーフが全車に標準装備となる。
“ダイヤモンドペンタゴン”フロントグリルやドアミラー、ドアハンドルはグロスブラックで統一され、グリル周囲もボディカラー同色仕上げ。極力、クロームメッキを抑えた外観は、ラグジュアリー性よりスポーティ性を強調している。
ホイールは20インチの専用タイプで、ルーフやミラーと同じくグロスブラックでペイントされる。タイヤサイズは前後ともに255/40R20で、サスペンションもPMCエディション専用のアダプティブダンパー仕様だ。
インテリアには、前後シートにミラノレザーとウルトラスェードのコンビ素材を使用。ステッチはボディカラーに合わせたオレンジとされる。フロントシートはランバーサポートを含む16way調整タイプだ。
本革巻きステアリングやセンターコンソール、さらにフロアマットにもオレンジのステッチが施される。PMCエディションはRDXのスポーツグレードの「A-SPEC」をベースとしているため、ステアリングにはエンブレムが装着される。
センターコンソールには、PMCエディション専用のシリアルプレートも装着される。通常の工場からラインオフされたボディがPMCに運び込まれ、NSXと同様に腕利きの職人がハンドビルドでPMCエディションの製造を行っているという。
現在、アキュラは「A-Spec」と呼ばれるスポーティグレードを各モデルに展開しているが、このPMCエディションはA-SPECと上級グレード「アドバンスパッケージ」の装備を融合させ、さらにプレミアム感を演出したモデル。
エンジンはシビック・タイプR由来のK20C型2リッター・ターボで、トランスミッションは10速AT。駆動方式は最新世代のSH-AWDと、ホンダ&アキュラの最新技術が盛り込まれた内容でありながら、車両価格は5万1000ドル(約530万円)と比較的リーズナブルに設定されている。
残念なことにアキュラ・ブランドは日本では販売されておらず、RDX PMCエディションは台数限定モデルであることからも、日本国内で味わうなら並行輸入を得意とするショップに期待するしかない。
それだけに日本国内の新車ラインナップにも、PMCエディションのようにホンダ&アキュラの最新メカニズムを備え、さらにNSXとの結びつきを強く感じさせるといった、ホンダファンをワクワクさせてくれるモデルが今後に設定されることを期待したい。
(text:Honda Style magazine)