【GT500】鈴鹿に強い64号車Modulo NSX-GTが再び魅せた! 第6戦は2番グリッドからレースに挑み6位でチェッカー【動画】
2020年10月24-25日、三重県・鈴鹿サーキットにおいて2020 SUPER GT第6戦の決勝レースが行われた。
鈴鹿サーキットでのSUPER GTは、8月22-23日に行われた第3戦に続いて今シーズン2度目の開催となるが、もっとも大きな違いはメインスタンドに観客の姿が戻ってきたこと。もちろん、コロナウィルス感染拡大対策のため人数制限が行われていたが、いつもの風景が少しずつ鈴鹿サーキットにも戻ってきた。
そんななか、64号車Modulo NSX-GTは予選から躍動する。なんといっても前回の第3戦では、フリー走行〜予選Q1〜予選Q2とすべてのセッションでトップタイムを記録。惜しくも決勝レースでは順位を落としてしまったが、チームやマシンは鈴鹿との相性の良さに自信を感じており、今回も活躍が期待された。
ポールポジションを獲得した第3戦と同じく、予選Q1は大津弘樹選手が担当。1分45秒218と、ホンダ勢ではトップとなる2番手のタイムをマーク。Q2を担当した伊沢拓也選手は、鈴鹿での連続ポールポジション獲得を目指してアタックに挑み、1分45秒054を記録する。
しかし同じホンダ勢の8号車NSX-GTが、この日唯一の44秒台となる1分44秒963を叩き出してポールポジションを獲得。ホンダ勢にとって地元レースである鈴鹿サーキットにおいて、フロントローにNSX-GTが2台並んで決勝レースを迎えることとなった。
迎えた決勝レースも予選と同様、朝から空は絶好の秋晴れ。第3戦鈴鹿での64号車は、決勝レースにおけるタイヤの摩耗やピックアップの発生により順位を落としてしまったが、季節が進んで気温&路面温度ともに下がっていることも好影響となったか、決勝レース前のウォームアップではトップタイムを記録。さらに安定したタイムを継続して記録しており、今季初の表彰台が期待された。
全52周の決勝レース、スタートドライバーは伊沢選手が担当。2番グリッドからスタートした伊沢選手は、序盤から安定したペースで2位のポジションを守りながら走行。しかし10周を過ぎたころからタイヤが厳しくなったか、少しずつペースが下がっていく。
そして12周目のストレートでエンジンにトラブルが発生し、後続のマシンにかわされ3番手に後退。幸い、このトラブルはすぐに解消して3番手から再び上位を伺うが、19周目には4位にポジションを落としてしまう。
そして伊沢選手は、ほぼミニマムとなる21周目に早めのピットイン。大津弘樹選手へとドライバーチェンジを行った。大津選手はピットアウトした直後、暖まっていないタイヤのため1台にかわされ5位となるが、このとき他車のクラッシュが発生。レースはセーフティカーが導入されて一旦各マシンの差はリセットされる。
セーフティカーは5周にわたって各マシンの隊列を先導し、やがてレース再開後も大津選手は5番手をキープして走行を続ける。タイヤを労わりつつ安定したタイムを刻んでいた大津選手だが、チェッカーまで残り7周というところでGT300マシンに前をふさがれ若干のスピードダウン、その隙にひとつポジションを落としてしまう。
失った順位を取り戻すべく前を追う大津選手だったが、残念ながらポジションアップは叶わず、6位でチェッカーフラッグを受けた。これによりチームは5ポイントを獲得。今回の第6戦では計8ポイントを加えることとなった。
中嶋 悟総監督コメント
「全体的にレースができたという感じがしていて、いいレースだったと思います。上位で戦えるようになったのはここまでの成果。課題が少しずつ改善されているので、次戦もまた頑張っていきたいと思います。たくさんのご声援をいただき、ありがとうございました」
伊沢拓也選手コメント
「もちろん表彰台を目指していたので悔しい気持ちはありますが、今シーズンの中ではしっかりライバルと戦えるレースができたと思います。自分たちの大きな課題であるレースペースが上がらないことについては克服できたとは言えませんが、一定のレベルでは戦えたと思っています。うまくいかないこともありましたが、うまくやれればしっかりと戦えるところまできていますので、次戦は今年のベストリザルトを目指して頑張ります」
大津弘樹選手コメント
「タイヤの温まりの問題もあり5番手で周回することになりましたが、前は見えていながらもなかなか追いつけない苦しいレースでした。とは言え、ここ2戦の苦しい中で得たデータを活かせたことが今回の上位争いができた要因ではないかと思います。結果は6位で今回が一番チャンスだと思っていた表彰台に上がることができず持ち越すことになってしまいましたが、諦めず最後まで頑張りたいと思います」
次戦の第7戦は、11月7-8日に栃木県・ツインリンクもてぎで行われる。
(text:HondaStyle magazine)