ボディリフレッシュ&SPOONパーツをフル装備の究極シビック・タイプR[EK9]、販売価格はいくらになる!?
ホンダ車のチューニングパーツメーカーとして、世界中にファンを持つSPOON。現在、そのアンテナショップである『スピードショップTYPEONE(以下タイプワン)』において、スペシャルな初代シビック・タイプRの制作が行われている。
「EK9」の型式名で親しまれる初代シビック・タイプRは、1997年8月に登場。兄弟車的な存在である初代インテグラ・タイプRと同様、専用チューンされたエンジンやサスペンション、MOMO製ステアリングやRECARO製シートといった専用装備が与えられた。
初代シビック・タイプRは2001年11月まで生産が行われ、初期モデルでは車齢20年を超える「ネオヒストリック」世代のモデルだが、現代のクルマにはない軽量コンパクトな車体や、1.6リッターの排気量から185PSを叩き出す専用チューンB16Bエンジンなどから現在でも高い人気を誇る。
さすがに中古車市場の販売車両は減少しているが、車両価格帯はジリジリと上昇を続けており、走行距離の少ない良コンディションの車両では、新車時の価格を大きく上回るプライスボードを掲げるケースも珍しくない。
とはいえ『距離を走っていない』ことは、すべて良いこととも言い切れない。初代シビック・タイプRは最後期モデルでも約20年の車齢を持つネオヒストリックカーだけに、車両が持つ本来の走りを楽しむためには、各部まで整備の手を入れる必要があるからだ。
そこでタイプワンでは、初代シビック・タイプRのノーマル車両をベースに、徹底したリフレッシュ作業を施した車両を制作中。現在発売中のホンダスタイル99号では、フロントまわりがドンガラとなった作業開始直後の様子を紹介しているが、いよいよ車体にエンジンが搭載された。
エンジンはノーマルのB16Bをベースに、タイプワンにてすべてバラして再組み立てしたリビルドモーターを搭載。エンジンを降ろした際、補機類などもすべて外され再塗装されたエンジンルームは非常に美しい。純正部品も可能なかぎり新品部品へと交換され、ハーネス類は徹底的に洗浄され再使用されている。
車両の制作コンセプトは、『初代シビック・タイプRが現役当時のSPOONデモカーを再現』というもの。そのため車体にはスポット増しなどの補強は入れられておらず、ホンダ純正部品の新品を使用するなどして、新車当時にリフレッシュ。そしてSPOON製パーツを装着している。
脚まわりはSPOON製車高調サス、ブレーキもSPOON製モノブロックキャリパーとローターに交換予定。ホイールはSW388を組み合わせる予定とのこと。フロントボンネットもSPOON製カーボンフードに交換されているが、これらのパーツはすべて現在もSPOONにて購入することが可能だ。
ルーフラインから流れるように一体感あるデザインを実現するSPOON製ルーフスポイラーは、従来からラインナップされているものと同形状だが、新たに金型を製作したニューパーツ。タイプRだけでなく、すべてのEKシビック・ハッチバックに装着が可能な定番製品だ。軽量なカーボン素材を採用しており、機能とデザインを両立させたオーナー必携アイテムといえる。
今後、車両はボディまわりの追加作業を行ったのち、インテリアに着手。といっても純正ステアリングやシフトノブ、RECARO製シートといったパーツは交換せず、美しくリフレッシュが施される予定だ。
従来、タイプワンでは『リノベーションカー』と題したリフレッシュ車両の制作・販売を行っているが、この初代シビック・タイプRについては、その範疇を越えてレストアに近い内容。さらに新品のSPOON製パーツも多く装着されているとあって、初代シビック・タイプRオーナーならずとも完成が気になる1台だ。
しかもなんと、この車両は完成後に販売を予定しているとのこと。制作に際してかかった作業時間や、交換装着したパーツの価格を考えると、フルレストアを受けたヒストリックカーと同等の車両価格となってしまうことは間違いないだろう。
しかしホンダの誇る「シビック・タイプR」の初代モデルを新車同様に復活させ、さらにタイプワンが徹底的に手を入れ作り上げた至高の1台であるならば、是が非でも手に入れたいと考える人は多いハズ。
ホンダスタイルwebならびにホンダスタイル誌面では、今後も制作の模様をレポートし、完成後には試乗取材も予定しているのでぜひお楽しみに!
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)